アメリカのヨセミテ公園に近いハイキングコースで、親子3人と飼い犬の遺体が発見された。遺体にはなんら外傷も見られず、転落や凍死は考えられない。鉱山特有の一酸化炭素中毒も起きていなかった。遺書がなかったことから自殺も考えられないという。
いったいこの家族に何が起きたのか?
調査を続けている警察や当局によると、一家の死因は高レベルの有害藻類に晒された可能性が高いという。『New York Post』などが報じている。
Toxic Algae Bloom Suspected in Death of Family in Yosemite
8月17日、カリフォルニア州ヨセミテ公園に近いシエラ国有林のハイキングコースで、ジョン・ゲリッシュさん(45歳)と妻のエレン・チャンさん(31歳)、2人の娘ミジュちゃん(1歳)、そして一家の飼い犬の遺体が発見された。
家族は、前日の16日に身内から行方不明届が出されており、捜索隊によってマーセド川近くで発見されたという。
遺体を調べたところ外傷はなく、遺書もなかった。
当初、事件として捜査を開始したLA州マリポサ郡警察は、近くの鉱山から発生する一酸化炭素による中毒死の可能性を疑った。
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だが調査の結果、一酸化炭素中毒ではないことがわかった。
では一体何が家族を死に追い詰めたのだろう?
After a California family mysterious died while hiking, authorities say toxic algae bloom may be to blame. https://t.co/xhUDCP0qdT
— ABC4 News (@abc4utah) August 24, 2021
一家の死因は有害藻類の可能性
死因の謎を探るため、遺体の検死が行われた。その結果、一家が高レベルの有害藻類「アオコ」に晒された可能性が高いことがわかった。
森林局では今年7月にマーセド川で有害藻類が発見されたことから、ハイキングに来る人々には川に入ったり、ペットに川の水を飲ませたりしないよう注意喚起を促していたそうだ。
遺体は、有毒藻類が発生している川から数km離れた場所にあったという。
イギリス人のジョンさんと妻のエレンさんは、生まれた娘のことを考え、静かな暮らしを求めて去年サンフランシスコからマリポサに引っ越して来たばかりだそうだ。
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森林局は、この悲劇的事件を受けて9月26日までハイキングコースと川沿いのキャンプ場を閉鎖することを発表。人や動物にとって有毒となるアオコの監視を続けていくと述べている。
とは言え、現段階でも一家の死因が完全に特定されたわけではない。
当局は「徹底調査には非常に長い時間と詳細を要する。いつ結果が出るかは未定」としており、引き続き調査を続行中ということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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