中央公論新社主催の第57回谷崎潤一郎賞の選考会が8月23日に行われ、池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生筒井康隆、堀江敏幸の選考委員5氏による審査の結果、金原ひとみさんの『アンソーシャル ディスタンス』(新潮社)が受賞作に決定しました。
選評は『中央公論』11月号(10月8日発売)に掲載される予定です。

金原ひとみさん


コロナみたいな天下無双の人間になりたい
2021年、世界にはかくも絶望があふれている。

金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス


パンデミックを逃れ心中を目論む男女、「ストロングゼロ」に溺れる女……
ページが刃となって読むあなたに襲いかかる、ひりつく作品集

COVID-19の感染が終息の気配を見せず、社会の底が抜けますます閉塞していく現在、文学の世界から爆弾が投下されます。普通に生きたいのに世界から拒絶される人々の苦しみを描いてきた金原ひとみさんの新刊『アンソーシャル ディスタンス』は、現代の私たちと隣り合わせの絶望の淵を見せてくれる作品集です。

昨年、最初の緊急事態宣言が発出された直後に書かれ、COVID-19新型コロナウィルス)の流行に翻弄される男女が登場し話題となった表題作を初め、高濃度アルコール飲料に溺れる女性の転落を描いたその名も「ストロングゼロ」など、孤独から逃れようと様々なものに依存する人々が主人公の5篇が収められています。

『アンソーシャル ディスタンス』

(収録作)
心を病んだ同棲相手に疲れ、自らも高アルコール飲料に溺れていく――ストロングゼロ
職場の後輩との交際にコンプレックスを抱き、プチ整形を繰り返す――デバッガー
夫から逃避して不倫を続けるが、相手の男の精神状態に翻弄される――コンスキエンティア
パンデミックの世界から逃れ、心中の旅に出る――アンソーシャル ディスタンス
ウィルスを恐れ交際相手との接触を断つが、孤独を深め暴走する――テクノブレイク

新潮社刊/288頁/四六判ハードカバー
1870円(税込み)

配信元企業:株式会社新潮社

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