中国メディアの現代金報によれば、中国最大のネットショッピングモール「タオバオワン」などで日本製のプラスチック容器が“万病を治す魔法の容器”として販売されているという。

 同容器は白いプラスチック製で、表面に「生き生きペール」と書かれたシールが張られている。ネットショップでは「心臓病、糖尿病、脳血栓、高血圧やがんに効く」として販売されているようだが、プラスチック製の容器によって病気が治るとは通常ではあり得ない。

 記者が調査したところ、同容器は日本製であることは間違いないものの、ゴミ箱などとして使用される普通の容器であることが分かったという。

 中国の簡易投稿サイト・微博でも“万病を治す魔法の容器”を巡る騒動について伝えられ、毎日経済新聞は現代金報の記事を引用し、「浙江省では多くの中年女性が、日本直輸入の“酵素桶”だと聞いて550元(約9300円)で購入した」ことを伝えている。

 ちなみに日本では9リットル容器が3150円で売られており、中国では約3倍の値段で売られたことになる。

 中国の微博ユーザーからは、「無知って怖いな」、「中国人って簡単に騙されちゃうんだな」、「なんと愚かな中国人」など、安易に信じて購入した消費者が少なくないことを嘆くコメントが多く寄せられた。

 また、「外国の商品というだけで、良い品になってしまうんだよな」と、中国国内では外国製品に対する「信仰心」がいかに高いかを指摘するユーザーがいたが、逆に言えばそれだけ中国製品は信用がないとも言えるだろう。

 また、同事案からは中国人消費者が「盲目的」と言えるほど日本製品を信用していることも見て取れるが、皮肉にもその信頼が仇となってしまった形だ。

 ほかには、このような詐欺行為で商品を販売することに「良心のかけらもない企業だ」と非難するコメントがある一方で、「この容器を売った人は頭が良いなぁ」と、人を騙す方面での才能を評価するユーザーもいて、中国では常に「騙しあい」が行われていることをうかがい知ることができた。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:123RF)