この度、国立大学法人神戸大学(以下、「神戸大学」)、国立大学法人信州大学(以下、「信州大学」)、カリモク家具株式会社(以下、「カリモク」)、株式会社Andeco(以下「Andeco」)は、広葉樹林を主体とする森林資源のデジタル管理、未利用材の流通サービス開発、実証実験などのノウハウを相互に共有して連携を図ることとし、放置広葉樹林(里山)の木材としての活用及び、流通促進を通じた未利用材の活用推進、森林荒廃の問題解決、輸入材の全面依存というリスク軽減へ向けて『国産広葉樹活用プロジェクト』、以下(「本プロジェクト」)を本日発足しました。
 なお、初年度は、神戸大学教授黒田慶子が里山植生及び木材利用の専門家としてプロジェクトリーダーに就任し、信州大学名誉教授浅野良晴が木材トレーサビリティ※1のテクニカルアドバイザーを務めます。なお、事務局はAndecoが務め、一般社団法人 社会実装推進センターより交付された「令和2年度 林業分野における新技術推進対策事業費補助金 森林づくりへの新技術導入・実証事業(異分野技術導入・実証)」を本プロジェクトの資金として充当するほか、HP上で情報発信を随時行ってまいります。

 第一回目の活動として、2021年9月29日に広葉樹の利活用を検討している事業者・自治体を対象とした公開ウェビナーの開催を予定しており、プロジェクト発足に伴う目的や今後の取り組み等を紹介します。

1. 設立の趣旨
 我が国における里山は、農林水産省の分類では天然林(天然生林)とされていますが、実際は、数百年以上も人が燃料等の資源として使ってきた「人が作った林」(二次林)です。日本には、多種多様な樹種が混在する広葉樹林が針葉樹人工林と同程度の広大な面積を構成しており、木材として利用可能なサイズと質の樹木を蓄積しています。しかし、これまで家屋の内装や家具用材の大半を輸入に頼ってきたことに加え、里山林は主に燃料として使われてきたことから、大木になった今も利用されずに放置、あるいは安価なパルプ材となっているという課題が浮き彫りになっています。また、近年は里山の荒廃が進む一方、輸入材の高騰への業界の不安があることから、国内の広葉樹を用材として積極的に使うことが重要視されており、それに賛同する企業や地方行政、森林組合も増加傾向にあります。
 
 これらのことから、今後の課題を、これまで流通してこなかった里山材を伐出し、適正な価格で販売することと捉え、我が国における広葉樹林管理や市場の課題について理解するとともに、広葉樹のもつ多様な用途開発と価値向上、また、ビジネスとしての利用促進を目指すため『国産広葉樹活用プロジェクト』を設立いたしました。
 ※1 木材(立木・原木・製材品)の単木管理を最終目標とした、製品・商品の履歴管理や追跡のための仕組み。

2.『国産広葉樹活用プロジェクト』の概要
名 称:国産広葉樹活用プロジェクト(英名:Japanese Hardwood Revival Project)
設 立 日:2021 年 9月 10日
目 的:国内における森林(広葉樹)の課題とビジネスでの利用促進に向けた価値向上を目指す

参加企業・大学団体:7社 (設立日 2021 年 9月 10 日現在、50 音順)
・株式会社Andeco
・カリモク家具株式会社
国立大学法人神戸大学
・一般社団法人 創造再生研究所 / SAKUWOOD
SHARE WOODS
国立大学法人信州大学
・ひだか南森林組合

主な活動内容:
1)持続可能な森林ビジネスにおける概念や解決すべき諸課題の抽出
2)国産広葉樹のビジネスでの利用促進に向けたデータの整備
3)国産広葉樹の活用に向けたビジネスマッチング
4)国産広葉樹の活用のための技術開発
5)上記に関する広報活動ならびに情報発信

『国産広葉樹活用プロジェクト』ホームページについて
URL : https://www.koyoju.jp/


<本件に関するお問い合わせ先>
里山広葉樹活用プロジェクト事務局
担当:西川・吉田
メール:koyoju@andeco.co.jp

配信元企業:株式会社Andeco

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