日本の警察が2020年3月~12月に取り扱った変死事案のうち、新型コロナウイルスに感染していた人が122人いました。大半は死後に感染が確認されていますが、問題は死因がコロナによるものか既往症か、あるいは犯罪なのか――因果関係がほとんど不明となっていることです。21年8月に入ってから、国内の累計感染者100万人を超えましたが、コロナ禍は日本の死因究明制度の問題点を炙り出しているといえます。
 高齢化が進む日本では、病院外で死ぬ「異状死」が急増しており、その数は年間17万人前後になっています。病院で亡くなった場合は医師による正確な死亡診断書が発行されますが、異状死の場合は警察の扱いとなり、解剖に回されることに。

 しかし、法医学者が遺体を解剖し、死因究明を行っているのは東京23区横浜市大阪市など一部の地域のみ。しかもコロナ禍になってから警察は解剖に回す前に保健所に遺体のPCR検査を依頼しているが、コロナ陽性と分かり犯罪性が低いと推測された遺体には、より詳細な解剖は行われず、犯罪遺体が見逃されていた可能性があるのです。

 こうした混乱のもとになっているのが、日本の死因究明制度の諸問題です。人の死因を正確に究明することは犯罪や疫病だけでなく法律関係(相続・保険)など多方面に影響します。しかし死ぬ場所によっては、その死因がきちんと究明されない「死体の地域格差」が生じているのです。
 9月16日新潮社より発売する『死体格差 異状死17万人の衝撃』では、その看過できない実態を、法医学者を中心とした当事者たちの証言を基に報告します。

【『死体格差 異状死17万人の衝撃』目次】
はじめに コロナ禍の法医学の現場
第一章 地域で異なる死因究明
第二章 捜査に都合よく使われる死因
第三章 犯罪の見逃しと闘う孤高の法医学者
第四章 死因究明の日米格差
第五章「死者の人権」を守るために
第六章 世界一の解剖数をこなす監察医
第七章「死後画像調査」先進県の現状
第八章 孤独死の凄絶な現場
あとがき 急がれる死因究明制度の確立

【著者紹介:山田敏弘】
国際ジャーナリスト1974年生まれ。ロイター通信、ニューウィーク日本+英語版を経て米MITフルブライト研究員として、国際情勢とサイバーセキュリティーの研究・取材活動に従事。テレビラジオでも活躍。著書に『ハリウッド検視ファイル』『CIAスパイ養成官』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する」(文藝春秋)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』(講談社)など。


タイトル】『死体格差 異状死17万人の衝撃』
【著者名】山田敏弘
【発売日】9月16日
【造本】ソフトカバー
【本体定価】1500円(税別)
ISBN】978-4-10-334773-6

配信元企業:株式会社新潮社

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