舞台「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」のゲネプロ9月2日、東京・品川プリンスホテル クラブeXにて行われ、終演後のあいさつに主演の辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)と林翔太が登壇した。

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同作は1924年アメリカ・シカゴで実際に起こった「ローブとレオポルド事件」を題材にしたジョン・ローガンの傑作戯曲で、ロンドン、韓国で大ヒット。今回は「踊る大捜査線」の君塚良一氏が、初の舞台演出を務めることでも話題。

裕福で知能も社交性も高く、非常に魅力的でありながら、犯罪行為への興味を抑えられないローブを演じる辰巳を、彼に惹かれるレオポルドを演じる林は、「ローブみたいに本当にセクシーなんですよ」と絶賛。「研究がすごくて。家でもずっと動画見たりとかいろんな映画見たりとかしてて…日を重ねるごとにどんどんセクシーになっていくので、最後の通しのときは、本当にレオポルドとして、本当にキュンキュンしながら芝居してました僕は」と重ねた。

そんな林に、辰巳は「翔ちゃん、(どうやったらセクシーに見えるか)研究したとかあんまり言わないで…」とお約束のツッコミ。「元からです! やっぱり生まれ持ったセクシーさがあふれ出たかなって思ってるんですけど…」と努力を隠しつつ、「ただやっぱり1920年代の品がある男たち、すごく裕福な家庭に育った男たちの魅力ってのを2人で研究しました」と告白。

「それから、1920年代には実際に何があったかっていうのを、君塚さんはじめみんなで共有して、あらためて当時の方々の持つ色気だったり所作だったりそういうのはすごく勉強になりました」として、「作品の中でも名前が出てくる俳優の(ルドルフ・)ヴァレンティノさんの映像をたくさんみたり、映画の『華麗なるギャッツビー』が1920年代を描いているので、(レオナルド・)ディカプリオさんからも頂いたり」と明かした。

■辰巳雄大「(V6の)森田剛くんならどうやるかなって」

さらに「この役を頂いたときに、何でかわからないですけど(V6の)森田剛くんならどうやるかなって一瞬出たところがあったので、剛くんの映像を見てみたり…」と言う辰巳に、取材陣から「今、剛くんが降りてきたらどんな感じ?」というモノマネ無茶振りが。

「降りてきたら…?」と戸惑いつつ、声を変えて「『まぁ、辰巳の舞台は行かないよ』とは言われると思うんですけど…」とポージングした直後に「いや僕は河合郁人(A.B.C-Z)ではない! 人物を間違えてらっしゃる…!!」とノリツッコミ。さらに「ありがとうございます。そうですよね動揺しますよね、今の剛くんに見られたらどうしよう」とネタ振りに感謝しつつ慌てて見せた。

その後、「ただ、剛くんとの約束があって、剛くんは僕が主演をやったら舞台を見に来るって言ってくださってるんですけど、一度も来てくれてないので…そろそろちょっと、見ていだきたいなっていうのはちょっとありますね」と明かしていた。

一方、同作のキャッチコピー“もう、後戻りはできない…。”にちなんで、後戻りできないことを問われた辰巳は「バラエティー番組でお尻を出したので、ちょっともう後戻りできない」と回答。「その番組で鶉の卵をたくさん食べさせていただいたのが皆さん印象に残ってるようで…最近この舞台の宣伝でテレビに出させていただいたときに、僕はローブのモードで入ったんですけど、メークさんが目が会った瞬間『あ、うずたま見ました(笑)』と言われて」と切なげに語り、「俳優・辰巳雄大という部分が、バラエティーに出てる辰巳雄大を超えて更新していかなきゃいけないなって」と決意を新たにしていた。

最後に辰巳は「レオポルドとローブという実在した人物が起こした事件ということで、実話の持つパワーに、演劇の持つパワーが組み合わさって、この劇場を熱くさせられたらいいなと思いながら稽古してきました。あの君塚さんの初演出作品ということで、僕らカンパニーが君塚さんから脚本の中に隠れているものをたくさん頂きながら取り組むことができました」とコメント。

「願わくば、僕はやっぱり1人でも多くの方に見ていだきたいなという気持ちが強いです。僕と、林翔太と、すてきなキャストの皆さんにとって、すごく挑戦で、それぞれが戦ってる熱い作品です。今回見に来れない方もたくさんいらっしゃると思いますし、観に来ないという判断をされた方もいらっしゃると思うので、その方々にいつか届けられる一歩になるようなスタートを切るため、キャスト・スタッフ一同、演劇というものに真摯に立ち向かって千秋楽まで全員無事に走り抜けたいです」と意気込んだ。

舞台「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」は、9月12日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて上演中。

◆取材・文=坂戸希和美

辰巳雄大&林翔太/撮影:坂戸希和美