謎ルールがあると回答したうち約7割がそのルールにストレスを感じ、さらに約5割は退職を検討したことが明らかに


 ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社(本社:東京都港区、代表:山藤祐子 ざんとゆうこ 旧姓:倉本)は、パワハラ防止法の対象となる企業に勤める一般社員(非管理職)を対象に、職場での「謎ルール」に関するアンケート調査を実施し、319名から回答を得ました。 改正労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法、以下パワハラ防止法)が施行されてから1年。今回は「謎ルール」というキーワードから、アンケートをもとに、企業における実態を探ります。


■調査概要
調査概要:職場での「謎ルール」に関する調査
調査方法:インターネット調査
期  間:2021年7月1日~2021年7月2日
有効回答:パワハラ防止法対象の企業(400名以上)に勤める一般社員(非管理職)319


約4割が会社に「謎ルール」があると回答。そのうち約7割がそのルールにストレスを感じ、さらに約5割は退職を検討したことも。
 近年、度々耳にするようになった「パワハラ」ですが、2020年6月ついに大企業を対象に「パワハラ防止法」が施行されました。この「パワハラ防止法」により企業はどのように変化したのでしょうか。パワハラに関する企業内の意見交換の中で、たびたびあげられる「謎ルール」というキーワード。これが新たな視点となりうるかを検証すべく、まず「就業規則に書いていない会社・上司独自の謎ルールの有無」を質問したところ「ある」と回答した人は4割以上の結果に。
 また、それら謎ルールによって、ストレスを感じたことがあるかについては、「2度以上ある」が68.1%、「1度だけある」が6.5%という回答となりました。
 さらに、それら謎ルールによって、退職を考えたことがあるかという問いには、「2度以上ある」が34.1%、「1度だけある」が12.3%という回答に。謎ルールはストレスを与えるにとどまらず、退職を考えるきっかけになりかねないことがうかがえる結果となりました。




■謎ルールでハラスメントにあたるものはあるのか
 それではこれらの謎ルールは、実際にハラスメントに該当するのでしょうか。自由回答で得られたエピソードから抜粋し、ハラスメント対策専門家としての見解をお伝えします。

<会社独自の謎ルールエピソード|一部抜粋>
・仕事が終わっているのに、上司の仕事が終わっていないと帰れない(41歳)
→見解|残業を命じることができる36協定が適法に結ばれており、残業代が払われているのであれば、法的には直ちには問題になりません。「俺が帰るまでは帰ってはならない」などと明確に述べていて、明らかに不要・不合理な残業を強いられているのであれば、場合によっては過大な要求のパワハラになる可能性があります。

・関連会社から送られてくる郵便を郵便ボックスから各個人に配る担当が何故か女性社員と決まっている(32歳)
→見解|これは女性の仕事だから、のような明確な発言があれば、セクハラに当たる可能性があります。偶然女性がその業務担当になるのが続いているだけだ、と言われてしまうと証明が難しい内容になります。

インフルエンザで休むのは年次有給休暇となり、年次有給休暇がない場合はボーナスが支給されなくなる(45歳)
→見解|有給休暇を使用するかどうかは労働者の判断のため、労働者有給休暇を使いたくないと言っているのに一方的に有給消化処理をするのは違法です。インフルエンザで休み、有給休暇を使用せず欠勤にした際に、その欠勤日数分、ボーナスが減給されるのは法的に問題ありません。減額割合があまりに著しい場合には、場合によっては、違法になる可能性があります。賃金規程や具体的な賞与計算(その根拠となる査定内容)を精査する必要があります。

・出社時間より30分早く来なければならない。(46歳)
→見解|早出残業命令に該当します。残業を命じることができる36協定が適法に結ばれており、残業代が払われているのであれば、法的には直ちには問題になりません。

・9:00~18:00が定時勤務だが、残業が計算されるのは19:00~となり、謎の1時間空残業がある。(57歳)
→見解|違法です。割増賃金を付して残業代を払う必要があります。



パワハラ防止法施行以降の企業の環境は?
 2020年6月に大企業を対象に施行された「パワハラ防止法」は、企業環境に変化を与えたのかを検証するために、以下では謎ルールのあり/なしで区分し、数字を確認していきます。「Q.お勤めの企業では、ハラスメント研修が実施されていますか。」の質問に対しては、どちらのグループも約6割近い実施率ながら、謎ルールなしが1.8ポイント上回りました。さらに、研修を実施していないという回答では、謎ルールありのグループが7ポイント上回っていることから、研修の有無が、謎ルールの存続に影響している可能性も考えられます
 

また、「パワハラ防止法」の施行前後を比べ、勤務先でのハラスメント対策意識の向上について、謎ルールありでは、「あまり思わない」「全く思わない」が54.3%となり、謎ルールなしの方に対し20.5ポイントも高い数字となっています。



