社会人になりたてのころはどうしてもお金を節約しがち。せっかく自分で稼げるようになったお金は大事に使いたいという本音は当然ありますよね。入社3年目を迎えた、食品メーカーで事務として働く塩野康子さん(仮名・23歳)もかなりの倹約家のひとりです。

会計 節約
イメージです(以下同じ)
 塩野さんは、入社と同時に会社近辺で一人暮らしを始めました。給与もそこまで多いわけではなく、貯金に苦心していたといいます。

旅先でパーっと使いたい。交通手段は格安で

「ついつい同期に誘われて外食に行ったり、自炊しても食材にコストがかかったり……。まあ慣れの問題なんでしょうけど。節約しているつもりでも、お金はどんどんなくなりますね」

 そんななか、秋口の3連休で、大学の友人と旅行に行く予定を立てていました。各地に住む友人たちと神戸で合流するために、東京から大阪に向かう格安バスを予約。旅先では旅館や食事、お土産も節約せずにパーッと楽しみたいと考えていたようです

「身体的にも疲れるので、本当は新幹線で向かいたかったんですが、やっぱり出費が気になるじゃないですか。そこで安価で便も多く出ている夜行バスを選んだんです。神戸までは電車で行くとしてもかなり節約できると思って」

最安値で予約した格安長距離バス

長距離バス

 格安の長距離バスは今やかなり多くの便が出ているので、出発地も、時間もたくさんの選択肢から選べます。そんななかでも最も安い便を予約した塩野さんですが……。

「旅行に備えてしっかりバスの車中で眠る予定だったんです。でも、バスが想像以上に狭くて隣にも前後にもぎゅうぎゅうな満席状態でした。座席も倒せないし、全然眠れなかったです。それに、誰かが何か食べていたのかニオイも凄くて」

 せっかくの息抜きのための旅行なのに、テンションが下がることばかりで最悪な旅のはじまりになってしまいました。

渋滞で2時間近くの遅延という悲劇…

格安バス

 そして、さらなる悲劇として、休暇の前だったということもあり、明け方頃にはすでに道が混みだしてしまいました。そんな道路の渋滞により、まもなく到着と思いきや遅延が発生。予定よりも2時間近く遅れて到着するはめに。

「何となく想定はしていましたが、ここまで渋滞するとは思いもしませんでした、まさか2時間も。安さだけを求めて、そこまで考えてなかった私の責任でもあるんですけどね」

 大阪に着いた時には集合時間に遅れており、塩野さん以外の友人メンバーは集まっていました。このままだと自分待ちのせいでせっかくみんなと予定していたプランが台無しに! と思った塩野さんは、新大阪まで移動して、新神戸まで新幹線を使うことに

わずか数十分の移動に新幹線を

正直、関西の土地勘が分からなかったこともありますが、1分でも早く合流したいと思い、新幹線を使いました。とにかく急がなければと必死で……」

 大阪駅から神戸駅まではJRの快速線で30分ほど、料金は410円くらいで向かえます。一方で大阪駅から新大阪駅まで移動して新幹線新神戸駅に向かい、そこから神戸駅に向かうと、新幹線間は10分ちょっとですが、乗り継ぎなどを考えると実質時間的な誤差はありません。

「せっかく高速バスで節約したのに、予想外に追加で交通費がかかってしまいショックでした。しかも、細かい乗り継ぎなどで時間もかかり、結局かかった時間はトントンでしたし。最初から移動費をケチるのではなく、お金をかけてでも余裕を持ったプランにしておけば良かった……」

安物買いの銭失いはサービスのシーンでも

新幹線

 安いサービスを利用して損をしてしまうケースはよくある話です。旅行のツアーで保証がついてなかったり、飛行機や宿の予約でキャンセル料が多く発生したり……。

「それからというもの、ちゃんとお金を使うところには使うべきだと考えるようになりました。大切なのは『金より時間だ』と強く意識しています」

 そう語る塩野さん。楽しい旅行を確実に失敗なく楽しむためにも、お金のかけ方は裏の裏を読んで意識したいところです。

TEXT/萩ゆう イラストパウロタスク(@paultaskart)>

-[若者の「安物買いの銭失い」体験談]-

【萩ゆう】

住むところは中国地方や関西など、全国各地を転々と暮らすWebライター。温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソン3時間ギリの記録をもつ