業務用加工食品などを手掛ける株式会社あじかんが、株主優待を一部変更することを、2021年8月2日に発表した。

 あじかん株主優待は、これまで毎年3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上保有する株主に、保有株数に応じて加工食品やお茶などの自社製品を贈呈。そのほか、オリジナルカレンダーも贈呈」というものだった。

 今後は、株主優待の基準日が「3月末と9月末の年2回」に。変更後の株主優待の内容は「3月末時点で100株以上を半年以上保有する株主に、自社製品1000円相当を贈呈。500株以上を2年以上保有する株主に、自社製品1000円相当を贈呈。9月末時点で500株以上を半年以上保有する株主に、自社製品2000円相当を贈呈。2000株以上を保有する株主に、自社製品3000円相当を贈呈」となる。

 主な変更点をまとめると、以下のようになる。

①継続保有期間が半年未満だと株主優待の対象外に。100株以上~500株未満の株主に関しては、基準日は3月末の年1回となる。
②500株以上を保有している場合、3月末については2年以上の保有で株主優待の対象になる。9月末については、半年以上の保有で株主優待の対象になる。
③変更前の保有株数は「100株以上」「500株以上」「1000株以上」の3段階だったが、変更後は「100株以上」「500株以上」「2000株以上」の3段階になる。

 また、これまで100株以上の株主に贈呈されていたオリジナルカレンダーは、2022年4月1日以降、毎年9月末時点で「500株以上を2年以上継続保有する株主」のみに送付される。

 あじかん株主優待の変更は、2022年3月末時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。

あじかんの株主優待制度の変更前と変更後

(変更前)
基準日 保有株式数 株主優待内容
3月末 100株以上 自社製品1000円相当
500株以上 自社製品2000円相当
1000株以上 自社製品3000円相当
(変更後)
基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容
3月末 100株以上 半年以上 自社製品1000円相当
500株以上 2年以上 自社製品1000円相当
9月末 500株以上 半年以上 自社製品2000円相当
2000株以上 半年以上 自社製品3000円相当

あじかんの株主優待利回りは?

 あじかんの2021年8月5日時点の株価(終値)は855円なので、変更後の株主優待利回りを計算すると、以下のようになる。

(100株・半年以上保有の場合)
投資金額:100株×855円=8万5500円
優待品:自社製品1000円相当
優待利回り=1000円÷8万5500円×100=1.16%

(500株・半年以上保有の場合)
投資金額:500株×855円=42万7500
優待品:自社製品2000円相当
優待利回り=2000円÷42万7500円×100=0.46%

(500株・2年以上保有の場合)
投資金額:500株×855円=42万7500
優待品:自社製品3000円相当
優待利回り=3000円÷42万7500円×100=0.70%

 あじかん株主優待は、加工食品やお茶などの自社製品。今回の変更により、500株以上を2年以上保有する株主は、年2回株主優待を受けられるようになる。しかし、株主優待を受けるために半年以上の継続保有が必須となった点や、「100株以上」「500株以上」「1000株以上」だった配布区分が「100株以上」「500株以上」「2000株以上」となった点は改悪と言えそうだ。
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 あじかん卵焼きなどの業務用食品、ごぼう茶などを手掛ける企業。本社は広島市。2022年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高445億円(前期比4.5%増)、営業利益2億8000万円(前期比55.7%減)、経常利益2億円(前期比76.1%減)、当期純利益1億5000万円(前期比75.0%減)。コロナ禍で外食向けなどの加工食品が失速。

■あじかん
業種 コード 市場 権利確定月
食料品 2907 東証2部 9月末・3月末
株価(終値) 必要株数 最低投資金額 配当利回り
855円 100株 8万5500円 1.75%
※株価などのデータは2021年8月5日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。
あじかんは卵焼きなどの業務用食品、ごぼう茶などを手掛ける企業。