メジャーデビュー30周年を2022年に控えたウルフルズが過去の名曲・迷曲全30曲をセルフカバーして、アルバム3部作としてリリースする一大プロジェクトスタート。 本日8月11日リリースされたその第1弾『ウル盤』は、“ウルっとくるウルフルズ感動の名曲選”。ラブソング寄りというテーマの下、厳選した全10曲は「バンザイ~好きでよかった~」「それが答えだ!」「笑えれば」といったヒットナンバーだけにとどまらず、「泣きたくないのに」「39(サンキュー)」「胸の…」といった、いわゆるアルバム曲も含む絶妙の選曲に。
30周年に向けて意気揚々と歩みを進めるメンバーインタビュー。選曲も含め、『ウル盤』の舞台裏を聞かせてもらった。
セルフカバーという形で、過去のレパートリーに今一度取り組むことは、結果、今現在のウルフルズや、さらにはウルフルズのこれからを意識することに繋がったようだ。

どーんとね、リリースするものが欲しかった(トータス松本)

――2022年メジャーデビュー30周年を迎えるにあたって、なぜ単なるベストアルバムではなく、全30曲のセルフカバーアルバムを作ろうと考えたのでしょうか?

サンコンJr.(Dr) ある時、「もうすぐ30周年だから今から何か考えておいたほうがいいんじゃないか」ってジョンBさんの提案から、30という数字に紐づいたことをやるのがいいんじゃないかという話になったんですけど、なかなかいい案が出ずにその日はいったん解散したんですよ。そしたら、その数時間後に松本君から「30曲セルフカバーっていうのはどうかな?」って連絡が来て、おもしろそうだねって盛り上がったんです。

トータス松本(Vo / Gt) やっぱりリリースものがおもしろくないと盛り上げにくいかなと思ったんです。ツアーを組むにしても30っていう数字はちょっと中途半端やし、何かどーんとね、リリースするものが欲しかったんですよ。だったら、30曲ぐらいの物量のセルフカバーならどうだ!? 自分らでもちょっと、えぇ、できるかなって思うぐらいのものでないとチャレンジのしがいがないし、10曲ぐらいじゃおもしろくないし、ちょうど30周年なんだから、30曲やっちゃえって、なかなか頂上が見えへんことを急に思いついたんです。

――ジョンBさんとサンコンさんは最初、大変そうだと思わなかったんですか?

サンコンJr. もちろん、思いましたよ。

ジョンB(Ba) うん。やっぱりセルフカバーって難しいし、元(の曲)を超えることは、その曲ができた時のエネルギーを含め、なかなかできないと思うし。だから、うわ、大変やなと思ったけど、デビュー30周年という節目の時に何か楽しく過ごしたいという思いもあったんです。それにお祝いしてもらうにしても、やっぱり自分らでもその準備をせんとアカンから、30曲セルフカバーって大変やけど、大変やからこそおもしろい。それをやってデビュー30周年を迎えるってやり甲斐があると思いました。

――今回、『ウル盤』の10曲は聴かせてもらったのですが、他の20曲も録り終わっているんでしょうか?

トータス松本 いやいや、まだ第2弾のレコーディングを始めて、4曲録ったくらいです。しかも、まだ最後まで曲が決まっていないんです(笑)。 

――なんと!

サンコンJr. ハハハハ。

トータス松本 まだ絞りきれてないんです。ちょっと余白を残したまま作っているんですよ。だから、こうやって取材をする中で、取材にいらっしゃった若い方が意外な曲名を言ったりすることがあって、お、そう来たか。候補曲はまだまだあるなってメモったりしています(笑)。僕は最初、今年はスタジオという穴倉に籠って、1年かけて30曲ひたすらレコーディングしながら、その中で「鋭意制作中!」みたいにYouTubeレコーディング風景を小出しに上げていって、30曲揃ったら3枚組でドーンって出すっていうふうにイメージしていたんです。そしたらレコード会社のスタッフから「10、10、10の3枚に分けたらどうですか」って提案があって、おっ、気が楽になったって思いました。だって、1回ずつちょっと休めるじゃないですか(笑)。しかも、『ウル盤』を含め3枚のコンセプトアイディアとしてちゃんと上がってきてたから、あ、そういうふうに3枚に分けるんだ。おもしろいって。そういう3部作にするっていうのは、僕の発想になかったからわかりやすいと思いました。

