にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症アラサーOL・かどなしまるさん(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)。新卒で入った会社で人間関係に悩み、「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでから出勤するようになってしまったという。その体験記を新たに描き下ろしてもらったマンガをウォーカープラスで連載中。険悪になっていた妹もるともう一度関係を築く第16話の掲載に合わせ、当時の心境を振り返る。 

【漫画】妹もるとの仲直り

アルコール依存症は完治しない病と言われています。著者の個人的な見解で、一番ひどい状態にあった過去と区別するためにタイトルで「元アルコール依存症」と謳っていますが、著者自身も自分の依存症が完治したとは思っていません。

ーーもるさんには、行先は知らされずに連れ出されたのでしょうか?また、気まずい関係になっていたもるさんに富士急ハイランドに連れていかれたときは率直にどう思いましたか?

出発する時点では富士急ハイランドに行くことは伝えられていました。「行くよ」って言われた時には純粋に仲直りし、久々に2人で遊べるということが嬉しくてたまらなかったですね。遠出だし、非日常感でワクワクを共有できている感覚も久しぶりのことで、やっぱり2人っていいなと心底思いました。明るい雰囲気の遊園地で、「またやり直していける」と思うとより一層楽しく感じました。

ーー絶叫系に乗っている時にも周囲を気にしていたと思うのですが、このときは絶叫系に対する恐怖と、周囲の目線に対する恐怖、どちらが大きかったですか?

悲鳴を上げたりしたら「うるさい」って思われるんじゃないかと周囲の目線のほうが気になりましたね。絶叫系は叫ぶのが醍醐味なのに(笑)。自分だけそんな奔放に振る舞っていい資格がないような気がしてしまって…。最初はぐっと歯を食いしばってサイレント絶叫していました。妹に言われたのもあるし、最後の方はジェットコースターのスピードの方が怖くなってきて、気づいたら絶叫していました。怖いものを怖いと絶叫するのは、気持ちと身体が一致した声なので叫んでいて気持ちよかったですね。

ーーもるさんに「お酒を絶対やめられるか分からない」と伝えている姿が印象的でした。自分自身と向き合えた瞬間だと感じたのですが、当時を振り返って改めてどう感じますか?

何度も妹とお酒の約束をして破ってしまっていたので…取り繕った言葉じゃ妹には響かないだろうと思いました。なので本音で思いを伝えました。その瞬間、自分自身とも妹とも、本当の意味で向き合えました。中途半端な決意でしたが、それが当時の私の精一杯の言葉でした。

取材協力:かどなしまる(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)

※飲酒の際は、食物をとりながら、自身にとって適切な量をゆっくりとお楽しみください。自分で飲酒の量やタイミングをコントロールできず、お悩みの場合は、専門の医療機関を受診してください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。

かどなしまる(@marukadonashi)