俳優・坂東龍汰、24歳。2017年に俳優デビューしてから5年の間に出演した映画は、すでに11本。ドラマは15本を超える。キラキラの青春映画から時代を映し出す社会派ドラマ、シニカルな学園ドラマまで幅広いジャンルで、全く違う顔を見せる彼が中学時代から続けているものがある。それが写真だ。

【写真を見る】「ダンゴムシとかいないかな」と地面を見回す坂東

毎月連載の「坂東龍汰の推しごとパパラッチ」では、坂東龍汰の推しごと=好きなもの、興味のあることに、趣味の写真を通して迫っていく。#1の推しごとは「カメラ」。坂東曰く、「学生時代はなりたいものがコロコロ変わった」という彼の素顔について語ってもらった。

――まず、今日のお衣装は自分でスタイリングしたそうですね。

そうなんです。というか、私服です。イッセイミヤケのセットアップで、ここぞという大事な時に着ています。普段は夏だったら、短パンTシャツサンダル。着やすそうなゆるっとしたものばかりなので、このセットアップはあまり僕が着ないタイプシルエット。ちゃんとした時に着たいなと思って買ったんです。僕、“年に1着、イッセイミヤケ”と決めていて。去年はコートを買って、それもリバーシブル。あ、このセットアップリバーシブルなんですよ。高いものを買うなら、リバーシブルで2回楽しめた方がいいなと思って(笑)

――ちなみに最近、ハマっているアイテムはありますか?

チョッキです。えっ? チョッキって言わないですか? 親もチョッキって言ってますよ(笑)? チョッキは冬用も入れて、3着ぐらい持ってます。冬にPatagoniaのモコモコのを買って、それがいいなと思って、夏用のも最近買ったんです。それはSTONE ISLANDので、白Tに合わせて着てます。

――今日、お持ちいただいたカメラOLYMPUS PEN-F。おしゃれカメラですね。

このカメラは新入り君で、ずーっと使っていたのはCanonEOS5。10年前ぐらいのデジタル一眼レフで、写真はほとんどそれで撮っていました。カメラを始めたのは中1ぐらいかな? その後もちらほら違うのを使って、今はこれに落ち着いています。EOSカメラの感覚みたいなものを学びました。もともとは北海道で自然を撮ることが好きだったのでデジタルの方が合っていたんですけど、東京に出てきてからは自然がないので、現場とかで人を撮るようになって。それで、今はこのOLYMPUS PEN-Fのハーフカメラに落ち着きました。たぶん30〜40年前のカメラで、アンティークですね。カメラは家に7台ぐらいあるんですけど、全部おじいちゃんにもらいました。あ、いや1台だけ自分で買いましたね。

――このハーフカメラの良いところは?

繊細な色が出るんですよ。薄過ぎず、強過ぎず、どんなフィルムを入れても落ち着いた色味が出る。淡い、強調し過ぎない色が好きで、あったかさも出るので、きっと人を撮ることに結構使われてきたカメラなんじゃないかと思います。それから、ハーフカメラは一個のフィルムで2倍撮れるので、お得感もあって、よっしゃって感じがするんで(笑)

――写真を始めたきっかけは?

最初は修学旅行のためにOLYMPUSコンパクトデジカメを買ったんです。そこから何か面白い写真を撮りたいと思って、海の中とか、湖とかで躍動感のある写真を撮り始めたんです。自分ですごいと思える写真が撮れると人に見せて、その人の反応を見るのも好きでした。

――渋い中学生ですね。

そうなんですよ。その後、一眼レフをじいちゃんにもらってからは、周りの人と話が合わなくなってしまって(笑)。みんな、テレビゲームの話をしているなか、“何ミリのレンズがほしい”とか、“このボディじゃ物足りない”というような話をして、“何言ってるの、こいつ?”みたいな顔をされたことを覚えています(笑)。でも、カメラへの情熱がまさっていたので、テレビも全然見ず。学校でケータイなどの電子機器類は禁止されていたんですけど、なぜかカメラだけは許されていたんです。カメラWi-Fiを拾わないし、アートの才能を伸ばすためにいいからかな?

――中学校もシュタイナー教育の学校ですか?

そうです。ずーっとシュタイナーでした。その後、映像にも興味が行き、高校生で映画研究会に入って、デジタル一眼レフで映画を3本ぐらい撮って、映画甲子園に応募したりしてました。

――写真だけでなく、油絵も描かれるし、映画も撮っていた。そういったアート全般が好きなんですね。

パッと見ていいなと思えるものって、やっぱりいいなと思うんです。そういうものに当時から魅力を感じていたのかもしれないです。みんながいいねと思う写真を撮るのは難しいですけど、誰が見ても何かを感じる写真ってあると思っていて、そういう写真を日々見つけていくのが好きです。僕は写真を撮り続けて、撮りためていくことが大事だと思っているんです。僕が生きてきた証というか、日記みたいなもので。文章を書くのが苦手なので、絵や写真にアウトプットするようになったんだと思います。書くことを避けてきたぶん、違うところでインプット&アウトプットをしたいと思ったんだろうなと。だから、自分の顔と声と肉体を使う役者を今やっているんだろうし、カメラを使っての表現もしているのかなと思います。

――アートやお芝居を好きになったルーツは、どこにあると思いますか?

母親と父親の仕事が今の僕に多大に影響していると思うんですけど、両親はニューヨークで出会ったんです。母親は陶芸を美大などで教えていて、父親はフィルムメーカーになりたくてニューヨークに行った人で、クレイアニメーションを作ったり、写真も好きだった。アート一家だったので、血を継いでいるんだと思います。生活の中にそういう空気が流れていたし、音楽もボブ・マーレーとかボブ・ディラン、シネイド・オコナーとか、当時の歌というよりは父親世代の曲が流れている家だったので。レゲエを聴くと気持ちがふわーっとするじゃないですか? あのリズム感というか、グルーブ感を毎日ボンボン聴かされていたので、ちっちゃい頃に脳の周波数が変わっちゃったのかな? って思います(笑)

――(笑)。では、いつか撮影旅行に行くとしたら、どこに行きたいですか?

実は密かな野望を抱いていて、僕ら世代ってカメラ好きな子が多いんですよね。2017年ぐらいからフィルムカメラが流行り始めたので。…でも、まぁ、僕は2012年ぐらいから撮っていましたけど。そこははっきりと言っておきたい(笑)! 中1ぐらいからずっと好きだったということを! カメラ小僧だったのでね。それで、本当にカメラが好きな役者さんたちとみんなでカメラを持って出かけて、みんなで撮った写真を一冊の写真集にできたらいいなって思っています。今すぐに形にならなくても今後、大人になってからでも思い出を語りながら、「○歳の私たち」という写真集が作れたら、すごく楽しいんだろうなと思うんですよね。

まだまだ話が尽きない坂東。#2では、写真を通して語る高校時代、そして、俳優への道について語る。

撮影=山下隼/取材・文=及川静/ヘア&メーク=後藤泰

坂東龍汰のカメラ連載がスタート!/撮影=山下隼