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「13年という年月を経て、最後にあきらめなければ夢がかなうということをたくさんの方々に伝えられたと思う」

7月27日ソフトボール女子で優勝した上野由岐子投手はそう語った。

この金メダルにはソフトボール経験者の雅子さまもひときわ感激されたのではないだろうか。

雅子さまといえば、中学時代にソフトボール部を創設し地区大会で優勝。留学先のアメリカのハイスクールでも活躍されるなど、ソフトボールには思い入れがおありなのだ。

7月21日福島市で行われた開幕戦では、幼いころに被災した地元の中学3年生バッテリー始球式を務めた。

側近の侍従が明かしたところによると、両陛下は日本代表の活躍をニュースでお知りになった。そして始球式バッテリーが復興五輪への思いをこめたと知った雅子さまは「胸がいっぱいになった様子だった」と、天皇陛下が侍従に話されたそうだ。

雅子さまも注目された始球式ピッチャーを務めた桑原真愛さん(15)に、どんな思いで投げたのか、話を聞いた。

「私は4歳のころに東日本大震災で被災し、1年間の避難生活を送りました。いまはいわき市の中学校へ通っています。中学生になってから富岡町を訪れたとき、以前の厳しい状況が変わり、復興の兆しが見えるようになっていました。いろんな人が頑張っているのだと感じました。

橋本聖子大臣からボールを渡されたときには、人生でいちばんドキドキしていました。マウンドでは福島での開催、これまで支えてくれた人への感謝をこめて投げました。

皇后さまもソフトボール経験者と聞いて、『エーッ!』ってすごく驚きました。そういったつながりがあってうれしいです。

高校以降もソフトボールを続けて、五輪でホームランを連発した藤田倭投手のような“二刀流”になりたいです。日本代表の金メダルに、私も大きな舞台で活躍したいと改めて思いました」

雅子さまは’13年の誕生日に際して、東京五輪開催決定について感想を記されていた。

《今年は、2020年の東京オリンピックパラリンピック大会の開催が決まり、日本の子どもたちに大きな夢が与えられました。7年後に控えたオリンピックパラリンピックが良い大会になることを心から願いたいと思います》

トラブル続きで開催の意義が疑問視されてきた東京五輪だが、アスリートたちの活躍は子どもたちに「大きな夢」を与えてくれている――。