2021年1月に高知県警が導入した警察車両用の新たなロゴとエンブレム。警備応援で東京に派遣されているパトカーにも用いられているこの新表記のなかに、ほかの都道府県警察では見られない注目ポイントがありました。

2021年初頭に採用された新デザイン

2021年7月23日(金)から始まった東京オリンピックの関連で、都内を中心に大規模な交通規制が敷かれています。警察庁の発表では、東京オリンピックパラリンピックの警備に約6万人の警察官が従事しているそうで、東京では全国から応援で集まった警察官や各府県警のパトカーが見られます。

そのなかで、高知県から派遣されたパトカーだけ、特別なデザインが施されています。

高知県警は、2021年1月にパトカーへ描く表記を一新し、ロゴと独自エンブレムを制定しました。従来、高知県パトカーは書体が統一されておらず、メーカーなどによって字の形がバラバラだったといいます。

そのため、デザインを統一しようという機運になり、独自のエンブレムとともに「高知県警察」の書体が定められたそう。既存の書体と比べると丸みがなくなり、直線を多用したものに改められています。

ただ、よく見るとそれだけではなく、新たに色が追加されているのがわかります。

全国でも高知だけ? 2色使いの県警表記

高知県パトカーの表記で新たに使われるようになった色、それは赤です。車体側面に記された「高知県警察」の字、よく見ると「察」の部首であるウかんむりの1画目、すなわち中央上部の縦線部分だけが赤くなっています。

これはパトカーが装備する赤色灯をイメージしているとのこと。さらに詳細に見てみると、この部分だけ上部が曲線になっているのがわかります。

前述したように、高知県警において新デザインのロゴとエンブレムの導入が始まったのは2021年1月からであるため、すべての警察車両の表記が変更されたわけではありません。

そのため、オリンピックパラリンピックの警備応援で東京に派遣されている高知県警のパトカーも、この新デザインのロゴとエンブレムを付けた車両のほかに、未更新の従来表記のものもありました。

全国のパトカーのなかでも、警察名の表記に白または黒以外の色を使っているのは、ほぼありません。ちなみに、車両用に新たに制定された高知県警のエンブレムは全部で3種類あり、交番や駐在所などに配置されるパトカーには県警のオリジナルキャラクター、かわうその「ポリンくん」や「ポーリーちゃん」が描かれるとのこと。エンブレムを複数用意するというのも、ほかの都道府県では見られない取り組みといえそうです。

東京都内で見かけた高知県警のパトカー。エンブレムの導入は2021年1月から(2021年7月、柘植優介撮影)。