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 アメリカでは日本より早くコロナワクチン接種が始まったのだが、2回接種した人の割合は54.6%(9月15日)となっており、接種ペースが鈍化している。

 その背景には、アメリカが抱える政治、宗教的な問題と、ワクチンに関する誤った情報の拡散が影響しているようだ。

 新たに発表された世論調査によると、ワクチン接種を受けたアメリカ人の7人に1人が、接種を拒否した友人との縁を切ったという。

 図らずも新型コロナは考え方の違いを浮き彫りにし、真の友人と、必要ない友人を選択するある種の踏み台となったようだ。

【画像】 アメリカ人のワクチン接種者の7人に1人が接種拒否の友人と別れた

 アメリカではデルタ変異株の影響で、未接種者の間でのパンデミックが起きているのは明らかになっているが、それでも、ワクチン接種を拒否するする選択をする者は多い。

 調査会社『OnePoll』は、無作為に抽出した1,000人のアメリカ人を対象に、9月2日にオンラインでアンケート調査を実施した。

 その調査結果によると、新型コロナウイルスの流行が始まった2020年3月の以来、回答者の16%が少なくとも3人の友人と別れたという。

 また、友情を終わらせた人々のうちのワクチン接種者の14%がワクチン接種を拒否した友人と縁を切ったことがわかったという。つまり約7人に1人がワクチンを拒否した友人と縁を切ったということになるそうだ。

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ワクチン接種者が接種拒否者と縁を切った理由

 ワクチン接種をした回答者の大多数(97%)は、ワクチン拒否の友人と縁を切った理由について、元友人たちは、自分だけでなく、他の人の命を救う為のワクチン接種の重要性を理解しておらず、どんなに科学的根拠に基づいた説明をしても、納得してもらえなかったと答えている。

 接種者は、彼らの元友人が、COVIDワクチンには効果がないと思い込み、拡散されているデマ情報ばかり信じており、本格的な反ワクチン主義者になってしまったことに失望したという。

ワクチン未接種者が、接種しない理由

 また、世論調査に参加したワクチン未接種者に、接種しない理由を聞いたところ、「潜在的な副反応が怖い」、「自分は健康である」、「ワクチンに不信感を持っている」といった回答があげられた。

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 他には、コロナパンデミック中に友人と別れた理由として、政治的見解の違い(16%)、元カレ・元カノと体の関係を持った(15%)、自分について嘘の噂を広めた(12%)などが上げられた。

正しい情報の収集と、情報のアップデートを

 ワクチンを打ったからといって必ずしも感染しないわけではない。ただし未接種者よりも感染率は下がり、重症率も抑えられることがわかっている。

 さらに、ワクチンによる副反応よりも実際にコロナに感染した時のリスクの方が大きいこともわかっている。

 どんな薬にも100%の安全は保障されないが、感染性の病気の場合、自らが接種することで、接種を受けたくても受けられない他者を感染から守る意味合いもある。

 ワクチンの接種は今のところ強制ではなく、自分の意志で決めることができるが、自由には責任が伴う。判断を下す前に自分が信じている情報の信ぴょう性を確認し、正しい情報に触れる必要がある。

 さらにコロナウイルスのような変異性のある新たな疫病の場合、情報は絶えずアップデートされるため、最新の情報を確認しなければならない。

 自分が信じているものが「実際には違う」という可能性は常にあるものだ。新しい情報に触れることは、自分の考えを確認する大切な役割を果たす。

 国家機関で発表している情報や、世界的に権威のある研究機関の情報などは常にアップデートされていくので、目を通した方が良いだろう。

 ちなみに以下のデータは、厚生労働省9月7日に発表した、新型コロナワクチン(mRNAワクチン)で出回っている誤情報をまとめたものだ。

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References:Vaccinated Americans call it quits with friends who refuse to get the COVID-19 shot - OnePoll Research / written by / parumo

 
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コロナワクチン接種を受けたアメリカ人の7人に1人が、接種を拒否した友人と縁を切ったと回答(世論調査)