貨物機は需要ありそうですが、旅客機も……。

長距離路線は2023~2024年回復の見通し

アメリカの航空機メーカー、ボーイングが2021年9月に、最新の市場予測を発表しました。新型コロナウイルス感染拡大下ではあるものの、同社の今後10年間の航空宇宙・防衛の市場規模予測は9兆ドル(約980兆円)。この数値は、2019年時点の予想である8兆7000億ドル、2020年時点の予想である8兆5000億ドルを上回ります。

ボーイングによると、民間航空機市場では国内線の需要が回復を牽引。その後検疫措置や渡航制限等の緩和にともない、地域間における空路の需要回復が見込まれるといいます。一方、国際線を始めとする長距離路線においては、需要がコロナ禍前の水準に戻るのは2023年から2024年頃と予測しているとのことです。

同社は今後10年間で、1万9000機の新造機需要があると予測しているとのこと。さらに2040年までの20年間では、4万3500機以上の新造機需要があると予測しており、この機数は前年の予測値と比べ500機増。機体のサイズ別では、737シリーズなどに代表される、90席以上で通路が一本の「ナローボディ(単通路)機」が、新造機数の75%を占めるとの内訳です。

一方、貨物専用機の需要においては、「新造機と、旅客機から転換された貨物機の双方に力強い伸びが予測される」とのこと。2040年の世界の民間貨物機数は、コロナ禍前と比較して70%拡大する見通しとしています。

ボーイングの予測では、今後20年間で民間航空業界が新たに必要とする人材の数は210万人以上になるとのこと。内訳は、パイロットが61万2,000人、機体整備技術者が62万6000人、客室乗務員が88万6000人としています。

ボーイング737-10(画像:ボーイング)。