巨人は18日のヤクルト戦(東京ドーム)に6―6の引き分け。キャプテン坂本の2試合連続となる16号ソロ、中島の6号、代打で出た北村の4号などの一発攻勢もあり、最大4点差を追いつき、執念のドローに持ち込んだ。一方で9月に入ってからは今だ3勝で連勝なし。目指す逆転Vには大型連勝が欠かせないとあって、「2つの壁」が指摘されている。

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 勝ちきれない。序盤の悪い流れを盛り返したのは良かったがドローが精一杯だった。先発メルセデスが5回を持たず、7安打3四死球5失点の乱調が響いた。最近は先発陣の早期降板が目立つが、一つ目の壁としては「先頭打者を出さない」ことが挙げられる。

 「この日のメルセデスもそうですが、毎回先頭打者を出すとどうしてもリズムが悪くなる。打たれまいと思って小林も慎重にリードした面もあるでしょうが、結局は球数を増やし、早期降板にもつながっていく」(球界関係者)。

 17日の同カードも2~8回まで先頭打者の出塁を許した。守りの時間が長くなるとどうしても攻撃のリズムにもつながりにくくなるとあって、先発陣の奮起が求められる。

 次のポイントは「良い流れを持続する」ことも大事だ。9月に入ってから今だ3勝と苦しむチームには「大量点を取った次の試合で点を取れない、勝ちきれないことが続いている。去年までのチームだったら、そういった節目の試合は必ず取ってきた。そこで流れを作って再度盛り返すのがパターンだったが、そこで苦しんでいる」(同)。

 象徴とされるのは9日のDeNA戦(横浜スタジアム)だ。初回にオースティン、宮崎の2打席連続本塁打を浴びて3点を失うも、2―5の9回に抑えの三嶋を攻めたて、吉川、岡本和、丸の適時打で5―5の同点に持ち込んだ試合。同試合では不振の丸が26打席ぶりに安打をマークしたことも話題となった。

 劇的な試合の翌日に反撃ムードを高めたいところだったが、翌10日の中日戦(東京ドーム)は1―10の大敗。先発の高橋が1番・京田に先頭打者弾を浴びるなど、試合を作れず。打線も相手エース・大野雄に沈黙となった。

 さらに15日のDeNA戦(東京ドーム)でも2点を追う9回に代打・八百坂の移籍後初安打で1点差に迫ると、最後は4番・岡本の犠飛で7―6の逆転に持ち込んだ。しかし次の試合となった17日のヤクルト戦(東京)を2―8と敗れるなど、波に乗れない状況が続いている。この状況を打開するのは簡単ではないが、一ついわれているのは「チームが苦戦しているときはラッキーボーイの存在も大事。たとえば15日のDeNA戦でヒーローとなった八百坂を継続して使うとか。何か流れを変えるために、きっかけはほしいですね」(同)。

 19日の阪神戦の先発はエース・菅野。甲子園での前回5日の試合は、5回までに6―0と大量リードを奪いながら、途中でキャプテンの坂本を交代させたことで起きた守乱なども響き、6―6と追いつかれたゲーム。原監督も試合後、自身の用兵の失敗を認めたが、この試合から流れが悪くなったともいわれている。悪い流れを断ち切る、エースの一発快投を期待したい。


[文/構成:ココカラネクスト編集部]

原巨人 9月に入って未だ連勝なし 越えるべき「2つの壁」とは