サイズを測ってぴったり収まるはずだったのに、入らなかった!そんな経験はないでしょうか?整理しようと収納グッズを買ったり、家具の買い替えの際などにありがちなことです。
ライフオーガナイザーでクローゼットオーガナイザーの資格も持つ片づけのプロ、森麻紀さんによると、その原因は採寸の仕方にあると言います。仕事の現場でも採寸する際に気をつけているポイントを教えてもらいました。
さらに、収納グッズや容器に記載されている、サイズの注意点も!ぜひ参考にしてください。
大事なのは有効開口寸法。実際に、搬入・使用している場面も想像して!
折れ戸タイプの多いクローゼットや納戸で見落としがちなのは、扉を開けたときの有効開口寸法。扉の厚み分を考えずに、収納スペース内の幅だけを測って満足してしまうと、いざ入れようと思ったときに、入らないこともありえます。
引き出しケースなどの場合は、扉を閉めた状態では問題なく収まっても、扉を開けて、中のものを取り出そうとしても、引き出せない!ということも。
それ以前に中に入らないというケースも。ピアノやベッドなどを搬入するときに、家の玄関ドアや階段などを細かくチェックするのと同じように、斜めにしても入らないかもしれないことも想定して、しっかりと採寸しておきましょう。
片開きの場合も、枠に引き出しが当たることもありますので、余裕を持って入れるようにしてください。
同様に、開き戸タイプの場合は、上下にキャッチ(扉を保持するための金具)がついていたり、左右にあるスライド丁番が出っ張っていたりするので、そちらもしっかり確認しておきましょう。
どれも写真で見ると気づきそうなポイントです。しかし、入れたい場所だけ測って満足してしまうことも、意外と多いもの。
収納スペースに限らず室内の場合だと、窓のことは考えていても、置こうと思った場所に、コンセントやスイッチがあることを忘れていた、という話も。
これは、実際に使用している様子まで想像すると、気づくことができます。
収納家具の本当の幅は、両サイドのポールの分を差し引いた寸法!
こちらの「スチールラック」は、幅60㎝タイプのものです。たとえばここに、ファイルボックスをずらりと並べようと思った場合、幅60㎝タイプだから、幅15㎝のファイルボックスが4個でピッタリ!と安易に買ってしまうと…大失敗!ということにもなりかねません。
なぜなら、実際にはこちらのスチールラックの幅(内寸)は54㎝しかないからです。両サイドにポール(支柱)があるため、4個のファイルボックスは置くことはできても、両端の2個はうまく引き出せないということになってしまいます。
サイズが親切に記載されているものでも、実際に置きたい場所の採寸はやはり欠かせないものです。
記載サイズにも要注意!実際に使うときのサイズと違うケースも
これは筆者の経験ですが、公式サイトでサイズを確認してから実店舗で買ったシャンプーボトルが、予定していた場所に置けなかったことがありました。疑問に思い測ってみたら、サイズ表記は19㎝でしたが、実際に使うときのサイズは24.5㎝。記載のサイズには、上のポンプ部分が入っていなかったのです。
筆者の経験上、商品サイズはだいたい最大サイズが記載されていることが多い印象でしたが、こちらの商品のように違う場合もあるもの。サイズ表記にも注意が必要です。
1㎜でも大きいと命取り!入れるものも収納場所も、余裕をもって採寸を
最近のメジャーは、100均の商品でもJIS1級相当の正確なものが多いですが、見づらい場所の場合、確認する角度によっては2~3㎜違うこともありえます。
たとえ1㎜でも「入らない!」と、命取りになってしまうので、筆者は入れるものも収納場所も、余裕をもって採寸するようにしています。
●教えてくれた人/森 麻紀さん
名古屋市在住のライフオーガナイザー。クローゼットオーガナイザーの資格も持つ。「自分にちょうどいい片づけ方」を実践しつつ、片づけに悩む人へのサポートを行う。Webメディアなどで片づけに関する執筆も
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