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 南東ヨーロッパにあるセルビア共和国の山奥で、隠遁生活を始めて20年になる男性がいる。煩わしい人間関係が嫌になった男性は、それまでに蓄えていたお金を全て寄付し、水道も電気もない洞窟の中で約30匹の犬や猫と共に暮らすようになったのだ。

 そんな男性だが、町に降りてくることもある。そこで初めて新型コロナウイルスが猛威を振るっていることを知る。

 他人とは接触しない暮らしを送っているものの、男性はワクチン接種を進んで受けた。そして懐疑的になっている人々に対しても「ワクチンを接種したほうがいい」と強く勧めている。

【洞窟生活20年の男性、初めてコロナを知る】



Man Living In a Cave for 18 Years

 セルビア共和国南部のスタラプラニナ山の洞窟に住むパンタ・ペトロヴィッチさん(70歳)は、社会から孤立した暮らしをして、既に20年になる。

 それまでは街に住み、ブラックマーケットで働き、複数の離婚を経験。しかし、世捨て人になると決心した時、ペトロヴィッチさんはこれまで貯めたお金を街の3つの橋建設の資金に提供し、その残りを全てコミュニティに寄付した。

お金は、人間を堕落させる呪いのようなもの。お金は人間を台無しにする。

街に住んでいた時の私には、自由などなかった。常に誰かと議論を繰り返すだけだったが、この山奥では誰にも悩まされることはないし、これまで味わったことのない自由がもたらされたよ。

 社会での日常生活に疲れ果てたペトロヴィッチさんは、元々自然愛好家だったこともあり、人里離れた洞窟での暮らしを選択した。

 しかし、たった1人きりというわけではない。洞窟の周りには、ペドロヴィッチさんが世話をしている約30匹の犬猫がおり、8年前に茂みに絡まっているところを救助したというイノシシの“マラ”がいる。
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 現在、ペドロヴィッチさんは福祉の援助を受けており、動物たちの餌や必要物資などを寄付してくれる人もいる。

 普段の食生活は質素で、洞窟の近くにある小川から魚を捕ったり森のキノコを採取したりしているが、最近は街に出てくるようになった。

 というのも、洞窟の周りで飼っていた山羊や鶏などの複数の家畜が野生の狼に襲われ、残りの家畜を街の郊外にある小屋に移したたためだ。ペドロヴィッチさんは定期的に街に下りて家畜の世話を始めることになった。

 しかし、それまで街に下りることがほとんどなかったペドロヴィッチさん。社会で蔓延しているコロナの存在を知ったのは、ずいぶん後になってからだった。

「ウイルスは場所を選ばない」と人々にワクチン接種を推奨

 去年、街に出た時にコロナのことを聞いたペドロヴィッチさんは、ウイルスで大勢の人が亡くなったことにショックを受けた。

 そこで再び街まで出かけ、積極的にワクチン接種をしたペドロヴィッチさんは、メディア取材でこのように話している。

ウイルスは、所かまわずやってくるからね。洞窟にいれば安全などということはないから、私は追加分を含めて3回は接種したいと思ってるよ。

ワクチンを打ちたくないと大騒ぎしている人が私には理解できない。みんなにも、ワクチン接種を強く勧めるね。



Панта Петровић - Одметник од цивилизације

written by Scarlet / edited by parumo

追記:(2021/08/15)タイトルを一部訂正して再送します。

 
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