エンゼルス大谷翔平投手(27)は6日(日本時間7日)に本拠地で行われたレンジャーズ戦に「2番・DH」で先発出場。4打数ノーヒットで打率は2割5分5厘、期待された1発は出なかった。

 大谷は4日(同5日)の同カードで4試合ぶりとなる43号3ランを放ったが、その後は2試合続けて、ノーヒット。この日も第1打席は左飛、その後も空振り三振、見逃し三振、と続き、元DeNAに在籍したパットンとの勝負となった8回の第4打席も遊飛と快音は聞かれなかった。

【動画】レンジャーズ右腕アレクシーの外角低めチェンジアップに空振り三振となった

 一方、本塁打王を争うライバルたちは猛追だ。この2日間でペレスロイヤルズ)が41号、ゲレーロJr.(ブルージェイズ)もこの日、40号を放つなど、3人が3本差以内とシーズン終盤にきて、一気に本塁打王争いがヒートアップ

 最終的に誰がキングに輝くのか。日米を巻き込んで大注目となっているが、大谷がここに来て追い込まれているのは、オールスター明けの「失速」も影響している。球宴前に33本まで記録を伸ばしたが、後半戦はここまで10本。一方のゲレーロJr.も後半戦12本とペースが落ちている。一方、ペレスは前半戦で21発とそこまで目立たなかったところを、後半戦に入ってからは47試合で20発と大まくりしている。

 チームはここにきて主力のアップトンまで右腰痛のためIL(負傷者リスト)入り。トラウト、レンドンに続いて、主力が離脱したことで「ますます大谷との勝負は避けられるでしょうね。大谷さえ抑えておけば、得点力はある程度抑えられる」(メジャー関係者)

 これまでも申告敬遠など大谷との勝負は避けられる傾向にあったが、特にプレーオフ争いがかかった上位チームとの対戦ではなかなか真っ向勝負は厳しくなりそうだ。

 
 そんな厳しい環境の中で今後、本塁打を積み上げるにはどうすればいいのか。本人はこう語っている。

「なかなか甘い球が、何球も来るわけではない。来た球をしっかり打つために準備したいし、ストライク近辺のボール球を追わないように。残り1カ月は、我慢の打席が増えると思う」

 「ストライク近辺のボール球」の判定をしっかり行った上で、甘い球、確実に捉えられる球を見極めることが大事だと認識している。

 一方で「疑惑の判定」もますます、増えてきている。この日行われた6回の第3打席。フルカウントから相手右腕アレクシーが投じた6球目は、外角低めボールゾーンにも見える92マイル(約148キロ)の直球。自信を持って見送り、一塁に歩きかけた大谷は、ストライク判定に思わず右手を上げて「違う、違う」とジェスチャー、天を仰ぐシーンも。これには大谷の豪快な一発を期待する本拠地エンゼルスファンも大ブーイングとなった。

 これまでも審判団の辛めの判定には泣かされてきた大谷。ただ、今後はいかにこれらの「疑惑の判定」にまどわされずに甘い球を仕留められるかが、キングへの道を分けそうだ。


[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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