東京・池袋で母子2人が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた飯塚幸三氏(90)が期日までに控訴せず、禁錮5年の判決が確定したと報じられている。

今後刑務所に収容される。在宅のまま起訴されたため、まずは近く検察庁に出頭することになりそうだ。

一方で、高齢などの場合は、刑の執行が停止になるケースもあるため、刑確定後も引き続き注目されている。

刑の執行停止規定

刑事訴訟法482条では、刑の執行によって、著しく健康を害するとき(1号)や年齢70年以上であるとき(2号)などは、検察官の指揮で刑の執行を止めることができるとされている。

法務省訓令の執行事務規程によると、本人や弁護士などの関係人らが、執行停止について検察官に上申し、検察官がその是非を審査するという流れがある(規定31条)。

飯塚氏については、年齢に加えて、歩行が困難であることや難病にかかっていることが報道されており、これらの要件に当てはまる可能性がある。ただし、飯塚氏自身は「収監を受け入れる」と話していると伝えられている。 

刑務所に直行とはならない

仮に刑務所に入るとしても、今日すぐにということではないようだ。

刑事訴訟法471条は、裁判の執行力について、確定後の執行としている。しかし、法務省刑事局によると確定から執行までの具体的な期間は決まっていないという。つまり、いつまでに刑務所に入らなくてはならないという決まりはない。

飯塚氏は在宅事件だったため、禁錮刑の確定を受けて、検察官が呼び出すことになる(刑訴法484条)。呼び出しは書面でおこない、出頭したのちに刑事施設の長に引き渡す(執行事務規程18条2項)。

書面はすぐに届くわけではなく、判決確定後1~2週間後くらいになることがあるようだ。ただし、仮に刑務所に入るとしても、新型コロナウイルス感染症の関係もあり、諸々の調整に時間がかかる可能性もある。

なお、一般論として交通事故犯はいわゆる「交通刑務所」に入ることが多いが、必ずしもそういう決まりがあるわけではなく、一般的な刑務所に入ることもあるという。

他の受刑者が「高齢者の介助」をすることも

飯塚氏が入所した場合、「懲役刑」ではなく「禁錮刑」なので、刑務作業は生じない。ただし、本人が請願すればその限りではない。

高齢であることや歩行が困難であることから、他の受刑者から介助を受ける可能性もある。たとえば、ホリエモンこと堀江貴文氏は刑務所時代、高齢者の介助の仕事をしていたとメディアで語っている。

刑務所に入ったあとでも、刑事施設の長の上申などによって刑が執行停止になることはある。ただし、犯罪白書によると令和元年の刑の執行停止は17件なので多くはないようだ。専門的な治療を受けられる医療刑務所も存在する。なお、制度上は、刑期の3分の1を終えると仮釈放の可能性はある。

池袋暴走、90歳飯塚氏の実刑確定 収監されるのはいつ?