中華街は世界各国にあるが、日本の横浜中華街は世界最大級の規模を誇り、地元住民からも国内外の観光客からも愛されてきた存在だ。最近、中国では大連市に誕生した日本タウンの排斥運動が起きたが、横浜中華街は排斥どころか、日本人から親しまれている存在と言えるだろう。中国メディアの百家号は15日、横浜中華街を紹介する記事を掲載した。

 記事は横浜中華街が「日本最古かつ最大の中華街」だとし、いくつかの見どころを紹介している。まずは中華街に入るときに必ず通る、東西南北4カ所に建てられた高さ15メートルの「門」で、「赤と緑の中国伝統の配色」と真ん中に書かれた「中華街」の文字が特徴的だと伝えた。それに関羽を祀った「横濱関帝廟」もあって、まるで中国にいるかのようだとしている。

 次に中華街のメインである「中華料理」については、広東人が多く集まっていて広東料理店が多いものの、ほかにも江蘇、上海、四川、台湾、香港など、各地方の本格中華料理店が集まっていると種類の豊かさを伝えている。もちろん、料理以外にも中国雑貨や中国の薬、チャイナ服、手工芸の店などもある。

 記事の中国人筆者によると、横浜中華街は日本だけでなく、世界でも珍しい方の中華街だそうだ。ほかの国の中華街は、華人や華僑が集まって自然とできた「小さな中国」のようになっているのに対し、横浜中華街の主な客は華僑でも中国人旅行者でもなく現地の日本人だからだ。そのため日本人好みの、魚が多い上海料理や、麻婆豆腐を出す店が多いほか、関帝廟で参拝する日本人までいると伝えた。

 記事の中国人筆者からすると、日本は対中感情があまりよくないので日本人は「中華街をボイコット」するのではないかと思ったようだが、実際にはボイコットどころか地元住民に愛されていることを、喜びつつも少し不思議そうに伝えている。日本としては、中華街をボイコットするなど思いもよらない話だが、これが日本人と中国人の感覚の違いなのであり、中国人には理解できないことなのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国の日本タウンは排斥されたが、日本の中華街は親しまれている=中国