現在、ロシア・サンクトペテルブルク地区では熱い選挙戦が繰り広げられているが、3人の立候補者の間で奇妙なドッペルゲンガー現象が発生しているという。
ドッペルゲンガー現象は自分とそっくりの姿をした分身を意味するが、この場合、作られたドッペルゲンガーだ。
2名の候補者が、もう1人の対立候補者の名前に故意に改名したため、同姓同名の立候補者が3名存在する。更に外見までも真似られており、その状況が有権者らを困惑させているという。
【画像】 自分の名前と外見を2名の対戦相手に真似られた立候補者
Poor voters! Three lookalike candidates with same name are on this election ballot paper in Russia
ボリス・ヴィシュネフスキーさんは、ロシア統一民主党「ヤブロコ」の上級メンバーとして、サンクトペテルブルクで行われる選挙で市の役職に立候補している野党の政治家だ。
そして現在、対戦相手との奇妙なドッペルゲンガー現象で地元メディアと有権者らの注目を集めている。
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ロシアでは、選挙立候補者の苗字や名前が他の候補者と同じという偶然はよくあるそうだ。
しかし今回の選挙では、ボリスさんの対戦相手2名が故意にボリスさんと同姓同名に変更し、更に外見までも真似されているという。
地区投票ポスターを見る限り、ボリスさんと2名の候補者の見た目が非常に似ているのだ。
3人の立候補者が並んだそのポスターには、ネクタイを締めた本物のボリスさんが向かって右にいる。
後の2人は画像加工なのかどうかはわからないが、額が大きく禿げ上がった薄い髪とそのヘアスタイルや、白髪交じりの髭が3人とも非常に共通している。
よく見れば別人だとわかるのだが、同姓同名でよく似た雰囲気の立候補者なだけに、どうやら有権者は非常に困惑しているようだ。
対戦相手を陥れるロシアの選挙戦略法
2人の対戦相手が、自分と同じ名前に変更し、しかも見た目まで似せたという事実に驚きを隠せないボリスさんは、メディアの取材でこのように語っている。
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正直、ロシアでは選挙期間中、対戦相手に嫌がらせ的な戦略を示すことは決して珍しくはありません。
ですが、こんなふうにフルネームを変えて本物と偽物を混同させ、誰に投票していいのかわからないように仕向けるという手口は初めてです。
対戦相手の2人の本当の名は、以前はヴィクトル・ビコフとアレクセイ・シュメレフだったようです。
有権者が、困惑して他の2人に多く投票すれば、彼らが勝つ可能性だってあるわけです。
彼らが無料で名前や見た目を変えることに同意したとは思えません。これは政治的詐欺です。
ロシアでは立候補者の改名は合法
敵の戦術に不快感と呆れを隠せない本物のボリスさんだが、ロシアの法律によると、選挙の数か月前であっても、立候補者が敵の名に名前を変更することは完全に合法だそうだ。
この1件についてロシア中央選挙委員会は、ドッペルゲンガー候補者2名を批判したものの、選挙候補リストからは削除しない意向であることを発表。
果たして、選挙投票日はどのような結果となるのか、ちょっぴり気になるところだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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