リーグ・アンを皮切りに、先週末にはプレミアリーグラ・リーガブンデスリーガが、そして今週末にはいよいよセリエAが開幕する。2021-22シーズンの欧州5大リーグも各地で熱戦が繰り広げられることだろう。

 新たなシーズンを新天地で迎える選手もいれば、同じクラブで変わらずプレーし続ける選手も存在する。そこで今回は、今季で在籍10年目という節目のシーズンを迎えた選手たちを10名紹介しよう。

※下部組織出身選手については、トップチームでデビューを飾ったシーズン、またはトップチーム昇格を果たしたシーズンを在籍1年目としてカウント。なお、在籍年数はレンタル移籍期間も含むこととする。

◆■セサル・アスピリクエタ(チェルシー

 20歳そこそこで海外生活をスタートさせ、2012年にチェルシーに加入。以降、“ブルーズ”一筋を貫き、昨季は主将としてビッグイヤーを掲げた。公式戦出場数は「400」を超えて、外国人選手としてはペトル・チェフ氏に次ぐクラブ歴代2位に。衰え知らずの“鉄人”は今季もピッチに立ち続ける。

◆■ウーゴロリストッテナム

 トッテナムの絶対的守護神は、先週末の開幕戦でプレミアリーグ通算299試合出場を達成。ダレン・アンダートン氏が持つクラブ歴代最多記録に並んだ。その存在感はレジェンド級で、プレミアリーグを代表するGKでもある。ただ、トッテナムではノータイトル。今季こそ悲願達成なるか。

◆■ジェイミー・ヴァーディレスター

 “ノンリーグ”出身のスーパースター、ヴァーディも、在籍10年目を迎えた選手の一人だ。2015-16シーズンのプレミアリーグ優勝、2019-20シーズンのプレミアリーグ得点王など、数々の偉業を成し遂げ、34歳となった今なおレスターのエースに君臨する。2012年の加入時に支払われた移籍金は100万ポンド。現レートで約1億5000万円と、まさに破格だった。

◆■ジョルディ・アルババルセロナ

 下部組織時代を過ごしたバルセロナに帰還したのが2012年夏。以降、左サイドバックとして不動の地位を築き、今季からは第4キャプテンに任命された。ピッチ上で抜群の相性を誇ったリオネル・メッシの退団は彼のプレーにも影響を与えそうだが、攻撃の貴重なオプションであることに変わりはない。

◆■ルカ・モドリッチレアル・マドリード

 昨季限りで満了するはずだった契約を1年延長したことで、在籍10年目に突入。数多くのタイトルを勝ち取ってきた盟友たちがクラブを去るなか、“レアル愛”を貫くベテランは今季も背番号10をつけて健在ぶりを披露している。円熟の域に入ったプレーを堪能できるのは最高の幸せかもしれない。

◆■ホセ・ルイス・ガヤ(バレンシア

 バレンシアの下部組織出身で、J・アルバの退団後にトップチームデビュー。以後、移籍の噂は絶えないが、愛するクラブにとどまり続け、現在はキャプテンとしてチームをけん引する。EURO2020に参加した今夏も、バカンスを早めに切り上げてチームに合流。まさに生え抜きの鑑と言える。

◆■マルコ・ロイスドルトムント

 2012年、下部組織時代を過ごしたドルトムントに復帰すると、その後は好条件のオファーを何度も固辞。ケガに苦しみ“ガラスの天才”と称されたこともあったが、昨季は公式戦49試合に出場するなど、充実した1年を過ごした。EURO2020への参加を辞退したのも、新シーズンを万全の状態で迎えるため。10年目のロイスはさらに進化していくはずだ。

◆■クリスティアン・ギュンター(フライブルク)

 過去7シーズン連続でリーグ戦30試合以上に出場。シュトライヒサッカーの申し子は、今季もフライブルクの屋台骨を支える。クラブでの好調ぶりを受けて、今年6月にドイツ代表復帰を果たし、EURO2020のメンバーにも選出。出場機会こそなかったが、今季のブンデスリーガに欠かせない選手の一人だ。

◆■サミール・ハンダノヴィッチインテル

 セリエAの歴史を振り返っても、名門クラブの守護神をこれだけ長く務める外国人GKはそういないだろう。イタリア生活は18年目に突入。昨季はキャプテンとして、初のスクデット獲得を経験した。監督交代やロメル・ルカクの退団もあって、チームは再出発を余儀なくされているが、寡黙なリーダーの安定感は抜群だ。

◆■マルコ・ヴェラッティ(パリ・サンジェルマン

 生まれ故郷のペスカーラ(イタリア)から“フランスの都”パリに居を移して、この夏で10年目を迎えた。イタリア屈指の司令塔は、EURO2020で欧州制覇を達成。次に狙うのは、パリ・サンジェルマンでのチャンピオンズリーグ優勝だろう。「新・銀河系軍団」と称されるチームをどう操るのか。お手並み拝見だ。

(記事/Footmedia)

今回は今シーズンで在籍10年目を迎えた10選手をご紹介 [写真]=Getty Images