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居住可能なスーパーアース「赤い矮星L98-59」

L 98-59のイメージimage by:ESO/M. Kornmesser

 地球からほんの35光年先にある赤色巨星「L 98-59」の周囲に、ハビタブルゾーン(生物が生きていくことができると考えられる領域)にあるスーパーアースが存在している可能性が高まってきた。

 スーパーアースは、岩石や金属などの固体成分を主体とすると推定された惑星のことだ。L 98-59の周辺に、以前から存在が推測されていた金星の半分ほどの岩石惑星があることがわかったという。

 今回の成果は、系外惑星を捜索する上で技術的なブレークスルーであるという。

【系外惑星の探し方】

 私たちが暮らしている天の川銀河には、恒星よりもたくさんの惑星がある可能性がある。が、現実にはっきりと確認された系外惑星はせいぜい数千個といったところだ。

 天の川には1000億個の恒星があるとされている。それなのにたった数千個しか惑星が見つかっていないのは、探し方に限界があるからだ。

 現在、系外惑星の捜索は主に「トランジット法」というやり方で行われている。

 恒星の前を惑星が通過するとき(トランジットするとき)、地球から見える恒星の光がわずかに陰る。これが定期的に繰り返されていれば、その恒星の周囲を惑星が公転していると考えることができる。

 トランジット法には、光の翳り具合で惑星の「大きさ」も推測できるという利点があるが、基本的にこれに適しているのは、たくさん光を遮ってくれる恒星の比較的近くにある大きな惑星だ。

 もっと言えば、恒星の前を横切らない(恒星と地球の間を通過しない)惑星を発見することはできない。

 だがもう1つ、「ドップラー分光法」というやり方がある。

 こちらは恒星の位置の変化から惑星の存在を推測する。恒星とその周囲をまわる惑星は、引力でお互いを引っ張っている。そのおかげで惑星の位置に応じて、恒星は揺れている。それを検出するのだ。

 恒星の前を通過しない惑星も発見できるし、トランジット法ではわからないことを知ることもできる。それは惑星の「質量」だ。

 この情報はとても重要だ。なぜなら惑星の大きさに加え、質量を知ることができれば、そこから「密度」を推測することができる。すると主な「成分」まで推測できてしまう。たとえば密度が高ければ岩石惑星、軽ければガス惑星である可能性が高いといった具合だ。
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image by:European Southern Observatory (ESO)

L 98-59に岩石惑星と海洋惑星を発見

 2019年に発見された「L 98-59」もまた、最初はトランジット法で調べられて、3つ惑星があることが判明していた。

 だが今回、ポルト大学(ポルトガル)などの研究グループヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTを使い、ドップラー分光法で恒星を分析。新たに得られたデータによって、3つの惑星の姿をさらに詳しく推測できるようになった。

 『Astronomy & Astrophysics』(7月12日付)で発表された研究によると、恒星に一番近い惑星は、金星の半分くらいのスーパーアース、岩石惑星であるという。

 2番目に近いものは地球の1.4倍くらいの大きさで、こちらも岩石惑星だと考えられている。

 さらに3番目の大きさは地球の1.5倍、質量は2倍だ。このことから質量の3割は水であると考えられている。もしかしたら海洋惑星かもしれないという。

A “fly-to” the L 98-59 planetary system

ハビタブルゾーンに生命が存在可能な惑星が隠れている可能性

 またトランジット法では発見できなかった惑星が、さらに2つある可能性まで明らかになっている。つまり恒星の前を横切らない惑星がまだあるかもしれないのだ。

 1つ目の惑星の質量は地球の3倍で、12.8日で恒星を1周する。

 もう1つは、本当にあるのかどうかさらに不確かだが、よりいっそう興味深い。というのも「ハビタブルゾーン」(生命が存在できる範囲)に位置していると考えられるからだ。

 こちらは地球の質量の2.46倍で公転周期は23日。一見、恒星に近すぎるようにも思えるが、L 98-59は赤色巨星で太陽よりもずっと温度が低いので、生命が生きられる温度が保たれている可能性があるのだという。
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L98-59と太陽系の温度の比較 mage by:European Southern Observatory (ESO)

 そこに大気があるかどうかは、トランジット法でなければわからない。そのためこのスーパーアースが今後の追跡調査の最優先候補かというと、そうでもないようだ。

 しかし2つの方法を組み合わせることで、すでに調査されたところからも新しい発見があるのだと思えば、今後が楽しみだ。

References:New ESO observations show rocky exoplanet has just half the mass of Venus | ESO / written by hiroching / edited by parumo

 
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