ID.3の四輪駆動ホットハッチ
フォルクスワーゲンのCEO、ラルフ・ブラントシュテッター氏は、高性能なID.X コンセプトの量産版が、2022年以降に生産されることを認めた。恐らく、ID.3 GTXとして登場することになるだろう。
【画像】フォルクスワーゲンID.X コンセプトとID.3、ID.4 GTX 全51枚
2021年のミュンヘン・モーターショーでブラントシュテッター氏は、考え方としては、ID.3をベースとする四輪駆動のホットハッチになるという。純EVのサブブランド、ID.の高性能モデルへ与えられるGTXを名乗る、2番目のモデルとなる見込みだ。
具体的な性能はまだ明らかではないが、ID.4 GTXのパワートレインが流用される可能性は高い。駆動用バッテリーの容量は選べるようだが、「より高いパフォーマンスは、より少ない航続距離を意味します」。とブラントシュテッター氏は述べている。
純EVの時代に、クルマ好きのためのドライバーズカーを生産するという、フォルクスワーゲンの取り組みの一環といえる。「運転する喜びは、モビリティのもう1つの要素です」。とも付け加えた。
2020年に姿を見せた、ID.3コンバーチブルの実際的なコンセプトモデルも計画にあるという。加えて、Rが登場することもほのめかしている。GTIがGTXへ置き換わったことと同様に、一層高性能な純EVへ、特別なイニシャルが与えられるようだ。
ID.X コンセプトの最高出力は333ps
記事の写真は5月に撮影されたもの。クルマは明らかにパフォーマンスへ焦点が向けられた、ID.3そのものだ。特徴的なマットグレーのボディに、差し色のライトグリーンの配色が新しい。肉薄なタイヤを包む、大径ホイールのデザインもシャープだ。
インテリアには、アルカンターラ張りのスポーツシートが据えられている。背もたれには、ID.Xの刻印がある。
ブラントシュテッター氏は、既存のすべてのID.3と比較して、大幅な動的性能の向上を約束している。ID.X コンセプトの最高出力は333psとされ、現在販売されている最もパワフルなID.3より129ps高いだけでなく、高性能なID.4 GTXと比べても27psも大きい。
ただし、この数字が量産車へ展開されるかどうかは不明ではある。
現在のID.3は後輪駆動となっているが、ID.4 GTXは四輪駆動。ID.3が基礎とする標準仕様のMEBプラットフォームでは対応できないと考えられていたが、違うようだ。ID.Xが、シートレイアウトや荷室容量を変更し、実装しているのかどうかもわかっていない。
Rのイニシャルが付くID.3の計画も
ID.X コンセプトは、標準のID.3より200kgも軽いという。ブラントシュテッター氏は、0-100km/h加速は5.3秒、ドリフトモードも備えていると教えてくれた。このモードは、新しいゴルフRへ搭載されるモードに近いものなのだろう。
5月の時点では、ID.Xは量産を前提とした設計ではないと説明していた。しかし、フォルクスワーゲンはこのプロジェクトから多くのアイデアを取り込む、とも考えていた。
ID.4 GTXの開発へ関わった技術者について、次のようにも話している。「高性能な電気自動車を開発する楽しさを発見したようです。そこで、われわれは彼らに(ID.Xも)やらせようと思ったんです」
また、AUTOCARでは以前報告しているが、フォルクスワーゲンのR部門にはRのイニシャルが付くID.3の開発計画があり、2024年に市場へ姿を見せる見込み。GTX以上にホットなID.3の登場も、遠くはないようだ。
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