2021-22シーズンのヨーロッパリーグ(EL)・グループステージが16日に開幕する。昨シーズンと同様、優勝チームに翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権が与えられるELに、今シーズンは7人の日本人選手がグループステージから参加。また、ナポリラツィオレスター・シティといった強豪も出場する。

ここでは、注目クラブや日本人選手の所属するチームを中心にグループステージを展望していきたい。

◆メガクラブ不在も強豪が参戦

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ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)の創設によって、前シーズンの48チーム制から32チーム制に変更となった、今季のグループステージ。メガクラブは不在も、コンペティション自体のレベルは上がった印象だ。

そういった中、現時点での優勝候補はナポリラツィオイタリア勢、レスター・シティ、ウェストハムのイングランド勢、レバークーゼンリヨンマルセイユといった5大リーグ所属クラブ。

今季からスパレッティ、サッリと国内屈指の戦術家を新指揮官に据えたナポリラツィオは、今夏のメルカートでも適材適所の補強を行っており、チーム状態は良好。ナポリユベントスを破るなど、セリエA開幕3連勝を飾り、ラツィオも直近の試合でミランに敗れたものの、サッリ監督の志向する支配的なスタイルとエースFWインモービレら現有戦力のストロングを組み合わせた魅力的なアタッキングフットボールの一端を早くも披露している。共にグループステージではタフな相手との対戦が続くが、現時点では有力な優勝候補と言える。

そのナポリと同じグループCに入ったレスターも有力な優勝候補だ。昨季のプレミアリーグでは終盤の失速によってCL出場権獲得を逃したが、チェルシーマンチェスター・シティを破ってFAカップ、コミュニティ・シールドのタイトルを獲得するなど、メガクラブに比肩する実力を持つ。昨季は選手層に不安を抱えていたが、今夏の移籍市場ではDFヴェステルゴーアやDFバートランド、MFスマレ、FWダカと各ポジションに的確補強を敢行している。

同じプレミア勢のウェストハムもモイーズ監督の下で攻守にプレー強度が高いアグレッシブフットボールで、今季は更なる躍進の気配を漂わす。今や絶対的なエースとなったFWアントニオバックアップ不在は気がかりも、二足の草鞋を履いてもブレないスカッドを構築している。

その他では攻撃に特長を持つレバークーゼンマルセイユに、攻守のバランスの良さと新戦力のフィット次第で大きな伸びしろを持つリヨンといったクラブにも注目したい。

◆2つのグループで日本人対決実現!
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今シーズンのELグループステージでは、7人の日本人選手がプレーすることになる。

グループDではMF長谷部誠、MF鎌田大地を擁するフランクフルト(ドイツ)と、MF三好康児を擁するアントワープ(ベルギー)が、オリンピアコス(ギリシャ)とフェネルバフチェ(トルコ)という強豪2クラブと同居することに。

グラスナー新体制で公式戦2敗3分けの未勝利と厳しい船出となったフランクフルト。その中で副将を務める長谷部ドルトムントとのリーグ開幕戦でゲームキャプテンを務めたが、直近は2試合連続で出場機会なしに終わるなど、序列が低下。一方、今夏のステップアップが噂されながらも最終的に残留となった鎌田はここまでリーグ戦3試合に先発しているものの、昨シーズンの本調子からは程遠い状況。チームとしての優先度はブンデスリーガの方が高いが、激戦区を勝ち抜く上では長谷部の豊富な経験と鎌田の創造性が重要だ。まずはホームで戦うフェネルバフチェとの初戦で新体制初白星を挙げて今後の巻き返しのキッカケとしたい

アントワープで3年目を迎える三好は今回のEL予選プレーオフで2試合連続ゴールに、本大会行きを懸けたPK戦でも4人目のキッカーとしてきっちり成功し、突破の立役者となった。さらに、リーグ戦でも主力として起用されており、今グループステージでの活躍に大きな期待が懸かる。昨シーズンはトッテナムレンジャーズという強豪との対戦を経験しており、難敵相手にも臆せず戦えるはずだ。

また、グループHではFW伊東純也を擁するヘンク(ベルギー)と、FW北川航也を擁するラピド・ウィーン(オーストリア)が、ウェストハム(イングランド)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)と同居する激戦区に入った。

昨季の公式戦42試合で12ゴール16アシストと圧巻の数字を残し、今やヘンクの攻撃をけん引する伊東は、今季ここまでも主力として活躍。スペインイングランドへの移籍を希望していると伝えられる中、プレミアリーグの強豪ウェストハムとの一戦は自身にとって大きなアピールの場となるはずだ。

ラピド・ウィーン在籍3年目も未だに前線のバックアッパーの域を出ない正念場の北川。今季も公式戦6試合に出場しているものの、先発出場はゼロ。今グループステージでもプレータイムは限られるが、少ないチャンスを確実にモノにしたい。

今夏のセルティック(スコットランド)加入後、センセーショナルな活躍で一躍イギリス国内で知名度を上げるFW古橋亨梧は、レバークーゼン(ドイツ)、ベティス(スペイン)フェレンツヴァローシュ(ハンガリー)と強豪揃いのグループGに入った。今月のインターナショナルマッチウィークの負傷により、グループステージ序盤数試合を欠場する見込みだが、戦列復帰後は再びゴールラッシュをみせ、チームを決勝トーナメントに導く活躍が期待される。

最後に、今夏の退団が有力視されながらも最終的にPSV(オランダ)に残留することになったMF堂安律は、モナコ(フランス)、レアル・ソシエダ(スペイン)、シュトゥルム・グラーツ(オーストリア)と同じグループBに入った。今季初出場となった直近のAZ戦ではボックス外から見事な左足のミドルシュートを突き刺すゴラッソでポジション奪取に向けた最高のアピールを見せており、出場機会増が期待されるところだ。

グループA
リヨン(フランス)
レンジャーズ(スコットランド)
スパルタプラハ(チェコ)
ブレンビー(デンマーク)

グループB
モナコ(フランス)
PSV(オランダ)※堂安律
レアル・ソシエダ(スペイン)
シュトゥルム・グラーツ(オーストリア)

グループC
ナポリ(イタリア)
レスター・シティ(イングランド)
スパルタク・モスクワ(ロシア)
レギア・ワルシャワ(ポーランド)

【グループD】
オリンピアコス(ギリシャ)
フランクフルト(ドイツ)※長谷部誠鎌田大地
フェネルバフチェ(トルコ)
アントワープ(ベルギー)※三好康児

【グループE】
ラツィオ(イタリア)
ロコモティフ・モスクワ(ロシア)
マルセイユ(フランス)
ガラタサライ(トルコ)

【グループF】
ブラガ(ポルトガル)
ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)
ルドゴレツ(ブルガリア)
ミッティラン(デンマーク)

【グループG】
レバークーゼン(ドイツ)
セルティック(スコットランド)※古橋亨梧
ベティス(スペイン)
フェレンツヴァローシュ(ハンガリー)

【グループH】
ディナモ・ザグレブ(クロアチア)
ヘンク(ベルギー)※伊東純也
ウェストハム(イングランド)
ラピド・ウィーン(オーストリア)※北川航也

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