「アヘン」の蔓延は清王朝にとって国力衰退の大きな要因の1つだったと言えるが、日本はなぜ清のようにアヘンが蔓延しなかったのだろうか。中国メディアの快資訊はこのほど、近代日本がアヘンの被害を受けなかった理由について説明する記事を掲載した。

 記事は、19世紀の清朝は王族から軍人、一般市民に至るまで、ありとあらゆる人がアヘン中毒になり国家全体が甚大な害を被ったと指摘する一方、日本は隣国でありながらも「清のようにアヘンに侵されることはなかった」と強調した。

 続けて、当時の日本でアヘンが流通しなかった要因の1つとして「徳川幕府がアヘンに対して厳しい態度を取った」ことを挙げ、日本はアヘンによって国力が衰退していく清の姿をよく見ていたと指摘。これは徳川幕府が米国と結んだ日米修好通商条約で「アヘンの輸入禁止」が明示されていたことからも見て取れると紹介したほか、日本がアヘンの使用も厳しく取り締まった結果、アヘン中毒者であふれていた清と違って、18世紀末の日本にはアヘン使用者はほとんどいなかったと指摘した。

 また、当時の日本人が「侵略には屈服しない態度」を明確に示したことも、日本でアヘンが流通しなかった要因の1つだと主張し、その象徴的な事件として「薩英戦争」を取り上げた。当時の英国は薩英戦争を通して「日本人は簡単には屈服しないことを知り、日本人に対する見方を変えると同時に、日本に対する強硬路線を改め、アヘンを流通させるようなこともしなかったのだ」と指摘した。

 中国は現在、麻薬密輸で死刑に処されることもあるほど麻薬に対して非常に厳しい態度を取っているが、これはアヘンにまつわる過去の教訓が根底にあるとも言われている。もし近代日本でも清のようにアヘンが蔓延していたら、歴史は大きく変わっていたことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

清王朝はアヘンで国力が衰退したのに! 日本でアヘンが流通しなかった理由=中国