サンコンJr. 確かに30曲と10曲、10曲、10曲じゃ全然ちゃうよな。

トータス松本 待っている方も一気に30曲来られても、ねぇ。押しつけがましいじゃないですか(笑)。毛色の違う10曲ずつパッケージされているほうが、そりゃ楽しいよね。そう思って、そうか、いいなってますます気持ちが盛り上がったんです。

ウルフルズ“road to 30th”ティザー映像

自分らではピンと来なかった曲もやったらおもしろいかもねって(ジョンB)

――『ウル盤』と聞いて、最初はウルフルズのウルだと思ったんですよ。そしたら、“ウルっとくる、ウルフルズ感動の名曲選”だったんですね。

トータス松本 そうなんです。うまいよね。僕ら、絶対、そんなことは思いつかない。ウルフルズを言葉としてね、3分割しようってアイディアにならないですもん。シャレもきいているし、確かにそう言われてみればみたいなね。もちろん、盤によってコンセプトが少しかぶるんですよ。たとえば、『ウル盤』に入っている「バンザイ~好きでよかった~」だったら、どの盤に入ってもおかしくない。人によって捉え方が違うと思うけど、そういうことも含めて、ミーティングして、『ウル盤』ならどういう曲だろうって決めていったんです。そのミーティングもすごく楽しかった。それでもまだ絞りきれていないんですけどね(笑)。いろいろな意見が出ますから。

――今回の『ウル盤』の10曲は、どんなふうに選曲したのでしょうか?

トータス松本 “ウルっとくる”ってなると、やっぱりラブソングってことになりますよね。それでラブソング寄りに選曲していきました。

――選曲は3人で?

サンコンJr. いえ、スタッフも含め全員です。

トータス松本 レコード会社もマネージメントも入って、でっかい会議室で、サブスクの資料なんかも見ながら、どういう曲が再生されているのかも参考にしつつ(笑)、まず1人ずつ10曲を出しあって。ほぼ全員が挙げていた「バンザイ~好きでよかった~」のようにかぶっているところから決めていきました。

ジョンB かぶっている曲は、5、6曲ありましたね。ただ、スタッフも世代によってちょっと違うんですよ。中には「え、この曲?」っていうのもありましたけど、自分らではあまりピンと来なかった曲もやったらおもしろいかもねってなりました。やっぱり、自分らだけで選曲すると偏るじゃないですか。

トータス松本 だからと言って、ファン投票はファン投票で偏るしね。

ジョンB スタッフの意見はファン寄りなのかな。だから、そういうところも受け入れつつ決めていったんです。

ジョンB(Ba)

――その自分らではあまりピンと来ない曲も今回、入っているんですか?

ジョンB 「泣きたくないのに」はあんまり(苦笑)。

トータス松本 ぶっちゃけたな(笑)

ジョンB 元の曲が自分の中ではちょっとストイックな出来になっていると言うか、ウルフルズにしては、あまりない曲という感じが自分の中にはあったんですけど、好きな人はけっこういるみたいで。

――僕は今回、10曲の中で一番好きですけど(笑)

トータス松本 マジですか!? 良かった、入れておいて(笑)。いや、録ったけど、外そうってとこまで行きかけたんですよ。僕が怖気づいて。今回、9曲入りでええやないの。10曲って誰が決めた? 次のアルバムが11曲でもいいじゃないって1回外そうとしたんですよ。

――怖気づいたっていうのは、どういうことですか?

トータス松本 あまりにも何て言うのかな、楽しくなくて(笑)

――えっ!?

