国道で唯一、まとまった長さの未舗装区間があった国道458号が全線で舗装されます。豪雪地帯のため冬季は閉鎖される区間ですが、舗装後はどうなるのでしょうか。

「ダート区間」舗装工事のため2021年度は通年通行止め

日本の道路は津々浦々まで舗装が進み、国道においてクルマが通れる未舗装(ダート)区間は絶滅寸前です。その日本最後といわれる「ダート国道」で2021年現在、舗装工事が進められています。

未舗装なのは、山形県新庄市と上山市を南北に結ぶ国道458号のうち、大蔵村の肘折温泉から寒河江市の境にあたる十分一峠までの区間です。もともとこの区間は冬季に閉鎖されますが、山形県最上総合建設部によると、2021年度は工事のため通年で通行止めになっています。

この区間は道幅が狭く、つづら折りのカーブが続くいわゆる「酷道」。ブナ林のなかを1本の道路が貫く風景は、県が観光スポット「国道458号線のブナ林」としても紹介するほどで、おまけダート区間もあることから、道路好きのあいだでは知られた存在でした。しかし「ダート国道」の走行は、もう叶わない見込みです。

道路を管理する最上総合建設部によると、舗装が進められている区間は十分一峠の北側の約8km。もともとカーブ箇所など部分的に舗装工事が進められていたものの、このほど大雨災害からの復旧工事と合わせて、全て舗装することになったそう。「道路を管理するうえでも、通行の安全性を考えれば舗装が望ましい」といいます。

現地は日本有数の豪雪地帯であり、道幅も狭く雪崩の恐れもあることから、全線舗装後も冬季には閉鎖されるとのこと。開通の見込みについては、「今年は難しいです。冬の閉鎖期間後も工事を進め、2022年の冬季前に開通できるかどうか」(最上総合建設部)ということでした。

国道458号の未舗装区間(画像:PIXTA)。