カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 猫を何匹も飼ったことがある人なら知っているだろう。猫によって個体差があることを。みんな違ってみんな味わい深いわけだが、猫の性格や行動特性は大きく7つに分類することができるのだそうだ。

 ヘルシンキ大学の研究者らは、猫の性格と行動特性を調査するための新しい包括的な調査方法を開発した。

 26の品種、約4,300匹以上の猫のデータを分析したところ、7つの性格と行動特性が明らかとなった。7つの組み合わせでその猫の個性が決まる。また、品種特有の性格や行動特性が見られたという。

【画像】 猫の性格を探れ!大規模な調査を実施

 人間の場合、「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる性格特性の組み合わせから人格を診断する方法があるが、猫の性格は7つの性格と行動特性の組み合わせで個性を把握することができるという。

 研究を行ったフィンランド、ヘルシンキ大学の獣医学者サラ・ミッコラ氏は、「犬に比べると、猫の行動や性格はあまり知られていません」と語る。

 「猫の問題行動を解消し、もっと幸せになってもらうため」に、彼らの性格や特性をきちんと知っておく必要があるのだそうだ。

 猫の7つの特性は、26の品種、4316匹の猫の飼い主に回答してもらった138問のアンケート結果をもとに割り出されたものだ。

 アンケートに各自の自宅で行われた。自宅でないと猫が普段通りの振る舞いをしてくれないからだ。

[もっと知りたい!→]あなたは犬人間?猫人間?6つの質問に答えるだけで簡単にわかる犬猫属性診断テスト

 更にアンケートは、時間をおいて2度行われている。これは回答が正確なものか判断するためのもの。これによって明らかになった記入漏れや記入ミスなどを除いた結果、最終的に4316匹分のデータが分析された。

1_e7

image credit:Compilded by Milla Salonen from photos of Heikki Siltala (catza.net/fi)

猫は7つの性格・行動特性の組み合わせで決まる

 『Animals』(21年7月2日付)に掲載されたその結果によると、猫には次の7つの特性に分類できるという。

 正確には、5つの性格のいずれか(重複あり)と2つの行動(重複あり)の組み合わせによって決まるのだそうだ。

5つの性格
・活発 / 遊び好き
・怖がり(臆病)
・人間への攻撃性
・人間との社交性
・猫との社交性
2つの行動特性
・トイレ嫌い(猫トイレを嫌う、使い方が下手など)
・過剰な毛づくろい(グルーミング)
3

品種特有の性格の違い

 こうした分析の結果、猫は品種特有の性格を持つ傾向があることがわかった。もちろんその中でも個体差があるのは言うまでもない。

アビシニアンは猫の中で最も怖いもの知らず
ロシアンブルーは最も臆病
・ベンガルは最も活発
・ペルシャとエキゾチックは最も大人しい
シャムとバリニーズは過度な毛づくろいをしがち
・アメリカン・カールはあまり身だしなみを気にしない
・コラットはトイレがちょっと下手
・ターキッシュバンは人間に攻撃的で他の猫が苦手
オリエンタルは猫界一の社交上手
2

猫の性格を知ることで猫とわかりあえるように

 この研究は飼い主さんの回答に基づくもので、それが本当かどうか確認していないという弱点があるものの、全体としては猫の特徴を理解するツールとして有効だろうとのこと。

 今回のデータは、猫にはどのような性格があるのか大まかな全体像を示しているとともに、今後の研究の基礎にもなるそうだ。

 ちなみにうちの”けも”(アメリカンカール)は確かに毛づくろいがあまり好きじゃないようで、猫なのに犬のようなニオイがするな。性格は遊び好きで他の猫に社交的。一方”もも”は怖がりで臆病、人間に対しての警戒心が半端ないな。

References:Seven personality and behaviour traits identified in cats | University of Helsinki / written by hiroching / edited by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

みんな違ってみんな猫。猫は7つの性格と行動特性の組み合わせで個性がわかれる