9月3日(金)に公開される映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』から、トニー・レオンのコメントが到着した。

シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU/映画『アベンジャーズ』などを中心とした一連の作品)では初となるアジア系ヒーローをメインロールに据えた作品。MCUフェーズ4作品のひとつで、『アイアンマン』シリーズや、『アントマン』にも登場した犯罪組織“テン・リングス”の謎が明かされる映画だ。主人公のシャン・チー役で『96時間 ザ・シリーズ』などのシム・リウが主演するほか、『恋する惑星』や『インファナル・アフェア』シリーズのトニー・レオンがシャン・チーの父親役で出演。オークワフィナミシェル・ヨー、メン・ガー・チャンらがキャストに名を連ねている。メガホンをとったのは、『ショート・ターム』『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットン監督。

 


本作の核となっているのが、シャン・チーの父親シュー・ウェンウーを演じたトニー・レオンの存在だ。マーベル・スタジオ作品への参加は今回が初となるトニーだが、言わずと知れた香港、そしてアジアを代表する俳優。彼は、香港最大手のテレビ局TVBでテレビ番組の司会などを経たのち、1980年代の後半にはホウ・シャオシェン監督の映画『悲情城市』出演を切っ掛けに映画に進出。その後、90年代からは『恋する惑星』、『ブエノスアイレス』などのウォン・カーウァイ監督作で俳優として不動の地位を築き、2000年代にはカンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いた『花樣年華』、そして、アンディ・ラウと共演したヒットシリーズ『インファナル・アフェア』で世界にその名を轟かせている。

彼が演じたウェンウーは、犯罪組織“テン・リングス”のリーダーであり、主人公シャン・チーの父親、そして、一族に伝わる伝説の腕輪を操る武術の達人。シャン・チーはそんな父親に後継者となることを期待され、幼い頃からの厳しい鍛錬の末に武術を習得。しかし、二度と戦わないことを誓い、自らの力を封印して父親の元から逃げ出すことに。名前を変え、アメリカ・サンフランシスコのホテルマンとして暮らしていたシャン・チーをある理由で再び引き戻そうとするのもまた、ウェンウーなのである。

(C)Marvel Studios 2021

(C)Marvel Studios 2021

他のMCU作品とは異なる“武術”を主とした殺陣が展開する本作のアクションについて、トニー・レオンは「撮影開始前に二週間かけて、すべてのファイティング・シーンをリハーサルしたんだ。この映画で私がやっているのは、タイガークロウカンフー(虎爪功夫)と呼ばれるものだよ。シュー・ウェンウーというキャラクターのアグレッシブさや怒りを表しているもののように感じられるんだ」と話す。そして、本作のアクションが、心情を表すための表現として存在していること明かしている。

いわゆる“アクションスター”ではないトニー・レオンだが、2013年のウォン・カーウァイ監督作『グランド・マスター』では、ブルース・リーの唯一の師であるイップマンを演じている。同作では、武術未経験ながら4年間に及ぶトレーニングを受け、4ヶ月間正式に宗師に弟子入り。2回の骨折を経験しながらも、詠春拳の達人を演じられるまでの技術を習得するに至っている。

(C)Marvel Studios 2021

(C)Marvel Studios 2021

また、トニーは初のMCU参加にも言及。「マーベル・スタジオの映画はたくさん観ているし、大好きなキャラクターもいるよ。デッドプールアイアンマンが大好きなんだ。そんなマーベル・シネマティック・ユニバースの一員になれるチャンスが自分に巡ってくるなんて、思ってもいなかったよ」と、その喜びを語っている。また、「脚本を読むまでは、この映画の自分の出番はそれほどではないだろうと思っていたんだ。デスティン(監督)からすでに聞かされていたことを考え合わせると、おそらく私が必要とされるのは2,3週間の撮影程度だろうと思っていた。シュー・ウェンウーはスーパーヒーローではないからね。悪役だよ。だからそれで十分だと思っていたんだけれど、結局はシドニーで6ヶ月も過ごすことになったんだ」と、自身の役柄の果たす“大きさ”についても明かしている。

初となるMCUの世界でトニー・レオンが見せる“アクション演技”に注目だ。

シャン・チー/テン・リングスの伝説』は9月3日(金)全国公開