2021年も上半期が過ぎました。依然としてコロナウイルス関連のニュースが大きく報道されてますが、それ以外にも印象的な出来事が様々にありました。

2021年3月6日に掲載され、大きな反響があったのが、新潟県は「何地方」なのかという記事です。新潟県庁にも聞いてみましたが、返ってきたのは意外な回答でした。当時の記事を再掲載します。

新潟県は「北陸」?「東北」?「関東甲信越」?

東京は「関東地方」、仙台は「東北地方」。おそらく異論はないでしょう。しかし、かならずしもどこの「地方」に属しているのか明らかでない地域もあります。

先日、「新潟県は何地方なのか」という内容のツイートが10万件以上「いいね」されるなど、話題になりました。

このツイートには、「越後(新潟)、越中(富山)、越前(福井)だから北陸では」「関東甲信越だろ」といったコメントが寄せられています。このほか「東北地方」「中部地方」「北信越(北陸信越)」といった声もあがっていました。

これだけ意見が分かれていることにも驚きですが、「新潟県民なんだけど本当わからん」というツイートもありました。

天気ひとつとっても、気象庁は「北陸」、NHKは「関東甲信越

新潟県については、組織や団体で異なる地方名が当てられているようです。

たとえば、多くの人が日常的にチェックする気象情報について、気象庁新潟県の地域名を「北陸地方」としています。場合によっては、北陸東部(新潟県)と北陸西部(富山県石川県福井県)という区分で使い分けることもあるようです。

一方、NHKの公式ホームページにある天気予報では、「関東甲信越」としています。NHKは、新潟放送局についても「関東甲信越地方」に区分しています。

新潟県にガスを供給している大手事業者は「北陸ガス」ですが、県内6市1町1村への供給にとどまり、全域をカバーしているわけではありません。

また、電気を供給している大手事業者は「東北電力」ですが、同社の公式ホームページでは、「東北6県と新潟県」という表現が各所で見られます。新潟県は「東北地方」に含まれると考えているならば、このような表現にはならないでしょう。

選挙は「北陸信越」、省庁はバラバラ裁判所は?

衆議院選挙における比例代表の選挙区について、新潟県は、富山県石川県福井県長野県とともに「北陸信越」と公職選挙法に明記されています(13条、別表第2)。北陸に含まれることもある新潟県ですが、ここでは「信越(信濃・越後)の『越』」として扱われているようです。

省庁の出先機関では、たとえば、財務省は「関東財務局」、防衛省は「北関東防衛局」、厚労省は「関東信越厚生局」など、多様な区分になっています。

地方名とは少し離れてしまいますが、新潟県内の各裁判所は、「東京高等裁判所」が管轄しています。東京高裁の管轄地域は山梨県長野県静岡県を含む1都10県です。したがって、新潟地裁、甲府地裁、長野地裁、静岡地裁などから上訴する場合は、東京高裁になります。地域によっては、別の高裁のほうが距離が近いという人もいるかもしれません。

県庁「公式な区分は特にない」

新潟県をどの地方に含めるのかは、組織や団体で異なっていますが、当の新潟県はどのように認識しているのでしょうか。

新潟県・広報広聴課は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「公式な区分は特にありません」と回答しました。

「県庁の業務においても、特に不都合な点はありません。

地域の知事会についても、北海道東北地方知事会、北関東磐越五県知事会議などさまざまな地域との会議体に参加しており、それぞれの枠組みで効果的に連携しています」(広報広聴課)

新潟県の面積は全国で5番目に大きく、南北に長い形をしています。地方の区分がバラエティに富んでいるのは、北部と南部ではつながりの強い地域が異なることもありそうです。

米の品種「コシヒカリ」で有名な新潟県南魚沼市で生まれ育った女性(70代)は、「上越・中越・下越という県内の地域は意識することもありますが、新潟が『●●地方』ということ自体についてはほとんど意識しません。『新潟は新潟』という感じです」と話します。

これが地元の人のシンプルな本音なのかもしれません。

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