ウェブ漫画を連載していたところ、突然、打ち切りになり、それどころか、すでに納品していた分の原稿料すら払ってもらえなかった――。ある女性漫画家9月16日、都内の記者会見で、オンラインで音声をつなぎ、このような実態を明かした。

フリーランス労働組合が「解約規制」を求めている

この会見は、新聞や出版、放送、音楽などの業界で働くフリーランス労働組合でつくるネットワークMICフリーランス連絡会」によるもの。東京・霞が関厚労省記者クラブで開かれた。

MICフリーランス連絡会はこの日、フリーランスが安心して働けるよう、国が今年3月に示したガイドラインに「解約規制」を盛り込むことをもとめて、内閣官房公正取引委員会中小企業庁、厚労省に要請書を提出した。

一般に、企業とフリーランスの間では、契約が結ばれているが、企業の都合で、一方的に中途解約・不更新となることがある。しかし、フリーランスの立場が弱いために泣き寝入りせざるをえないケースも少なくない。

MICフリーランス連絡会によると、労働組合に寄せられる相談では、フリーランスと企業が結んだ契約をめぐる中途解約や不更新に関するものが、報酬の不払いに次いで多くなっているという。

現行のガイドラインでも、一方的な発注中止に関して触れているが、さらに、中途解約や不更新には「正当な理由」を必要とすることや、企業側が事前通告なく解約する場合の補償を定めることなどを盛り込むことを要望している。

「事前の通告なく、突然打ち切られた」

冒頭の漫画家(以下、Aさん)の場合、ウェブで、恋愛マンガを連載していたが、あと数話で完結というところで、突然、打ち切られたというケースだった。

その理由は「売上不振」というものだったが、出版社側は、すでにAさんが納品していた分の原稿料を支払ってくれなかったという。

売上不振に責任を感じつつも、Aさんは「納品前に教えてもらえたら、原稿料が出ず、掲載されない原稿に手を付けることはなかったが、納品したあとに打ち切りを通告された」と話す。

Aさんによると、最近では改善もされてきているが、業界の一部では、出版社と漫画家が、対等な関係を築けておらず、こうしたケースが"横行している"という。

Aさんは「フリーランスにも身を守れる盾をもたせてほしい」とうったえていた。

「身を守れる盾がほしい」 フリーランスの労組、企業による突然の「中途解約」に規制もとめる