イギリスの動物病院に、ゴム製のアヒルを丸ごと飲み込んでしまったというブルドッグが運ばれてきた。レントゲン検査で確認してみると、胃の部分にハッキリとアヒルの形が写し出されていた。内視鏡検査と同様の方法で取り出すことに成功した獣医は「ラバーダックを釣り上げるゲームのようだった」とコメントしている。『The Herald』などが伝えた。

ラバーダックを飲み込んでしまったのは、英ノッティンガムシャー州ノッティンガム在住のジョーフィッシャーさん(Joe Fisher、38)が飼っている1歳のブルドッグ“ロニー(Ronnie)”だ。

ジョーさんはある朝、下の階にいたロニーのもとへ行くために階段を登らないように設置していた柵を開けると、ロニーはその隙間を勢いよく走り抜けて2階へ上がってしまったという。

そしてロニーはジョーさんの娘であるエディちゃん(Edie、9)の部屋に入り、床の上にあったラバーダックをくわえて下の階に戻ってくると、それを丸ごと飲み込んでしまったのだ。

ジョーさんは当時のことについて「まさかロニーがラバーダックを飲み込んでしまうとは思わなかったし、とても大きかったのでロニーがしたことを本当に信じられませんでしたよ。ラバーダックがロニーの気道を塞いでしまうのではないかと心配しましたが、ロニーは全く気にしていない様子でした」と振り返っている。

ロニーの体調に変化は起きなかったようだが、心配したジョーさんはダービーシャー州ダービーにある動物病院「Pride Veterinary Centre」へ連れて行った。

担当した獣医のデブス・スミスさん(Debs Smith)は「ロニーに鎮静剤を投与してレントゲン撮影を行ったところ、アヒルの形がハッキリと見えました。アヒルは胃の中で留まっていましたが、腸閉塞を引き起こすのではないかと懸念しました」と当時の状況を明かした。

手術により開腹しての摘出も考えられたが、まずは内視鏡で口からカメラを入れて直接確認することになった。そして詳しい状況が分かると、デブスさんは専用の器具で輪っかを作り、それをラバーダックに引っ掛けてロニーの口から引っ張り出すことに成功した。

摘出にはおよそ30分かかったそうで、デブスさんは「フック・ア・ダックhook a duck)のゲームをしているみたいだったよ」と話している。

フック・ア・ダックというのは、お祭りの露店でよく見かける伝統的なゲームだ。頭に金属製のリングが付けられたラバーダックを水に浮かべ、専用の釣り竿でそのリングに引っ掛けてアヒルを釣り上げて楽しむ。

ロニーの体から出てきたアヒルにリングは付いていなかったものの、アヒルを引っ張り上げる感覚でデブスさんはフック・ア・ダックを思い出したようだ。

ラバーダックを取り出してロニーは麻酔から覚めると、その日の午後にはジョーさんとともに自宅へ帰ることができた。

なおジョーさんはロニーが朝のおやつとして奇妙なものを食べてしまったことを忘れないように、アヒルが写り込んだロニーのレントゲン写真を額縁に入れて飾るつもりだという。

ちなみに2019年にはタイで、38個の小さなラバーダックを飲み込んでしまったブルドッグが摘出手術を受けていた

画像は『Metro 2021年9月17日付「Vets pull rubber duck from cheeky bulldog’s stomach after he swallows the toy whole」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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