King & Prince神宮寺勇太が主演を務める舞台『葵上』『弱法師』が、11月に東京グローブ座、12月に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演されることが決まった。神宮寺は両作で舞台単独初主演を果たす。

【写真】『24時間テレビ44』制作発表会見に登場したKing & Prince

 両作は、全8編の短編戯曲から成る三島由紀夫の代表作『近代能楽集』所収の作品。小説家としての活動にとどまらず、劇作家としても『鹿鳴館』や『サド侯爵夫人』など数多くの作品を生み出し、早くから謡曲にも親しんできた三島が、能楽の自由な空間と時間の処理や、あらわな形而上学的主題などをそのまま現代に生かすためにシチュエーションを現代化したといわれる作品だ。能の物語を現代の設定へと落とし込みながら、現実世界を超越した能の奥深さが違和感なく融合する独特の世界観が、演劇的にも最大の魅力となっている。

 『葵上』は、『源氏物語』を原典に、能楽、そして近代劇へと移り変わりながらも時代を超えても変わることのない嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描き、三島自身が「一番気に入っている」と語る作品。『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が、いかに大人の世界に報復するかを軸に、滑稽にも見える両親とのやりとりと、主人公がこの世の終わりを語る長ゼリフ、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後のセリフが印象的な作品。この2作を宮田慶子の演出で連続上演する。

 主演の神宮寺は、『葵上』では美貌の青年・若林光役、『弱法師』では戦火で視力を失った20歳の青年・俊徳役という、これまで数々の名優たちが演じてきた役に挑む。共演は、2016年の『魔術』以来5年ぶりの舞台出演となる中山美穂。『葵上』では光のかつての恋人・六条康子を、『弱法師』では俊徳を救おうとする調停委員・桜間級子を演じる。

 さらに、『葵上』には、佐藤みゆき、金井菜々、『弱法師』には篠塚勝、木村靖司、加藤忍、渋谷はるかと、若手からベテランまで実力派キャストが結集した。

 舞台単独初主演となる神宮寺は「ストレートプレイに挑戦させて頂くのも初めてですし、色んなことが初めてづくしな作品になります。『葵上』と『弱法師』の2作品の役を演じる事は、決して簡単ではないと思いますが、この2つの作品を演じ切ることができた後に演じる事の楽しさや、表現の幅が広がっているように、全身全霊で稽古に臨みたいと思います!」と意気込みを語った。

 舞台『葵上』『弱法師』-「近代能楽集」より-は、東京グローブ座にて11月8~28日、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて12月1~5日上演。

舞台『葵上』『弱法師』出演キャスト