自閉症(自閉スペクトラム症)を患い言葉を話さないティムくん(Tim、8)は、父親と共に訪れたスーパーマーケットで大好きなビスケットが陳列されていくのを興味津々に見ていた。それに気付いた男性スタッフの寛大で素晴らしい対応が、大きな称賛を呼んでいる。『7NEWS』などが伝えた。

ロックダウン中の豪ビクトリア州カーディニア・レイクスにある大手スーパーマーケット「コールス(Coles)」にて、同店舗スタッフが自閉症の男児に見せた心温まる行動に称賛の声が寄せられている。

9月9日の朝、自閉症の息子ティムくんを連れて父親のデイブ・ギャンブルさん(Dave Gamble)は近所のスーパーマーケット買い物に来ていた。8月5日よりロックダウンが続いている豪ビクトリア州だが、生活必需品や食料調達のための外出などは認められている。

父親と一緒にいたティムくんだが、大好きなビスケットを陳列する男性スタッフを見つけると、興味深げに彼のそばへと近づいて行った。

そんなティムくんの視線に気付いた男性スタッフのシェーンさん(Shane)は仕事の手を止めると、商品を見せてあげたり、一緒に商品を棚に並べさせてくれたりと5分間ほどティムくんと交流してくれたそうだ。

そして10分後、数列先の通路で買い物を続けていたデイブさんとティムくんのもとに、再びシェーンさんが現れた。するとその手にはチョコレートの箱が握られており、ティムくんに「素晴らしいお手伝いだったよ」と言ってプレゼントしてくれたのだ。

デイブさんはチョコレートを受け取った際のティムくんの反応を、このように明かしている。

「ティムはチョコレートが大好きなんです。あまり言葉を話しませんが、『チョコ・オ・レイト』という3音節の音を何度も興奮して言っていました。」
「この男性スタッフがその場から去る時、ティムは彼に駆け寄りハグをしました。」

シェーンさんの優しさに溢れた対応に感動したデイブさんは、「コールスの従業員たちとその上司に、彼が良い人だということを知ってもらいたい」とコールスのFacebook公式ページに以下のような感謝の言葉を綴った。

「こんにちは、コールスさん! 今朝、カーディニア・レイクス店で出会った素晴らしいスタッフに感謝を述べるよ。」
「息子は今、ロックダウンのために外に出て人と接することが少なくて、出たとしてもなかなか難しいんですが…。(今朝の出来事は)ちょっとした交流になったし、この驚くほど寛大な対応が息子の一日を素晴らしいものにしてくれたんだ。」
「あなたの店舗のスタッフがこんなにも素晴らしい人であるということに、ぜひとも気付いてください。ありがとう!」

このデイブさんの投稿はすぐさま反響を呼び、コメント欄には店舗のスタッフに向けて以下のような賛辞と称賛の声が相次いで寄せられた。

「この少年の笑顔に心が溶かされたわ。なんて素敵な話なの。」
「素晴らしい! コールスはすぐさま、この店員の給料を上げて、彼がどこかよそに行かないように繋ぎ止めておくべきだ!」
「人への信頼を取り戻せた気がするよ。」
「私にも自閉症の息子が2人いるけど、このロックダウンは彼らにとって本当にきついものよ。こんな素晴らしいお話を共有してくれてありがとう。」

デイブさんの感謝の言葉を受けて、コールスの広報担当者は「大変喜ばしく思っております」「私たちは、お客様とチームメンバーが快適に買い物ができる環境を作ることで、お客様のさまざまなニーズに応える方法を常に考えています」とコールスのポリシーを明かした。

またそれを叶えるための具体的な取り組みについて、このように続けている。

「コールスは“静かな時間(Quiet Hour)”を最初に導入した大型スーパーマーケットです。これは騒音や照明、気が散るものを減らすなど、店内の環境を変えることで感覚が過敏になった状態で買い物をすることに困難を感じているお客様への対応でもあります。」
「我々のチームのメンバーがお客様に特別な買い物の時間を提供しているという話を耳にするのは、大変喜ばしいものです。ご両親がカーディニア・レイクス店のスタッフたちの良い点を認めてくださり、このように時間を割いてくださったことに感謝を申し上げます。」

画像は『Dave Gamble 2021年9月9日付Facebook「Hey Coles!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE

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