トータス松本 楽しくないんじゃないな。ジョンBが言うように、ちょっと毛色が違うよね、他の曲とね。

ジョンB 重いんじゃないけど、ちょっとシリアスって感じだよね。

トータス松本 録ったはいいけど、他の曲と比べると、ちょっと温度感が違うのは違う。そういう共通の認識はしていて、もちろんスタッフもしているんやけど、それを良しとしている人と、何かちょっとどうやろって思っている僕と、「外そうかなって気持ちもなくはない」っていう話をしながら、みんなで「うーん」となったまま、いったんその日は、「帰るわ」ってエレベーターに乗ったら、「僕、好きですけどね」ってスタッフに言われて(笑)

ジョンB 2、3人に言われましたよ。

トータス松本 そう、ぐいぐい言われた(笑)。曲が単に好きな奴もいれば、「あのリズムは他にないから絶対あったほうがいいと思います」ってリズムから来る奴もいて、そうですか。そこまで言うならって、結局入れることにしたんですけど。

今の自分らでやるんだったらこんな感じ(サンコンJr.)

――その「泣きたくないのに」を含め、今回の10曲をセルフカバーする上では、どんなことを意識しましたか?

トータス松本 まずルールを決めたんですよ。大幅なアレンジをせずに今の自分らの感じで、もう1回取り組もうって。もちろん、再現ではなく、再演するわけですけど、そこにあざといアレンジは要らないと思いました。いずれ何かの機会でアレンジャーさんをがっつり入れて、ストリングスアレンジとかね、そういうことは別にまたやればいいんで、今回はとにかく忠実にやろうっていうルールを最初に決めたんです。だから、それぞれに元の曲を聴き返すじゃないですか。そしたら、なんで、こうなってるんやろとか、なんでこんなことをしたんだっけってところがけっこうあって(笑)。同じことは「愛がなくちゃ」って曲を2018年セルフカバーした時にも思ったんだけど、その時は自分らでアレンジしたのに忘れていたんです。でも、今回の『ウル盤』は、伊藤銀次さんや吉田健さんと一緒にアレンジしたものとかが入っていて、「なんでこうなってるんやろ?」って現場で話しながら、「あれ、確かこうだったね」「そうやったっけ? 俺の記憶では、銀次さんがこう言って、こうなったような気がするんだけど」「いやぁ、憶えてへんわ」って、そんな会話があって、それを当時のことは何も知らない(サウンドプロデューサーの)菅原龍平が「へえ~」って聞いている。おもろいですよ。まだちょっと早いけど、ボケ防止にも良いと思います(笑)

――「泣きたくないのに」もそうですけど、「きみだけを」「39(サンキュー)」「胸の…」はシングルになっていない、いわゆるアルバム曲じゃないですか。それらはメンバーからの提案で収録されることになったんですか?

サンコンJr. 「胸の…」はスタッフに人気の曲だったけど、スタッフと僕ら両方の意見が混ざっているんじゃないかな。そういう曲が入っていたほうがいいだろうって思ってたし、スタッフも「そこがウルフルズのいいところだからシングルじゃない曲も敢えて入れましょう」って言ってくれてたし。

サンコンJr(Dr)

――てっきり思い入れがある曲ということで、メンバーからの提案だと思っていたんですけど、シングルじゃない曲がスタッフを含めた周囲から上がってくるっていうのは、作り手としてはやはりうれしいんじゃないですか?

トータス松本 うん。センスの話になるけど、普通10曲固めようと思ったら、特に3部作の1枚目やし、全部知ってる曲やってほうが強いとは思うけど、やっぱり、うん?っていう曲があることによって、なんかシャレがきいてくると言うか、変化球もないと、つまらないと言うか。そこの価値観も共有できているのはめっちゃいいと思う。「39(サンキュー)」みたいに、もしかしたら知っているのはファンぐらいかもしれない曲でも、流れで聴いて、あ、おもしろい曲やなって思ってもらえたらうれしいし。そういうのも大事やなって思うんですよね。

