2020年~21年にかけて、新型コロナウイルス関連の市場が大きく伸びた。「マスク」市場もその一つだ。調査会社の富士経済(東京都中央区)が20年11月に発表した調査によると、20年の家庭用マスクの市場規模は5020億円の見込み(販売金額ベース)だという。19年が415億円だったため、約12倍だ。

【画像】5時間で完売したシャープの立体型マスクは何がすごいのか?

 需要の急増に伴い、マスクメーカー以外の異業種からも参入が相次いだ。アパレル大手のユニクロスポーツメーカーなど、商機を見いだした企業が独自の強みを生かしたマスク販売に乗り出した。シャープの「クリスタルマスク」もその一つだ。

 同社の公式Twitterが「ごめん、売り切れたみたい」と投稿したのは、クリスタルマスク発売からわずか5時間後だった。各社の生産体制強化に伴い、マスクが品薄になる可能性は低そうだが、なぜこんなにも売れたのだろうか?

●発売から5時間で完売 なぜ?

 クリスタルマスクの特徴は「快適性」と「見た目」にある。六角形をベースとした「立体クリスタル構造」がカギとなっている。口元に空間を確保することで、息苦しさをなくし、呼吸のしやすさを意識した。また、口や肌がマスクと接触しにくいため口紅の付着や化粧崩れ抑止も期待できるという。

 見た目にも気を配る。頬からあごにかけてシャープフェイスラインを演出する形状で、顔の形をきれいに見せる工夫を施した。もちろん、これまでのマスクの特徴だった抗菌加工とウイルス飛沫や微粒子を99%以上カットするフィルターも採用している。

 現在の状況は、発売から5時間で完売したこともあり品薄状態となっている。通常時は、定期便サービスと単品販売を用意。定期便サービスは、毎月1回15枚入りのマスクを届けるプランで、単品販売は15枚入りと5枚入りから選べるようにした。

 現在、定期便サービスと単品販売も15枚入りは売り切れ。5枚入りは販売を再開している。

●たかが「マスク」にそこまでする?

 同社は20年2月に経済産業省から要請を受け、マスクの生産を開始した。同年の4月から合計4種類のマスクを発売しているが、生産体制や工場のキャパシティは大丈夫なのだろか。

 「当社で販売するマスクは全て三重にある自社工場(三重県多気郡多気町)のクリーンルーム内で製造しています。クリスタルマスクの製造にあたって、マスク製造機器の既存装置を1台丸ごとクリスタルマスク専用に改造しました」(広報担当者)

 同社は今後について「入荷次第、再販していく」とコメントした。発売日や準備枚数については非公開としている。

シャープが発売した「クリスタルマスク」、品薄状態が続いている