子どものみならず大人にも大人気のココア味の麦芽飲料「ミロ」は、世界中で愛されている。このほどオーストラリアの企業が、ミロにそっくりのパッケージデザインで缶ビールを製造したことにより「子どもが間違えて飲んでしまった」という苦情が届いた。これにより同製品の広告使用禁止が言い渡されたことを『news.com.au』などが伝えている。

問題の缶ビールは、豪ビクトリア州にある企業「Howler Brewing Company」の「Chocolate Milk Stout」というチョコレート風味の黒ビールだ。

缶のデザインは有名な麦芽飲料「ミロ」を真似たもので、お馴染みの緑色を背景に製品名や販売会社を示す文字の色やフォントまで同じデザインとなっている。同社はこれまでにも、Instagramや炭酸飲料「スプライト」など認知度の高いロゴデザインを真似た製品を作り出している。

しかし今回のあまりにも類似性の高いデザインにより、幼児がミロと勘違いして口にしてしまったという苦情が2020年5月、酒類広告規約団体「Alcohol Beverages Advertising Code(以下、ABAC)」に寄せられた。

この苦情を受けて行われた調査に対し、同社は納得がいかないようでこう話したという。

「この業界には既に未成年者飲酒を防ぐための予防策がありますし、最終的には親がどんな飲み物であるかを子どもに説明していれば、今回のような事態には至らなかったはずです。私たちのビールは単純に子供向けではありませんし、子どもの飲酒を助長するものでもないと思っています。」

「たった1人のクレームで製品全体のデザインを狂わせてしまうのは、極めて不公平な話です。製品の名前、外観、マーケンティング方法に至るまでを完全に変えるほどの権力が、彼らにはあるのでしょうか?」

しかし同社のそのような主張も虚しく、ABACは同製品のデザインが「未成年者に強く、または明らかなアピールを行ってはならない」という同州のマーケティング規約に違反していると判断された。

またビクトリア州の賭博・酒類規制委員会「The Victorian Commission for Gambling and Liquor Regulation」による調査でも、「酒類の広告・宣伝は未成年者の飲酒を助長してはならない」というガイドラインに違反しているという結論だった。

これにより今年6月、同製品の広告・宣伝を禁止する通知を行われ、7月10日までにパッケージの使用を取りやめるよう同社は指示を受けた。この指示に従わない場合は、2万オーストラリアドル(約160万円)以上の罰金が科されるという。

このニュースを見た人からは「幼い子どもには違いが分からないよ」「この会社は間違ったデザインを選択してしまったみたいだ」と同社を非難する声や、「子どもの手の届く場所に保管していた親が悪い」「広告より親の責任でしょ」と親側を批判するコメントなど様々な意見が寄せられている。

画像は『LADbible 2021年8月12日付「Small Aussie Brewery Banned From Advertising After Toddler Drank Beer Thinking It Was Milo」』『Inside FMCG 2021年8月13日付「Howler’s Milo stout ban opens questions around product packaging」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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