川崎市の広報誌の今月号の特集が、『川崎市の治安が悪いって本当?』で笑ってしまった」。神奈川県川崎市が発行する「かわさき市政だより」(2021年9月号)の特集が、ツイッターで話題となりました。

特集は、市が毎年おこなっている「川崎市都市イメージ調査」(2020年度)の結果をまとめたもの。

これに対し、ツイッターでは「気にせず住んでます」「幼少期はなかなか物騒だった」「ここ12〜3年でだいぶ治安良くなった」などさまざまな声が寄せられていますが、実際のところは?

市政だよりを編集した川崎市の担当者に話を聞きに行きました。

「実際は治安がいいんですよ」

「実際は治安がいいんですよ、というアピールをしていきたいんです」。川崎市のシティプロモーション推進室の担当者はそう話し、21大都市(政令指定都市及び東京都区部)に関する統計をまとめた「大都市のデータランキング」を見せてくれた。

意外にも、というと怒られるかもしれないが、実は川崎市は、大都市の中で人口1千人あたりの「刑法犯認知件数」が横浜市と並んで最も少ない4.3件(2019年)。17年連続で、大都市平均を下回っている。

ただ、こうしたデータとは裏腹に、川崎市イメージは良いとは言えないようだ。

今回の調査でも、川崎市に当てはまるイメージとして複数ある項目のうち「治安が悪い」を選択した人の割合は、川崎市民で35.2%、大田区世田谷区など隣接都市住民で42・8%、横浜市民で47%にものぼった。

2019年の「川崎市登戸通り魔事件」や2015年の「川崎市中1男子生徒殺害事件」など、凄惨な事件が大きく報道され、人々の記憶に残っていることも影響しているのかもしれない。

とはいえ市の職員の中では、「刑法犯認知件数」が少ないことは周知の事実。「治安が悪いと言われ続けているけど、なんでそんな風に言われるんだろう」。そんな疑問を元に、今回の調査から新たに「治安が悪い」と考えた要因や治安のイメージに悪影響を与えているものを尋ねた。

「市民は良いところを知っている」

その結果、川崎市イメージとして「治安が悪い」を選んだ川崎市民の8割以上が、実際の経験ではなく、伝聞などの間接的な要因によってそう思っていることが判明した。

市の担当者は「自分たちよりも周りが『治安が悪いと思っている』と考えて選択した人がいるのではないでしょうか。川崎市民は、住んでいるからこそ良いところを知っているので、それが調査結果2に現れていると思います」とよむ。

また、川崎市の各区民ごとに「自分が住んでいる区の治安に関するイメージに悪影響を与えているもの」を尋ねたところ、川崎区以外の6つの区は「どれもない」がもっとも多い結果となり、川崎区のみ「マナーの悪い人が多い」と答えた人が5割を超えた。

川崎市は、横浜市東京都に挟まれた細長い地形で、7つの行政区によって構成されている。市の担当者はこの結果について「驚いた」という。

「一位はほとんど一緒だったのも意外でしたが、区が南北に細長く、多様な地域性が結果にあらわれたのも意外でした。まとまった緑があるところが、麻生・多摩区の魅力であり、同時に暗く思える。川崎区も明るく賑やかなのが、逆の側面から見るとごちゃごちゃしている。魅力の裏には課題もあるということだと思います」

市ではイメージに悪影響を与えているものとして「マナーの悪い人が多い」という回答が多かったことから、マナーに関する市民の意識を深掘りするため、投稿を集めている。

市の担当者は「川崎市は住んでみればいいところと伝えたい。噂に左右されず、素敵な街だと知ってほしいです」と話した。

「川崎市は治安が悪いって本当?」 市広報誌の特集が話題、担当者「噂に左右されず、素敵な街だと知って」