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車にひかれた我が子の亡骸のそばにたち、悲しみの声をあげる母グマ


 アメリカカリフォルニア州中央部に位置するヨセミテ国立公園は、自然保護を目的としており、様々な野生生物が生息している。

 しかし最近、この地を訪れる観光客のスピード違反により、「クマが車にひかれた」「クマが道路脇で死んでいる」という通報が自然保護官事務所に多数寄せられているという。

 そのことに心を痛めた職員の1人は、実際に車にひかれて命を落とした子グマのそばに立ち、悲しみに暮れる母グマの姿をFacebookに投稿した。

【子グマを失った母グマ、亡骸の傍に寄り添い続ける】

 7月17日カリフォルニア州のヨセミテ国立公園の自然保護官は、Facebookスピード違反の車により被害に遭ったクマの状況をシェアした。

 投稿された1枚の写真は、車に轢かれて命を落とした子グマの傍に悲しそうに寄り添う母グマの姿で、多くのユーザーらは胸を締め付けられたようだ。

 投稿によると、この日も再び道路脇でクマが死んでいるという通報を受け、自然保護官は現場へと駆け付けたという。

正直言って、こういう通報は多すぎるほど受けています。そして、悲しいことに日常的なものになっています。

連絡を受けた私たちは、淡々と作業をこなすように記録を取り、必要な機器を集めて現場へと向かいます。

今回の事故は正午頃に起こったようですが、今は午後4時です。 現場は車で1時間ほどのところにあるので、そこに着く頃には午後5時を過ぎることでしょう。

現場では、車を路肩に止め、機器が入ったバックパックを背中に担いでクマの亡骸を発見しに行きます。

亡骸を見つけたら、道路から離れたところに運びます。道路で死んだクマを餌として群がる他の野生生物が再び交通事故に遭うのを防ぐためです。


子供を亡くし悲しむように鳴き声をあげていた母グマ

 自然保護官は、生後6か月になるかならないかの、わずか11kgほどのメスの子グマの亡骸を抱えて森の中へ運び、芝生の上に降ろした。

 そして、作業の一環として交通事故で死んだクマのレポート記録を行っていた時、胸を打たれる光景に遭遇した。

 突然、1頭の大人のクマが近付いてきたのだ。

まだ幼い子グマがこんなふうに死ぬことがなければ、きっと母グマとなって子供を持つこともできたかもしれない。そんな思いが悲しみとなって胸に広がっていた時に、大人のクマが私をじっと見つめていることに気付きました。

咄嗟に私は警戒して、木の棒を木に投げつけ、そのクマが自分に近づかないようにしましたが、クマは離れたところから、低く柔らかな唸り声をあげ続けたのです。私は、そんなクマの鳴き声を知っていました。それは、我が子を探して呼ぶ時の声で、あぁ、このクマは死んだこの子グマの母親なのだと知ったのです。

私の心は深く沈みました。事故からおよそ6時間経っていましたが、母グマは子供が亡くなった後もずっと傍にいて、もう決して応えることのない我が子に呼びかけ続けていたのです。

我が子の死を受け入れられず、母グマは道路脇をきっと行ったり来たりしていたのでしょう。今となっては、この母グマが轢かれなかったことは幸運としか言いようがありません。

今私は、悲しみを現しているかのような母グマと亡骸となった彼女の子供の間に立っています。このような悲劇を起こしてしまったのは、他ならない人間であり、その1人である私も、自分を怪物のように感じています。



 悲痛な光景を目の当たりにした自然保護官は、間もなくしてその場から立ち去り、いつものようにリモートカメラを設置して、毎年車に轢かれるクマの数を記録し続けていく。

 しかし、必ずしも記録の数字だけでは事故の衝撃を語ることはできない。彼は、Facebookの投稿でこのように締めくくっている。

私が見たもの、つまりこれらの数字の背後にある悲しい現実を実際に目にしないことには、その事態の大きさはわからないものです。

公園を訪れる人は、どうか野生生物たちの家を訪問するという意識を忘れないでください。

車を慎重に運転し、制限速度を守るようにすることで、人間はここに暮らす野生生物を保護し守る責任があることを覚えておいてください。

ヨセミテのツキノワグマを保護することは、私たち全員ができることなのです。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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