10代で結婚、出産をする若者に対して、世間の風当たりは強い。「子ども子どもを産むなんて」、「まだ責任が取れる年齢ではない」、「恥ずかしいと思わないの?」などといった批判や、周囲から冷たい声が上がることは多いが、一方で、当事者である若者たちがどう感じているのかということにスポットが当たることは少ない。

【写真を見る】赤ちゃんと暮らす自宅にて…重川茉弥と夫・前田俊 『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』より

放送中のドキュメンタリー番組「普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、」(毎週火曜夜10:00~、ABEMA SPECIALチャンネルにて全5回)は、16歳で結婚と出産を経験し、現在は17歳のママである現役女子高生・重川茉弥(以下、まや)と、彼氏から夫となった前田俊(以下、しゅん)との夫婦生活に密着している。7月に“ママ1歳”を迎えたまやが口にする本音からは、ひとりの親としての覚悟が感じられ、彼女からにじみ出る強さが見る者を圧倒する。

■ママで、妻で、女子高生・重川茉弥のドキュメンタリー

恋愛番組に出演した若い男女が、お互いにひかれ合い、恋に落ちた。それが“しゅんまやカップル”と呼ばれてティーンから絶大な人気を誇る2人の出会いである。

2019年4月にABEMAオリジナル恋愛番組「今日、好きになりました。ハワイ編」に参加したまやは、のちに夫となるしゅんと交際をスタートさせると、瞬く間に女子高生として日本一SNSフォロワーを誇る大人気モデルへと成長。まやはしゅんとの子どもを身ごもり、16歳で結婚と出産を決断した。

娘を出産し、ママで、妻で、高校生でありながらも、仕事もこなす一人の社会人として生きるまやが、今まで語られることのなかった苦悩や葛藤、本音に迫るというのが当番組だ。エピソード1~3を視聴した筆者は、タイトルにある「普通の女子高生」という部分に若干の違和感を抱いた。何をもって“普通”というかは人それぞれであるかとは思うが、少なくとも番組の主役である女子高生・まやは、“普通”ではない。悪い意味ではなく、彼女のような決断や選択ができるのは、選ばれし“恵まれた”女子高生だと感じたのだ。

■協力的な夫がいて、仕事にも恵まれている“17歳ママ”

番組には、まやの母親も登場して、娘から妊娠を告げられたときのことや、出産して母親となった娘について語っているシーンもある。

5人兄弟の2番目の長女である娘のことを、母は「本当にまやちゃんは恵まれている」と断言。「世間体的にはね、あんまりいいイメージがないじゃないですか。どうしてもね。若いお母さんって」と客観視した上で、母は「しゅんくんがいてくれたりとか、お仕事がしっかりあってくれたんで、すでに自分でいきていけるくらいの余裕がしっかりあった」と娘の環境について語っている。

まやは料理や家事、仕事と育児を夫・しゅんと協力して自分たちでこなしている。まやの母は「まったく頼ってこない。もっと頼ってって思うくらい。寂しい…(笑)」と本音を漏らすほど、懸命に“ママ1歳”を生きている様子が伝わった。まや自身、出産に至るまでの間に、相当な覚悟を固めたのだろう。

■周囲の心配を感謝の気持ちへとパワーアップさせた

しかし、番組で密着しているまやを見る限り、彼女の“恵まれている”環境はまや自身が好転させて、突き進んでいっているようである。元から強く、明るい子なのかというと、そうでもないようだ。

妊娠発覚時は「まやなんかが親になれるのかな」と涙を流す日々だったという。事務所の先輩であり、友だちでもある仲本愛美は、まやが泣く姿を何度も目撃しており、夫・しゅんは「俺とか娘に対してのことだったら、メンタル最強だと思うけど、自分のことってなるとちょっと内気になるのかな。結構弱い部分もありますね」と妻の弱い部分を心配する場面も。

子どもを産んだ母親ならば必ず抱く“子育てへの不安”や、仕事と子育ての両立などのあらゆる問題に、一つ一つ逃げずに向き合った結果、まやは「周りにも感謝だし、環境にも感謝だし、すべてに感謝ですね」という気持ちになった。「応援してくれるファンの子たちから、すごく元気というか勇気というか…本当にいろいろ支えられているなって思います」と、日々を振り返る。

周囲に感謝する気持ちを再確認して、「後悔はないですね」と言い切れる強さを得た女子高生。守るべき小さな赤ちゃんを抱っこして、自分以外の人間に心から感謝できるようになったまやの姿を見れば、誰も簡単に批判することはできなくなるだろう。満面の笑顔で「今が幸せ」と語る17歳のママが放つたくましいパワーを感じて、そう思った。

文=中田蜜柑

重川茉弥 『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』より/(C)AbemaTV,Inc.