――そんな4曲ともう1曲、「大丈夫」のアレンジが絶妙に原曲とは違うものになっているところが印象的でした。

トータス松本 あぁ、ちょっと遊んでいるような。

――その分、思い入れがあるのかなと思ったんですけど。

サンコンJr. いや、むしろ今の自分らでやるんだったらこんな感じかなってところを、スタジオで妥協せずに全員がそこに向かっていった結果ですね。

トータス松本 今の自分らでっていう意味では、中には当時のアレンジに無理がある曲もあるんですよ。たとえば、『バンザイ』ってアルバムで言ったらちょっと日和ってグランジみたいなアレンジになっている曲もあるんです。今だったら絶対やらないです。恥ずかしくて(笑)。もったいない、そんなことをしたら。自分らの好きでもない音楽に日和って寄せるなんて、この年齢になると絶対できない。もっと、ちゃんと自分らがやりたいことをやろうとすると思うけど、売れてないバンドって怖いですね(笑)。実際、そういう後悔がある曲もあるんですよ。誰にでもあると思うけど、僕らにもあって、当時のアレンジに無理があったものを、どれとは言わへんけど、今やったらもっと素直にこういうふうに演奏するんちゃうんかなっていう。逆に言えば、「バンザイ~好きでよかった~」とか、「それが答えだ!」とか、「笑えれば」とか、有名になっている曲ではそういうことはできひんって言うか、する必要がないと思うんですよ。アレンジに無理があろうがなかろうが、それで定着しているし、自分らもそのアレンジで演奏してきてるから、全然そこに不満はないけど、マイナーな曲だからこそ、日和ったアレンジは、今はもうやめておこうってことです。

サンコンJr. 全部が日和ってるわけちゃうけどね。中にはそういうのもあるってことです。

元の曲をレコーディングした時のことをめっちゃ思い出した(トータス松本)

――こんなふうにセルフカバーという機会が巡ってきて、後悔が残った曲を本当にやりたかった形にできるっていうのは、長く活動してきたからこそですよね。

トータス松本 それもちゃんとメジャーの曲を前面に出しつつ、ちょっとだけやらせてもらうっていう(笑)

――そんなところも聴きどころだと思いますが、個人的に思い入れのある曲を挙げるとしたら?

トータス松本 到底やると思ってなかった「やぶれかぶれ」ですね。30年前に書いたデビュー曲って人前で歌うだけで恥ずかしい。やっぱりデビュー曲って恥ずかしいですよ。嫌いじゃないけどね。嫌いになってはいけないと思うけど、今さら、これ人前で歌うのかっていう恥ずかしさはあるんですよ。それをリレコーディングするとはまさか思ってなかった。一番、怖かった……と言いながら最初に録ったんですけどね(笑)。事初めにデビュー曲から録ろうってなったんです。そのほうが振りきれるやろって思ったから、録ったんですけどね。それが楽しかったんです。そういう自分が意外でした。デビュー曲を再演するってこんなに楽しめるんだって。

――どんなところが楽しかったんですか?

トータス松本 何かウソみたいなことをやってるって言うか、やる発想がなかったわけだから、デビュー曲をもう1回歌うってどういうことだろうって感じでやったんですけど、なんか楽しかったんですよ。別に謙遜でも何でもなくて、たいしたことない曲だと思うんです。でも、歌っていると楽しかったんです。なんやろね? うまく説明できひん。ただ楽しかったんですよ(笑)おまけに、あの頃しゃかりきになってめちゃピーキーなところで歌っていたのが、キーを変えずにちょっと楽に歌えている感じも良かったし、そうだ、元の曲をレコーディングした時のいろいろなことをめっちゃ思い出したんですよ。

トータス松本(Vo / Gt)

――ぜひ聞かせてください。

トータス松本 いや、しょうもないことですよ。マルチトラックで録っているんだから、誰かが演奏を間違えても、後で直せばええだけの話やのに、変な気合だけ入ってたから、何十回もリテイクしたんですよ。

ジョンB その時は後から直せるなんて知らなかったでしょ?

