我が子を想う母の愛は深いと言われるが、動物界においてもそれは同様で、異種であっても受け入れ、世話をするやさしさを持っている動物が存在する。
このほど、アメリカのニューヨーク州にある農場で飼われているドーベルマンが子犬を出産した。
その1週間後、孤児の野良の子猫が飼い主によって発見されたが、母犬はその子猫をすんなりと受け入れ、我が子同様に授乳し、いたわる姿を見せたという。
8月25日、ニューヨーク州ジェネセオの農場に暮らし、ドーベルマンのブリーダーをしているブリタニー・カランさんは、いとこのニコル・ギブスさんと叔母の家で掃除を手伝っている最中、子猫の鳴き声を聞いた。
ガレージの裏に回ると、そこには1匹の小さな子猫がおり、母親を求めて必死に鳴いていた。
ブリタニーさんとニコルさんは、母猫が戻って来るかもしれないと距離を置いて子猫の様子を見ていたが、子猫はぼっちのままで、次第にコヨーテの鳴き声が聞こえてくるほど時間帯も遅くなったため、ブリタニーさんは子猫を保護することにした。
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よく見ると、子猫のお腹には乾いたへその緒の一部がついていた。生後数日と推定したブリタニーさんは、子猫にミルクを与えなければならないと思い自宅へ連れ帰ると、ちょうど1週間前に出産したドーベルマンのルビーにお世話をお願いすることにした。
我が子同様に子猫を受け入れたルビー
ブリタニーさんの農場では、繁殖のために14匹のドーベルマンを飼育しており、そのうちの1匹でメスのルビーが8月18日に6匹の子犬を生んだばかりだった。
ブリタニーさんは、保護した猫をランブリン・ローズと名付け、早速ルビーに近付けてみた。
すると、ルビーはランブリン・ローズの匂いを嗅いで、体を舐め始めた。ランブリン・ローズをルビーのおっぱいに近付けると、ルビーは自然に受け入れ、子猫はルビーの乳を飲み始めた。
異種の子猫を受け入れて授乳してくれたルビーの優しさに、ブリタニーさんは感動。しかし、同時に栄養補給のためにとランブリン・ローズに子猫用のミルクも与えた。
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おかげで、子猫は124グラムだった体重が1週間で206グラムに増え、すくすく成長の兆しを見せ始めたという。
農場で他の動物たちと育ってきたルビーに培われた「思いやり」
ブリタニーさんによると、ルビーは生後8週目の時にブリタニーさんの家族として迎え入れられたそうだ。
農場に暮らしているブリタニーさんは、ウサギや鶏、アヒルやモルモットなど、様々な小動物を飼育していた。
そんな環境の中で育ってきたルビーは、ドーベルマンだけにどんどん大きく成長していく中で、いつも異種の仲間と仲良く過ごし、小さな動物を労わるような思いやりを見せていたという。
ルビーは、本当にとってもやさしくて思いやりのある犬です。そんなルビーから生まれた子犬たちも、母親の血を引いているからか、ランブリン・ローズとまるできょうだいのように仲良くしています。
ルビーは、自分の子供たちよりランブリン・ローズが小さいので、口にくわえて持ち運んだりして、注意している様子が伝わってきます。
ちなみに、ルビーの6匹の子犬たちは既に譲渡先が決まっており、生後10週目になればそれぞれ新しい家庭に貰われていくことになっているそうだ。
ランブリン・ローズにおいては、子犬同様未だルビーの授乳に頼っている最中だが、卒乳次第いとこのニコルさんが引き取る予定になっており、「ニコルは近所に住んでいるので、ランブリン・ローズに会いたくなったら、ルビーと一緒にいつでも行ける」とブリタニーさんは話している。
written by Scarlet / edited by parumo
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