好きが高じると、ときにその行動が驚きの結果をもたらすことがある。米アラスカ州在住の男性は歩くことが大好きで、愛犬とともに一日に何度も散歩に出ていたところ、8年間で歩いた総距離が地球1周分に到達したという。男性はC型肝炎を患っており体重を落とすことも目標の1つとして歩いていたそうで、愛犬の存在が励みになったと語っている。『Alaska’s News Source』などが伝えた。

アラスカ州アンカレジ在住のマイク・ミッチェルさん(Mike Mitchell、68)は60歳の誕生日を迎えた日、地域の情報広告サイトを見ていて子犬たちの譲渡先を探しているページでシーズーの“チャンス(Chance)”を見つけたという。

「チャンスは一番美しい子犬だったよ。すぐ『この子を引き取るよ』と言ったさ。それからすべてのことがスムーズに進みました。まるで何か見えない力に突き動かされているようでしたね。」

それからマイクさんとチャンスは、毎日一緒に散歩に出掛けるのが日課となった。

「私もチャンスも歩くのが大好きなので、毎日一緒に歩いています。家の掃除をしないことを除けば、私たちは似た者同士ですよ。」

そのように語るマイクさんは、チャンスを家族として迎えた2013年から歩いた距離を計測し始めた。

家に戻って休憩を挟みつつ、晴れの日も雨の日も一日に何度も散歩に出掛けたというマイクさんとチャンスは、年間で平均3000マイル(約4828キロ)歩き続け、8年間の総距離が地球1周分に相当する24901マイル(約40074キロ)に到達したのだ。

犬を飼っていて毎日散歩をしている人であれば、それくらいの距離になるのではないかと思うかもしれないが、マイクさんたちが歩いた距離はそれとは比にならない。

小型犬の散歩に関しては、1回1~2キロを毎日2回程度が適していると言われる。仮に1回2キロの散歩を毎日2回行った場合、365日で1460キロとなる。これを8年間毎日欠かさず続けたとしても、その総距離は11680キロで、マイクさんとチャンスが歩いた距離が圧倒的であることが歴然だ。

マイクさんは「どうにか地球1周分を歩くことができました。私の小さな愛犬が地球1周分の距離を歩くなんて、本当に驚くべきことですよ」と自身でもその距離に驚いている様子だ。

なおマイクさんがたくさん歩こうと思ったのは、減量が1つの目的でもあった。マイクさんは1976年に受けた手術でC型肝炎になってしまい、それから何年もC型肝炎の治療に励んでいたが体重が増えてしまったという。

この闘病中に出会ったのがチャンスだった。マイクさんは「私はすぐに『もう一度チャンスを掴まなければならない』と考えました。引き取ったこの小さな犬にピッタリの名前でした。チャンスは私の“セカンドチャンス”なのです」と明かしており、長い闘病で疲れ切っていたマイクさんをチャンスが奮い立たせてくれたのだ。

それから毎日チャンスと歩き続け、マイクさんは2018年に化学療法によってようやくC型肝炎ウイルスの除去に成功した。

「山の頂上に着いたら、次の谷を下るのか、次の頂上を目指すのか2つの道があると思います。私は次の山の頂上に向かえば良い眺めが見られると思うのです。」

そんな前向きな考えで病気を克服したマイクさんは、毎日歩いていたおかげで近所でちょっとした有名人となり、ポケットに犬用おやつを持っていたのでたくさんの犬が集まってきたという。

マイクさんは医師や獣医からこの取り組みを続けることを勧められており、これからもチャンスとの散歩を楽しむ予定だそうだ。

画像は『The Daily Star 2021年9月17日付「Bloke spends eight years walking the entire circumference of the Earth with his dog」(Image: Alaska news source)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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