ヒトラームッソリーニはどこが違うのか?
経済格差やコロナ禍で世界が不安、恐怖に覆われるなか、再び独裁的な指導者の力が増しています。独裁者はどのように生まれ、いかなる政治手法で人々の心をつかんでいくのでしょうか?「20世紀の独裁」を知れば、現代社会の病理が見えてきます。本書は、ベストセラー『ヒトラーの正体』https://www.shogakukan.co.jp/books/09825353に続く、舛添要一氏の「20世紀の独裁研究」の書です。

«2016年のアメリカ大統領選挙でトランプが勝ったことは、ポピュリズム、そして排外主義が跋扈し、各種の格差が拡大する現代社会の問題を象徴しています。2019年末に中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症パンデミックとなり、世界を混乱させましたが、その過程でも排外主義、人種差別、陰謀論など、自由な民主主義の基盤を揺るがすような動きが止みませんでした。
世界ではヒトラーによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)と共通するような差別、ヘイトクライムが日常茶飯事のように起こり、基本的人権を揺るがすような事件も起こっています。それは、日本でも同様です。そういう行為を行う者に対して、かつては「ファシスト!」と非難する声が高まったものですが、最近は、そのような声も聞かなくなりました。
そもそもファシストとは誰なのか、それをもう一度考えてみたいと思います。そのためにも、ファシズムの創始者、ムッソリーニのことをもっと知る必要があります。そこで、ムッソリーニの生涯を辿ってみることにしたのです。»
(本書「はじめに」より)

イタリアムッソリーニといえば、20世紀における独裁の象徴。あのヒトラーが師と仰いだ男です。ムッソリーニヒトラー、2人の怪物に違いはあるのでしょうか? また、ナチズムとファシズムは何が異なっているのでしょうか。両者はしばしばファシストと称され、一括りに非難されますが、その行動と思想は大きく異なります。

«選挙の大変さ、演説の難しさ、背後から刺される権力闘争の厳しさなどを体験した私は、ムッソリーニヒトラーの政治技術の卓越さを人一倍認識しています。そして、そのポピュリストの政治技術に魂を奪われ、唯々諾々と追従する大衆の不気味さも痛感しています。今の日本の病がその大衆民主主義から発生していることを理解するためにも、戦間期のドイツイタリアの歴史は参考になると思います。
本書の出版が、ムッソリーニ、そして彼が始めたファシズムという思想を理解する一助となれば幸いです。ヒトラームッソリーニは異なった個性ですし、ナチズムとファシズムは同じではありません。その点を明らかにすることも本書執筆の目的です。»
(本書「あとがき」より)

ムッソリーニの思想、行動、そしてイタリア国民の熱狂の過程を詳らかに辿ることで見えてくる現代社会の危うさとは? さらに、ムッソリーニの思想には、21世紀に通用する先進性があったことが、本書で明らかに!知的興奮に満ちた一冊です。

〈目次〉
第1章 若き日
第2章 第一次世界大戦
第3章 ファシズム運動の旗挙げ
第4章 ローマ進軍
第5章 政権の運営
第6章 独裁体制の確立
第7章 世界大恐慌と対外政策
第8章 第二次世界大戦への道
第9章 第二次世界大戦
第10章 失脚と最期
第11章 ムッソリーニファシズムヒトラーのナチズム
【著者プロフィール】
舛添要一(ますぞえ・よういち
1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。パリ(フランス)、ジュネーブ(スイス)、ミュンヘンドイツ)でヨーロッパ外交史を研究。東京大学教養学部政治学助教授などを経て、政界へ。2001年参議院議員(自民党)に初当選後、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)、東京都知事を歴任。著書に『都知事失格』、『ヒトラーの正体』など。

好評既刊
小学館新書
ヒトラーの正体』
著/舛添要一
定価:924円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09825353

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