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 ロシアで奇妙な事件が起きた。ある夫婦は共同で遺体の冷凍保存施設を経営していたのだが、その運営を巡って夫婦は争い、っていた。

 結局夫婦は離婚し、元妻は自身の研究所を立ち上げることに。そこで夫の研究所に冷凍保存されていた人間の遺体や脳、ペットの犬猫の遺体を盗み出したのだ。

 元夫が警察に通報したことで明るみとなった。ロシアの技術ウェブサイト『Rubase』によると、警察の調査に対し妻は「研究所のCEOは自分であり、所有者としての権利がある」と主張。

 だが、しかし、冷凍保存されてあった遺体や脳は、運び出された際に損傷した可能性があるとして懸念されているという。

【画像】 冷凍保存施設の遺体を盗み出し、元夫から訴えられた元妻

 ヴァレリア・ウダロワ(59歳)は、ロシアモスクワ地域にある冷凍保存施設に保管されてあった冷凍保存の遺体や脳を持ち出したとして、元夫のダニラ・メドベージェフ(41歳)から告発された。

 もともとヴァレリアとダニラが共同で設立し運営していた「 KrioRus」と呼ばれる研究所は、ロシアを代表する冷凍保存施設として知られていたという。

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 ここでは人体、ペットDNAサンプルの凍結保存が行われており、海外からの遺体も複数保管しており、人間の遺体が81体、ペットだった犬猫の亡骸47体が、巨大な真空断熱タンクに冷凍保存されていた。

 ヴァレリアは、この研究所でCEO(最高経営責任者)を務めており、冷凍保存を望む約500人の人々との間に契約を済ませていたが、夫ダニラさんとの間で極低温の取り扱いに意見の異なりが生じ始めた頃、2人の関係が悪化し離婚した。

 間もなく、ヴァレリアは2019年11月にトヴェリ地域でOpen Cryonicsという新会社を設立し、個人事業主として登録した。

 その結果、元夫のダニラはヴァレリアに対し複数の訴訟を起こし、ヴァレリアはこれに対立するための優位な作戦を実施しようとしていたようだ。

 ヴァレリアは、自分の新会社のスタッフと共にダニラの運営となったKrioRusの研究所に保管されてある冷凍保存遺体を無断で持ち出そうとした。

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Rubase / Youtube

離婚争いの果てに遺体の保管を奪い合う夫婦

 ヴァレリアは、ある日スタッフを引き連れてKrioRus研究所に忍び込み、凍った遺体が入った巨大なタンクから液体窒素を排出し、遺体と分離された脳を複数トラックに積み込んだ。

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 脳は、特別な金属製の医療ボックスに入っていたが、タンクから液体窒素が取り除かれた遺体は損傷した可能性があるようだ。

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Rubase / Youtube

 9月8日YouTubeで15分にわたり心情を吐露したヴァレリアは、元夫ダニラさんとの法廷での争いをいとわないと話している。

 また、動画内では3か月にわたって研究所から冷凍保存の遺体を運び去ることを計画していたことを暴露した他、仰臥位に冷凍した遺体を保つ特別な機器を考案したとも語っている。

О преступном поведении Медведева и Самыкина относительно крионики

 ダニラさんから通報を受けた警察は、元配偶者同士のこの奇妙な争いについて調査を進めているが、ヴァレリアは「自分はこの研究所の正当な所有者」と主張していることから、現時点ではヴァレリアの逮捕に至っていないという。

冷凍保存に最後の望みを託す人々

 現在の医療技術で治療が不可能な遺体を液体窒素による超低温下で保存し、未来の医療技術で蘇生可能となった時点で解凍、治療する冷凍保存技術に最後の望みを託す人は多い。

 本当に、技術が進めば冷凍保存された遺体が生き返るかどうかの保証はないが、何もしなければ可能性は完全にゼロである。

 決して安くない費用だが、2016年の時点で、世界全体で約350人が冷凍保存されていると言われている。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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冷凍保存施設に忍び込み、凍結した遺体を盗み出した元妻。いったい何が起きたのか?