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日本人が陥りやすいパリ症候群とは?

 「パリ症候群」という言葉を聞いたことがあるだろうか?これは、フランス・パリに多大なる憧れを抱いていた外国人が、実際にパりで暮らし始めると、想像していた町とはまったく違うことに気づきショック状態に陥ることを示す言葉だ。

 そこから派生してパリ症候群は、現地の習慣や文化などにうまく適応することができず、精神的なバランスを崩し鬱病に近い症状を訴える適応障害の一種として精神医学用語となった。

 「奇妙なことに、この奇怪な症状の最悪の影響を受けるのは、他ならぬ穏やかで冷静沈着な日本人に多い」という英文記事が海外サイトにて掲載されていた。

【パリジャンはフランス語をしゃべらない外国人に冷たい】

 海外記事にはこう書かれている。

ばかげているように思えるかもしれないが、パリ症候群は現実にある。メディア、特に日本のメディアの表現のせいで、この街は趣があり、街の隅々まで豊かさあふれる、親しみやすい都市だと多くの人々が誤解しているからだ。

女性は皆、優雅で美しく、街にはシャネル5番の香りが漂っていて、公園には鳩が群れ、ウェイターはたちまち陽気に歌を歌い出すと思われている。ところが彼らの儚い夢は、パリに着いたまさに初日に粉々に壊れてしまう。

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photo by Pixabay

 パリだって、世界の他の都市と同じように、良い部分も悪い部分もある。ところがパリの場合には、メディアによって、良いところばかりが強調されている場合が多く、それがパリ症候群のもっとも大きな一因となっていると考えられている。

 世界のファッションの中心地であるパリは、他の都市同様醜い一面をもっている。多くのパリジャンは、特にフランス語をしゃべらない外国人には冷たい。

 外国語で会話をするのは、はっきり言って苦痛な上に、嫌われていると感じる相手との会話はなおさら嫌だろう。

サービス産業だって、いつも旅行者に親切だとは限らない。泣き叫ぶ子供たちや、体をまさぐりあっているカップルでいっぱいのメトロの車内は暑くて混雑していて快適とは程遠い。

 パリが美しい街ではないと言っているわけではない。だが、ダークサイドを丸ごと認めているニューヨークのような都市と違って、パリはいまだに少女のオルゴールの中で永遠に夢見心地に回り続けているような存在なのだ。

 富裕層なら最初から特別扱いされるだろうが、一般人で直接現地で体験した人にとっては、受け入れ難いことかもしれない。

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photo by Pixabay

パリ症候群に陥るとどうなる?

 彼らは、不安や、肉体的心理的なものが絡んだ症状にとらわれて、うまく対処できないようだ。長期の旅行にまた出かけるのを怖がる人もいれば、激しい妄想やめまい、発汗、幻覚、うつ、迫害感情などに苦しむ人もいて、人によって症状は様々である。

 2011年、夢みた街が存在しない事実に直面して苦しみ、帰国して治療を受けるはめになったケースが少なくとも6件あり、パリの日本大使館では、街が崩れてこないか確認する日本人旅行者からの電話や訪問が後を絶たなかったという。

 YOUTUBE動画:パリ症候群

日本人がパリで苦しむ要因

 カルチャーショックは、自分の得た知識や情報と現地の実際の姿がかけ離れていることで、心理的にショックを受けたり戸惑うことである。

 日本とフランスの文化がまるで正反対ならまだわかりやすかったかもしれないが、些細な違和感、差別されているような感覚を感じた場合にも起こりうる。

 その為、旅行者だけでなく、交換留学生、赴任してきたビジネスマンでも、不安定になることがある。

 日本人がパリで苦しむもっとも重要な要因は、カルチャーショックコミュニケーション障害、文化の違い、肉体疲労の4つと言われている。

 フランス人は自分の気持ちを遠慮なく自由に話すが、なかなかNOと言えない一部の日本人にとっては、受け入れるのが難しいかもしれない。

 また、彼らはフランス語をわからない相手に対し嫌味を言うこともある。なんとなく嫌なことを言われている気はしても、侮辱なのかただのジョークなのか判断がつかないこともある。

