代表 橋本将明氏
あらゆる業界で安定的な事業承継の実現が目指される昨今。経営者への助言、継続的なサポートをするため、株式会社ワールドファミリーゼネラルコンサルティングは、“事業承継研究会”を立ち上げて、定期的な議論を重ねています。税理士、司法書士など各分野のエキスパートが集うチームです。
今月も定例会を実施。先月に引き続き建設事業者へのサポートのあり方が議論の中心になりました。これまで事業資産の継承方法が注目されてきましたが、今回は特に後継者や人材確保における建設業界の課題にフォーカス。要点を整理した上で、事業承継を進めるにあたり、人材面の準備についてどう助言をしていくか方向性を決定しました。

事業承継を考える際、人材面で最も大きなポイントとなるのは、適切な後継者がいるか否かということ。建設業界に限らず、そもそも後継者がいないことが事業承継の壁になるケースは少なくありません。親族での承継が難しい場合、役員など組織の中心人物に継いでもらうか、はたまた、事業や会社自体の売却を考えるか。現経営者の希望を踏まえながら事業をどう残していくか。研究会でも様々な方法論が検討されてきました。一方で、後継者がいるからといって安心かといえばそうではありません。事業承継するまでに後継者を育て上げる必要があります。司法書士の飛田幸作さんは、建設業での後継者育成の課題を取り上げました。
一日も早く後継者の教育を
「業界の特性として、建設業界で長年働いてきた人は、職人気質で自分の仕事にプライドを持っている人も多い。例えば、現場で施工方法の議論になった場合に『自分のやり方が間違いない』と我を通すような人もいるでしょう。若い人材の不足も叫ばれる業界ですから、裏を返せばその道何十年のベテランが業界をリードしているわけです。そんな中、現社長の息子、娘として経営を引き継いだものの、ベテランの社員たちを上手くリードできないと悩みを抱える若手経営者は決して少なくありません。社長が第一線を離れる前に、自社のマネジメントを担えるだけの風格を後継者が身につけられるようサポートする必要があります。とはいえ人は一朝一夕には育つものではありませんから。会社を継いでいいという人がいるなら、一日も早くマネジメントスキルを磨くための教育を実行できるようお声がけしていきましょう」。

後継者育成は決して建設業に限った話ではない。しかしながら、飛田さんの話にあるように業界ごとの人材の特色がある。建設業ならではの要点が共有されました。さらに、人材面ではこんな課題の指摘も。

「事業承継ができても、会社をこれから動かしていくのは今のチームではない。後継者育成と合わせて現場の人材育成も不可欠です。建設業界は、現在も外国人人材に頼っている部分が大きく、慢性的に人手が足りていません。本当なら受注できるのに、マンパワーが足りなくて回せないではもったいない。事業資産や税金だけでなく、未来に向けた雇用と育成の仕組みにもきちんと目を向けるよう助言するのも、私たちの役割ですよね」と飛田さん。

事業承継において、不要な資産の毀損を防ぐためにも長期的な準備が要ります。同様に、承継後も事業を走らせていくには、将来の組織を担う人材の育成に相応の時間をかけなくてはいけません。業界ごとに課題は異なるものの、気にかけるべきことは多岐にわたる。今回は人材面に特化し、建設業の実情が確認されるとともに、経営者へのアドバイスの方針が定められました。研究会は引き続き、建設業への具体的なサポート方法を検討していきます。

配信元企業:株式会社ワールドファミリーゼネラルコンサルティング

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