 次に、ハラスメント対策への意識が向上していると思うと回答した方を対象に、その理由について質問を行いました。大きな違いがある点として、謎ルールありでは「社内アナウンスの実施」が58.2%となっており、これは謎ルールなしよりも12.2ポイント高くなっています。一方で、謎ルールなしでは、「相談窓口が設置された」では5.6ポイント、「研修などが積極的に実施された」においては14.9ポイント謎ルールありよりも高くなっており、大きく差をつけています。このことから、一方通行のアナウンスにとどまるのか、それとも双方向の具体的な施策を行っているのかという点において、謎ルールあり/なしの違いが際立ちました。


ハラスメント対策への意識が向上していると思うエピソード|一部抜粋
定期的なオンライン研修がある(62歳)
・女性への言動が明らかに変わった(54歳)
・人事が厳しくなった(30歳)
パワハラへの認識が強くなり、少しでも疑わしいとすぐに呼び出されること(39歳)
・上の人が怒鳴らなくなった(52歳)



 一方で、ハラスメント対策への意識が向上していないと思う理由については、謎ルールありが「具体的な取り組みがない」が60.0%、「上司の言動が変わっていない」が30.7%、「相談窓口が機能していない」が52.0%と、いずれも謎ルールなしより10ポイント以上も高い結果になっています。



<ハラスメント対策への意識が向上していないと思うエピソード|一部抜粋>
・前時代的な考え方が横行している(38歳)
・ハラスメント対策の言葉すらない(58歳)
・あまりに昔かたぎの人間なので、周りの動向を構わずに勝手にルールを決めるので(49歳)
・形式だけで中身が無いし、ヒトは簡単には変われない(58歳)
・違反してもなにも賞罰がないから(45歳)
・色々な事に対して意識が低く、変化を非常に好まないカルチャーが存在する(53歳)



■まとめ
 今回の調査では、パワハラ防止法の対象となる企業に勤める非管理職の会社員319名を対象に、職場における「謎ルール」について調査しました。2020年6月に大企業を対象に改正労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)が施行され雇用管理上の措置としてパワハラ防止を企業に義務付けることが決まりましたが、就業規則に載っていない「会社・上司独自の謎ルールがある」と43.3%が回答しています。
ルールの中には、パワハラに該当する可能性があるものが散見され、この結果は、まだまだ徹底できていない企業が多数あることを示しています。また、これら謎ルールによって74.6%がストレスを感じており、退職を検討するに至った人が約5割となると、企業にとって大きなリスクと言えるのではないでしょうか。

 一方で、謎ルールの具体的なエピソードでも見解を述べていますが、謎ルールの内容や、仕事のシチュエーションによって、ハラスメントに該当するかどうかは変わります。もちろん、直ちに違法なケースもありますが、企業としては、業務遂行上合理的なものか否かをきちんと判断し、対応を決める必要があるといえます。

 実際に会社または上司の「謎ルール」があると回答した5割以上が、パワハラ防止法施行後もハラスメント対策意識の向上がされたと思えないと回答。反面、謎ルールがないと回答した方は、その結果が逆転し、48.0%がハラスメント対策意識の「向上」を実感する結果となりました。具体的な取り組みを見てみると、「社内でのアナウンスが定期的になされている」項目について、謎ルールありでは、謎ルールなしよりも、むしろ10ポイント以上高い結果に。しかし、「相談窓口の設置」や「研修の積極的実施」などの具体的な措置については、ともに謎ルールなしの方が高いポイントとなりました。謎ルールがある会社は、社内アナウンスまではいくものの、そのあとの社員が参加・認識できるハラスメント防止への具体的な取り組みについて、謎ルールがない会社より遅れを取っているとも言えるかもしれません。ただし、「上司の対応」に違いを感じているのは、謎ルールがある会社の方が2.1ポイント高くなっており、謎ルールへの不満があるからこそ、身近な変化に対する感度が高まっているのかもしれません。

 以上より、謎ルールの有無と会社のハラスメントに対する意識や具体的な施策には一定の関係性があることがわかりました。パワハラ防止法施行から1年が経ちますが、企業のハラスメント対策にはまだまだ改善点が多く残っており、特に経営層や管理職の意識改革による抜本的な課題解決が急務であると言えるでしょう。


■会社概要
名称  :ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
所在地 :東京都港区南青山2-2-15ウィン青山942
代表  :山藤祐子(旧姓:倉本)
事業内容:企業研修、キャリアカウンセリング、企業コンサルティング
URL  :https://diamond-c.co.jp/message.html 


■本件に関するお問い合わせ先
ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社 (担当:堤崎)
メールアドレス : info@diamond-c.co.jp 

配信元企業:ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社

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