トータス松本 いや、知ってたはずなんやけどね。だって、16チャンネルアナログレコーダーを使って、アマチュア時代も売るための音源を録ってたから、パンチイン、パンチアウトぐらいやってたはずなんやけど、「やぶれかぶれ」の時は「歌も含め一発録りで成功させるぞ! 勢いを録るんや!」みたいなね。でも、当然間違えるじゃないですか。何回も録り直したんですけど、どんどん集中力がなくなって、1回休んで、「上半身脱ごうぜ!」って話になって(笑)。ほんとに全員が上半身脱いで、それでもなかなか録れなくて、音源を聴いたらもう声がスカスカになっている。歌は後でええやんて思うじゃないですか、今だったら。それなのに歌も一緒に録ってるから、声が枯れてるんですよ(笑)。そういう愚かな自分を思い出したんです。

ジョンB その時はエネルギーをぶつければ、そのまま録れると思ってたから(苦笑)。

トータス松本 デビューにはエネルギーが必要だから、そのエネルギーを封じ込めるんだって。当時のエンジニアとかレコード会社のスタッフとかも、「いやいや、大丈夫大丈夫。君ら、そんなに熱くならないで」って言ってくれよって思うけど、誰一人反対せずに、やりたいようにやらしてやろうぜって感じだったのかどうか知らんけど、山中湖のスタジオで1日かけて、「やぶれかぶれ」を録ったんですよ。アマチュアの頃からライブハウスで何度も演奏しているし、自分らで売るカセットの音源として1回録ってるし。いや、2回録ってるのかな。もう全然できるのに気合を入れすぎた。あれは間違ってた。そんなことを思い出した時にめっちゃ笑けて、笑けるのも年を重ねた余裕なんやなと思ったりもしました。そんなところも楽しかったんですよ。ぐっと来るものもありましたね。家に帰ってめっちゃ聴いたもんな、うれしくて。「やぶれかぶれ」、ええ感じやなって。ハハハハ。1人で聴きました。

変についてきたクセも取りたかった(ジョンB)

――サンコンさんはいかがですか?

サンコンJr. いろいろあるけど、僕は「胸の…」かな。この曲だけ、ドラムの音のイメージを詰めきれないままレコーディングに臨んだんですけど、当日、松本君が「前回のは(リズムが)すごく跳ねてたから、今回は跳ねずにやってみよう」って言い出して、えっ、めっちゃ跳ねてる感じで練習してきたけど、跳ねへんのや。そうかって。そこで全員、知るわけじゃないですか。ジョンBさんも、キーボードの浦(清英)君も、菅原君も。「じゃあ1回跳ねずにやってみよう」ってやったんですけど、みんな、跳ねるつもりで来ているから、どうやっても跳ねてまうねんけど(笑)、3、4テイク、サウンドチェックも兼ねながらやっていったら、すぽーんって急に、こうしたらええんやっていうのが自分の中で閃いたんですよ。それが一番印象に残ってます。僕がその時、思ったのは田舎をオープンカーで走っている感じなんですよ(笑)

トータス松本 ハハハハ。共有しづらい。

サンコンJr. そうそう。俺しかわからへんのやけど、めちゃめちゃソウルじゃないですか、元々の曲は。アメリカの南部のソウルなんやけど、どこか都会が見えると言うか、僕の中では田舎道をオープンカーで……。

トータス松本 オープンカーもいろいろあるじゃない? どういうタイプ

サンコンJr. トラックちゃうよ。スポーツカーです。

トータス松本 へぇ、ユーノスみたいなやつ?

サンコンJr. それでもいいよ。

トータス松本 へぇ~(笑)

サンコンJr. そういう映像が見えて、新たな「胸の…」ができたと思います。前のは前でもちろんええんやけど……あ、わかった。前の「胸の…」は田舎におったままなんやけど、そこからスポーツカーを買って、都会に出ていった感じかな。

トータス松本 さっぱりわからん。

サンコンJr. わからんか(笑)

ジョンB でも、あるよね。そういう景色がぱっと見えることって。

トータス松本 僕は前の日には、跳ねないっていうのは思いついていたんですよ。でも、それをそこで共有したら、みんな、練習してくるでしょ? だから、無茶ぶりしたんです。絶対できるっていう安心感というか、信頼感があったんです。それに、その時のフレッシュなものを録った方がいいと思ったんです。「えぇ!?」ってなって、集中してやっているやつのほうが絶対いいテイクが録れると思ったから、敢えて前もって言わなかったんです。

サンコンJr. 見事術中にハマってましたね。

トータス松本 そのほうが良かったでしょ? もちろん練習してきたらちゃんとできるに決まってるんだけど、今回のやり方はクールですよ。上半身裸とは違う(笑)

サンコンJr. それで僕の中にスポーツカーが出てきたんですよ。きっと、前の日に言われてたら出てこなかったと思う。ハハハハ。

――ジョンBさんは?

