ひらかたパーク7月10日から9月5日(日)まで開催中のお化け屋敷「ゆびきりの家」。毎年怖さのクオリティが話題になるひらパーお化け屋敷だが、今年はなんと公式Twitter上(@MBS_obake)で前日譚となるホラー漫画を公開。お化け屋敷に入る前から恐怖を味わえるようになっているのだ。

【漫画】「#ゆびきりの家 につながる物語」を読む

■恋人のためにあえて破らせた“指切り”の結末――「ゆびきりの家」の前日譚

8月10日に公開された漫画「#ゆびきりの家 につながる物語」では、小指が曲がって動かない女性「あやこ」と付き合っている恋人の男性が描かれる。

幼き日のあやこは、母と「夕方まで家に帰らないで遊んでいてね そしたらお母さん迎えに行くから…」とゆびきりげんまんで約束。しかし母は帰ってこず、その日以来、小指が曲がったままになったのだという。

曲がった小指を「私が約束を破ったせいでお母さんは帰ってこられなくなったの」「だからこれは……罰のようなものよ」と語るあやこ。それを見た恋人は、来週遊園地へ遊びに行こうと誘う。そして「ただ今日は決して振り返らないで見送って欲しいんだ それが守れたら迎えに行く」と、指切りをして立ち去る。突然のことに戸惑うあやこだが、「大事なことを忘れてた!」という大声に思わず振り返ってしまう。恋人はあやこにわざと約束を破らせて、「母が帰ってこないのは約束を破ったから」という思い込みを払拭させようと考えたのだ。

帰宅後、「そうすれば罪悪感から動かなくなった小指もきっと治る!」と、約束の日を楽しみにする恋人。すると、恋人の家にあやこが訪れて――。「ゆびきりの家」本編のあらすじではぼかされていたストーリーの一端が明かされるホラー漫画。本作はサンデーうぇぶりにてホラー漫画『僕が死ぬだけの百物語』を連載中の的野アンジさんが手掛け、独立した短編ホラーとしても十分すぎる恐怖が描かれている。

お化け屋敷では語られない『心中篇』を漫画化、考察する楽しみをプラス

「ゆびきりの家」を企画製作している株式会社 闇の高木慎太郎さんによると、前日譚の漫画化は、「ゆびきりの家」を演出するお化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんとのミーティング資料がきっかけになったという。

お化け屋敷『ゆびきりの家』の中で体験できる物語とは別に、『心中篇』というお化け屋敷の中では語られない背景がありました。お化け屋敷でお客様を襲うことになってしまった「あやこ」の悲しい過去と複雑な心情が描かれていたんです。お化け屋敷をより深く楽しむためにも、多くの方にこの『心中篇』を届けたい。という一心で今回の企画はスタートしました」(高木さん)

お化け屋敷で体験する驚きと恐怖だけでなく、最近はホラーの物語を深く考察するという楽しみもあると語る高木さん。「お化け屋敷とは別の場所で背景をお客様に届けようと思った時、一番手軽に読めて、拡散性に優れたTwitter漫画として投稿することにしました。既に『ゆびきりの家』に入ったことのある人でも、背景にある物語を理解していただけることで、もう一度行ったときの印象が変わるのではないかと考えています」と、Twitter上で前日譚を掲載した狙いを話す。

「本作は五味さんが執筆していた『心中篇』という、お化け屋敷になるまでの背景を描いた物語がベースとなっており、『ゆびきりの家』に入る前に読むことで、あやこの心の内を理解することができます。漫画、WEB上のあらすじ、そしてお化け屋敷を体験していただいたうえで、帰り道にもう一度漫画を読んでいただき『ゆびきりの家』の作り込まれた物語をお楽しみ下さい」と、漫画とお化け屋敷が相互に連動する楽しみ方を教えてくれた。

お化け屋敷がより恐ろしく、より面白く楽しめるコラボレーション。漫画を入り口にお化け屋敷に行く人はもちろん、すでに楽しんだ人も合わせて読みたい作品だ。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

あやこの恋人が“約束を破った”真実が明かされる!ひらパーお化け屋敷の前日譚が漫画に