 映画の中のパリは、現実とはまったく違うということを肝に命じておけば、パリへ向かうすべての日本人の助けになるはずだ。

 もちろん、訪れて写真を撮るべきすばらしい場所はたくさんあるし、親切な人たちもいるし、おいしい料理もあるが、中には腐ったりんごもあるということを忘れないようにしよう。

References:The Paris Syndrome - A Bizarre Psychological Condition Affecting Japanese Tourists / Paris Syndrome: A First-Class Problem for a First-Class Vacation - The Atlantic / written by konohazuku / edited by parumo

パリ症候群 wikipediaとは
 1991年、精神科医の太田博昭ならびにフランスの精神科医らにより提唱された。2004年、ラシオンなどのフランスの新聞やBBCなどの各国のメディアで紹介され認知度が高まる。

現代では『パリにやってきてほどなくののちに生気を失った顔で帰国する日本人女性』はパリにおける一種の名物ともなっており、日本や日本人とは全く関係のない題材のエッセイに唐突に登場するといったこともしばしばである。

典型的な症状としては「フランス人が自分を差別しているかもしれない」と不安を抱いたり、パリに受け入れられない自分を責める、などである

 異文化に触れると言うことは自分の価値観を広げるという意味においても大切なことであり、ネットの情報などでは得られない「リアル」がそこにある。

 観光旅行などで訪れた場合とは違い、長期滞在や留学、赴任などの場合には、やはりリアルに触れるケースが多い。

 パルモのいたアメリカでも、精神状態が保てなくなって帰国した人も何人か目にした。なんだかんだいっても世界は広い。様々な人々がそれぞれの価値観のもとに暮らしている。でもそれ以上に個体差がある。

 いい人もいれば悪い人もいる。どこでもそうだ。自分の中にだってダークサイドは存在する。最初からみんな違っているのだ。みんな違っているけどみんな人間でありヒト科の仲間である。

 自分の中のフィルターをちょっと取り除いて、それでもお互いにもっと理解しあえるように、外にでることをやめないでほしい。信じられないような出会いがきっと待っているはずだから。

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photo by Pixabay

パリジェンヌのモラルの低下は問題視されている

 実際にパリに住む人のマナーの悪さは問題になっているようで、市当局があの手この手で改善を呼びかけるキャンペーンを展開中だという。(2013年現在)

 パリのリヨン駅では、公共マナー改善を喚起するためにフランス国鉄が設置した巨大なたばこの吸殻のオブジェが設置された。

他にも、乗車マナーの悪い人々に喚起を呼びかける動物モチーフポスターフランス国鉄)や、パリ交通公団のバスやメトロに登場した。

 パリ交通公団が発表したアンケート結果によると、ここ1か月の間バスや地下鉄の中で他人の無礼な言動を目撃した人は97%に上ったほか、驚くべきことに他の乗客に対して無礼を働いたと認めた人も63%に上った。この結果を受け、パリ交通公団は乗客らに対し「通勤中にはお互い笑顔を交わす」ことを呼びかけるキャンペーンを開始した。

 フランスシャルル・ドゴール空港もその国際的マナーの低さには定評がある2011年、米CNNブログで世界最悪と評された。ウサギの穴のように入り組んだ構造、汚いトイレ、そして何よりも「横柄な職員の態度」がその理由だ。

パリジェンヌたちが高慢な態度をとるのはよそ者に対してだけではない。パリ市民はお互いに対する態度も悪く、ウエーターは客をごみのように扱うと言われている。

 フランス国鉄のギヨーム・ペピ会長によれば、公共マナーの欠如は「非常にフランス的な問題」で、パリ市内にとどまらないという。

パリの週刊誌マリアンヌは、パリ市民たちの粗暴さの原因はストレスにあるとしている。郊外も含め1100万人以上が暮らすパリでは生活ペースが速く過密が進んでおり、他の地域と比べて通勤時間や勤務時間が長く、市民にかかるストレスが大きいと同誌は指摘する。

追記:2013年1月の記事を修正を加えて再送します。

 
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