ジョンB 僕は「笑えれば」かな。元のベースは、僕、弾いてないんで。

――え?

ジョンB 僕が脱退している時の曲なんですよ(笑)

――あ、そうか。そうでした。

トータス松本 ハハハハ。そういう事情もあるよね。

ジョンB それはもうプレッシャーがあるわけですよ。ライブではもう何回も演奏していますけど、音源は違う人が弾いているから。

トータス松本 音源は元ルースターズの井上富雄さんですよ。

ジョンB すごい人が弾いてますから、あぁ、「笑えれば」が来たかって(笑)。しかも、人気もあるし、代表曲でもありますからプレッシャーはありましたね。

――どんなふうに取り組みましたか?

ジョンB 渋いベースを弾こうみたいなことは考えずに力強いフレッシュなものにしたいと思って、素直に弾きました。この機会に変についてきたクセも取りたかったんですよ。それは「笑えれば」だけに限らず、全曲、そういうふうに弾きました。楽しくやれましたよ。ちょっと緊張はしましたけど、ちゃんと笑えるかなっていう出来になりました(笑)

――でも、第2弾、第3弾の20曲の中にも……。

ジョンB そう、出てくるんですよ(笑)。けっこうドキドキしてます。違う人が弾いているから、そういうふうには弾けないしね。グルーブの感じも違うし、フレーズの作り方も違うし、まぁ、都度都度、いろいろ考えようと思います。

ウルフルズ『ウル盤』ダイジェスト映像

アホみたいなことばかり憶えているのは、すごく濃い時間を一緒におったから(サンコンJr.)

――レコーディングはいろいろなことを思い出しつつ、新たなことも感じつつ、和気藹々と楽しんで進んでいるようですね?

サンコンJr. もちろん緊張感を持ちながらね。

トータス松本 楽しさ半分、怖さ半分みたいな感じでスタジオに行っては、今日も無事録れたなみたいな日々の積み重ねですね。

ジョンB やっぱり今のバンドのグルーブがあるなって思いました。同じアレンジでもグルーブが違うから、今のウルフルズって感じは出たと思います。

サンコンJr. 曲によってはテンポを落としたのにスピード感があるんですよ。

――おっ、それはどの曲ですか?

サンコンJr. 「それが答えだ!」はテンポ1個落しているんですけど、スピード感が全然ある。

トータス松本 それも含め、今の感じが録れたという意味では、めちゃめちゃ満足しています。やってよかった。

ジョンB セルフカバーした曲を、またライブで新鮮に演奏できる気がしてます。改めてレコーディングすると、その曲をまた理解しようとするし、リハーサルしていても今までと違う感じで演奏できるし、そこは良かったですね。

トータス松本 先月のライブで、「笑えれば」を演奏したら、うまくなってるんですよ。1回レコーディングを経ているからちょっとリニューアルしている。「それが答えだ!」にしても、「バンザイ~好きでよかった~」にしても前とは違う気分になっているんですよ。

ジョンB セルフカバーアルバムを聴いてくれる人もそういう気持ちになって、また新たにその曲を好きになってもらえたらうれしいですね。

――次作のリリース日は決まっているんですか?

トータス松本 大体決まってます。レコーディングも順調に進んでるから、きっと予定どおりに行けると思います。

――セルフカバーアルバムを含め、来年の30周年を盛り上げるためにいろいろなこと考えているところではないかと思うのですが、30周年を目前にして、今はどんな気持ちですか?

トータス松本 ライブをね。元通りにとまでは言わないにしても、元に近い感じでツアーもやりたいし、大阪の万博公園で毎年やっていた「ヤッサ」ってでっかいイベントを、2022年のどこかでやりたいし。30年もやってきたんやなって僕らの気持ちも盛り上がっているから、みんなで一緒に盛り上がれたらええなって思いますね。

ウル盤 ザ・ムービー『君に会えてよかった』予告

――実際に30周年を迎えた時に、いろいろ聞かれると思うのですが、30年やってきたことについてはどんな感慨がありますか? ウルフルズは常にシーンの第一線で活躍しながら、実はその歩みにはいろいろなことがありましたが、それを思うと、30周年もより感慨深いものになるのではないでしょうか?

