エンゼルスの大谷翔平投手(27)は本拠地で行われたヤンキース戦に「2番・DH」で先発出場。第1打席は左飛、第2打席は四球、第3打席は申告敬遠、第4打席は三邪飛となり、2打数無安打。快音は聞かれなかったが、この日魅せたのは「足」だった。
4回の第2打席、四球を選んで出塁すると二走フレッチャーと鮮やかな重盗を成功。これで今季21個目の盗塁をマークし、メジャー4年目にして通算50盗塁に到達した。日本人選手ではイチロー、松井稼頭央、青木宣親に次いで4人目の快挙となった。
4回は鮮やかな重盗を契機にウォルシュの逆転3ランを呼び込んだが、真骨頂はこの先の場面に訪れた。5回の第3打席を申告敬遠で出塁すると、二死一、三塁から一走のゴセリンがディレードスチールで二塁を陥れると三走の大谷は捕手の送球間に快足を飛ばし、左手でベースに触れ、ホームスチールに成功。大谷にとってはメジャー初のホームスチールとなり、決めた瞬間は両手をめいいっぱい広げて、セーフのアピールも。この「神走塁」が球団公式ツイッターでもアップされると「もはやルースを超えた」「投げて打って走って―、本当に漫画みたい」と全米から称賛の声が多く寄せられた。
本来ならこの日は9勝目がかかった大谷の登板試合。28日(同29日)のパドレス戦で右手首に投球を受けた影響で登板回避となったが、先着1万4000人に配られた「大谷マクラ」を手にしたファンも多く見られた。前日に続き、豪快な一発こそ見せられなかったが、この日の大谷は2回の重盗、メジャー初のホームスチールまで決め、球場を訪れた多くのファンを喜ばせた。これまでも二刀流で前人未踏の記録を更新し続けているが、「足にスランプなし」の言葉どおり、今度は快足で金字塔を打ち立てたのだ。
試合も前日に続き6―4でヤンキースに連勝。一体、いくつの「顔」を持ち合わせているのか。人々の予想をはるかに超える、大谷の快進撃は続いていく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
コメント