現在1人で活動中の水溜りボンド・カンタが、ヒカルと動画内で約4年ぶりにコラボを果たし、8月25日にそれぞれのチャンネルにて、約50分間に及ぶ長尺の対談動画が投稿された。

参考:【動画】ヒカルが水溜りボンド・カンタの家を襲撃

■忖度なしの愛あるイジリ
 動画冒頭より「トミーどこ行ったん?」「炎上経験してやっと友達になれたな」とヒカル節が全開。「ちょっと調子乗っちゃってたとこもあったと思う」というヒカルのストレートな意見に対して、カンタは「全員が『それいいじゃん』と言ってくれる環境になってきてしまっていた」と正直に受け答えする。

 「これまで水溜りボンドは炎上を経験してこなかった。そういう路線のタイプじゃなかったし、これで一皮剥けるなと思った」という考察を含めたヒカルの意見には、「(経験がなかったため)その時どうしたらいいかが分からずに、見て見ぬふりをしてしまっていた」とヒカルの攻めにも負けず一問一答する形で、お互い真摯なやり取りが交わされた。

 今回の動画内では、トミーの騒動を含め、それ以前のメディア露出や活動量の増加から、視聴者との心の距離が離れ起こった“炎上”についても触れられている。客観的かつ的確なヒカルの分析とともに、逃げることのない姿勢で答えるカンタが印象的だ。

 「なんでもしっかり追ってくれる人たちのことを見がちになり、伝わってると勘違いしてしまった。動画だけを見てくれている方たちのことを置いていってしまった」と反省するカンタに、「自分も一度失敗してる。YouTubeは濃いファンに向けてじゃなく、“大衆”に向けて発信することを心がけてる」というアドバイスを添えた上で、ヒカルはカンタの本音を終始引き出した。

 現在(8月29日時点)動画の高評価は7万を超えており、コメント欄には水溜りボンドのファンやヒカルのファンに加え、「登録を一度は外したけれど今回見に来た」という視聴者も多数おり、コメントに溢れている。

 今回ヒカルが投げかけた言葉や疑問は、これまで視聴者やファンが抱えていた“言えなかった”“触れられなかった”不安の声でもあり、忖度なくそこを掘り下げることによって、カンタも含め多くの人の気持ちが整理されていく感覚になったのではないだろうか。

 そして、動画はほぼノーカットで公開されたことが、ヒカルツイキャスでも明かされている。

■「愛しかない」ヒカルの存在
 今回のコラボは、水溜りボンド側よりヒカルにオファー。そして、カンタのTwitterより「今ヒカルさんに動画撮影をお願いしようと、水溜りボンド2人で決めました」という活動休止中のトミーも承諾していることが明かされている。

 コラボに関しては、他動画内で以前より告知されていたが、ヒカルの“歯に衣着せぬ”キャラクターもあり、公開以前より視聴者の間でただならぬ緊張感が走っていた。そのため、カンタ自身もInstagramの生配信で事前に細やかな説明をするなど、慎重に公開が行われてきたという経緯がある。

 生配信内では、今のタイミングで水溜りボンドと絡むことはリスクであるという自身の認識や、ヒカル側がトミーの話題を出す可能性があることも分かった上で、しかし「それを動画で言ってくれる人はマジでいない」というオファー快諾への感謝を述べた。「今の水溜りボンドトミーをイジることって危険だし、それをやってくれるのって愛しかない」という言葉の通り、今回のコラボは感謝と同時に、互いの信頼関係やリスペクトの上で成り立っている。そして、活動休止発表以降ハッキリとは触れられることのなかった、トミーの存在にも触れられたことで、安心した視聴者も多かったのではないだろうか。

 ヒカルもまた動画概要欄に「もしかしたら多くの方が僕の存在をウザく思ったかもしれません。そう思ってもらえたならそれはそれで成功です。水溜りボンドへの想いを改めて再確認できたんじゃないでしょうか」と自身がヒール役を果たしたことで、伝えられたことがあったのではないかという。

 ヒカル自身も、この4年間で登録者が60万人減る程の大炎上を経験し、それを2年がかりで立ち直してきた。動画内では「俺と関わったのは一つの勇気やと思う。こういう動画になるって分かった上で、この話題に触れるのは覚悟が決まってる人にしか無理だと思ってる」「結局諦めへんことが大事。ファンの人はその姿勢を見てる」という自身の経験も踏まえ、「この動画は登録を一度外した人に見てほしい」とメッセージを込めた。

■見直される視聴者との心の距離
 前述したInstagramの生配信もそうだが、活動再開以降の水溜りボンドは、それまであまり語ることのなかった個人的な心情などを、カンタが動画内やSNSなどを使って、積極的に伝える姿勢に変化している。チャンネルでは現在、水溜りボンドのかつての代名詞である“毎日投稿”を1週間敢行中でもある。その中で、同じく相方が不在で1人で活動するYouTuberコンビ・みきおだのおだけいとのコラボや、おる溜りピース(おるたなChannel、スカイピースとのユニット)での視聴者に向けた真っ直ぐなメッセージソングの披露など、活動の幅も広くなってきている。

 今回の動画に対してカンタは「攻めすぎだろと思う人もいるかもしれない。その意見すらもしっかり受け止めて、ちゃんと前を向かなきゃいけないのかなと思っている」という発言や「今までだったら絶対に僕は載せられない動画でした」「トミーも、僕もここから1から走り始めたいなと思っています」という概要欄でのコメントを残しており、しっかりと問題点を意識した上で、また“水溜りボンド”としてコンビで立ち上がろうとしている。

 今回ヒカルとコラボするにあたって、水溜りボンドは“タブー”を一度なくすという選択をした上で、やれるだけのことをやろうとすることを選んだ。今回以前の動画内でも「しっかりと清算がされた上で、話がまとまらないと笑えないと思う」「やっぱり水溜りボンド面白いなって思ってもらえるような動画を始めていく」という発言がされていたように、それは有言実行の挑戦であったともいえる。

 「去年から登録者が減り続けている」ということも正直に明言した上で、「1番登録者が多かった437万人に向けて、また全力でここからYouTubeをやりたいと思う」と述べた水溜りボンドの“これから”を、この夏ぜひ目撃して欲しい。

(文=こたにな々)

動画サムネイルより