トータス松本 いろいろな思いがありすぎて、的確な言葉が見つからないですけど、最初にね、バンドを組んだとき、「30年先もやっていたい」なんて言ったこともないし、そういう発想でやってないから、普通に好きで、おもしろいなって気持ちが止まらへんままやってたら、30年なんてあっという間に経つねんなって気持ちもあるし。よう30年もやったなって気持ちもあるし。それで、まだやりたいかって言ったら、まだやりたいしね。『ウル盤』を作りながら、歌入れしていても、若い時の自分に負けたくないって思いながら必死に歌ったんですよ。そういう思いはまだ続くんやろなって感じました。そういう気持ちを3人で共有できてるのはすごく幸せですよ。バンドってそういうものだと思うから、何かを共有しているんやと思うんですよ。それがあることがすごくうれしいですね。

サンコンJr. 松本君もさっき言ってたけど、当時のことを話しながらレコーディングしてたんですけど、当時のことをそんなふうに喋れるって、30年ずっと一緒におったからできるわけで、1人じゃできないわけじゃないですか。それってほんとに幸せだと思いました。ウルフルズの何かを共有してるって松本君、言ったけど、間違いなく共有していて、それはたぶん今後も共有しつづけるようなものだと思っています。思い出すことがレコーディングしながらだから、レコーディングのことなんやけど、しょうもないことばかり憶えているんですよ。ディレクターがこんなギャグを言ってたなぁってアホみたいなことばかり憶えていて、でも、それはすごく濃い時間を一緒におったからなんやろなって。それがうれしかったです。

ジョンB それを踏まえた上で、今はデビュー30周年に向かって、こういうプロジェクトが動いているから、とにかくそれを一生懸命やって、またいい感じで転がっていけたらって思います。ファンのみなさんにセルフカバーを楽しんでほしいしね。それで、みんなでライブをやって楽しめたら最高ですね。

トータス松本 そうですよ。30周年って言っても、まだまだ途中なんですからね。

取材・文 / 山口智男

リリース情報>
ウルフルズ セルフカバーアルバム『ウル盤』

2021年8月11日(水) リリース

●初回盤Blu-ray付:5,940円(税込)
●初回盤DVD付:5,280(税込)
●通常盤:3,300(税込)

【CD収録内容】
01. バンザイ~好きでよかった~ V
02. やぶれかぶれ V
03. それが答えだ! V
04. 泣きたくないのに V
05. かわいいひと V
06. 笑えれば V
07. きみだけを V
08. 39(サンキュー) V
09. 胸の… V
10. 大丈夫 V

Blu-ray / DVD 収録内容】
■『ウルフルズ ライブ2020-2021 〜Happy New Yeah!! 好きでよかった〜』2021年1月5日 東京・中野サンプラザホール バンザイ~好きでよかった~
・それが答えだ!
・タタカエブリバディ
センチメンタルフィーバー 〜あなたが好きだから〜
・生きてく
ワンダフル・ワールド / きみだけを ・借金大王
サムライソウル
サンシャインじゃない?
・ひとつふたつ
・バカサバイバー
・続けるズのテーマ
・あついのがすき
ガッツだぜ!!
ええねん
・笑えれば
・EN1 ウルフルズ A・A・Pのテーマ

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ライブ情報>
ウルフルズ road to 30th anniversary LIVE 2021『“対バン”よんでコールミー』

9月25日(土) 福岡サンパレス ホテルホール
開場17:30 / 開演18:30
ゲストSUPER BEAVER

チケット料金:全席指定 5,800円(税込)
※未就学児入場不可

関連リンク

ウルフルズ 公式HP
https://www.ulfuls.com/

ウルフルズ Official Twitter
https://twitter.com/ulfuls_official

トータス松本 レギュラーラジオ番組:FM COCOLOGot You OSAKA」
https://cocolo.jp/service/homepage/index/7140

ウルフルズ